舌で体調セルフチェック!「舌診」のやり方
白っぽい、黄色っぽい、厚ぼったい…舌を見れば、体調や体質が分かります。東洋医学の診察方法「舌診」のやり方を学び、健康管理に役立ててみませんか?
こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。
血液検査や、レントゲン、エコー、内視鏡といった検査機器などがない時代、医師はどうやって病気の診断をしていたのでしょうか?
患者さんの体質や病状を推測するための方法として、最も基本的なことは、まず患者さんを目でよく観察することでした。
例えば、顔色・表情・目の力・体型・姿勢・歩き方・呼吸の仕方などを診ます。
現代でも漢方医たちは、患者さんが病院の待合室でどんな様子で待っているかや、診察室に入って椅子に腰かけるまでの、その動きや表情などを観察しています。
つまり、問診を始める前に、既に診ることは始まっていて、処方を決定するための一つの材料(判断基準)となっているのです。
さらに、東洋医学の特徴的な診察方法のひとつに「舌診(ぜっしん)」があります。
特別な検査機器を必要としない、舌を観察するだけのものですが、舌は、気血水や内臓の異常が現れやすい部分であることから、体の中の多くの情報を得ることができます。
医者にかからなくても、ご自身でも舌を観察してみれば、自分の体質や、内臓が健康かどうかのセルフチェックになります。
もちろんレントゲンやエコー検査のように、病気の部分を的確に見つけることはできませんし、それだけで病気を診断するのは難しいのですが、自分で体調を直接的に確認できるという点では簡単な方法です。
日常的に鏡の前に立ったときに、自分の舌もちょっと確認してみてください。
毎日見ていると、舌の色、大きさ、苔の色がいつもと違っていることに気が付くかもしれません。
体が疲れているときは、水分の代謝が悪くなり、余分な水のせいで、舌が腫れぼったく大きくなります。
舌の側面に歯形がついていたら、舌は軟らかくてハリがなくなっています。
疲れによってむくみがでて、体力とともに胃腸まで弱ってきている可能性があります。
舌が小さかったり、薄かったりして、さらに赤っぽく見えるのは、体の水分が不足している可能性があります。
栄養状態が良くなくて血液が薄いときは、舌の赤色も薄くて白っぽくみえます。
舌が青~紫のときは、体がかなり冷えているのかもしれません。
血液の循環が悪いときは、舌の裏側の静脈が太く、青黒く浮き上がって見えます。
生活習慣病によって血行が悪いか、またはストレスのせいかもしれません。
舌の苔が白くて水っぽいのは、体が冷えている時です。
逆に体に熱がこもっていると、舌苔は黄色くなってくると考えられます。
体の水分が足りていないときは、苔も薄くて乾燥し、反対に、体に余分な水分が溜まっていると、苔は厚くて粘っこくなりやすいです。
食べ過ぎが続いているときも、舌苔は分厚くなってきます。
舌だけで病気かどうかを判断しようとするのには注意が要りますので、もし気になるなと思ったら、専門家に相談することをお勧めします。
漢方外来などを受診するときや、セルフチェックするときは、色の付きやすい食品(みかん、牛乳、コーヒー、カレーなど)や着色料の入った食品を、直前に食べるのはお控えください。
冷たいものの摂り過ぎ、暴飲暴食はありませんか。
血行が悪いようなら、運動不足などはありませんか。
冷えていたり、乾燥したりしているときは、風邪を引きやすくなります。
寝不足や残業で疲れが溜まっているようなときは、休養をとって体力の回復に努めるときです。
時々舌をチェックして、不摂生をしていないかどうか、生活を振り返ってみるきっかけにしてみてくださいね。
|
|

|
|