漢方・漢方薬の資格がとりたい!どんな資格があるの?
漢方・漢方薬の資格を紹介。東洋医学に興味があって、「漢方の勉強をしてみたい」「将来は漢方に関する仕事をしてみたい」という人は、確認してみては?
こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。
漢方に興味があって勉強をしてみたい、将来は漢方に関する仕事をしてみたい、と考える人は少なくないと思います。
ですが、実際に、漢方に関する書籍や、漢方系の資格を探してみたら、たくさんあって何から始めればいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、 漢方・漢方薬の資格についてご紹介します。
「漢方」という言葉が「漢方薬」の意味で使われているのを時々見かけますが、「漢方」は、医学や医術のことを指します。
正確には、「漢方」という医学の中で使われる薬のことを「漢方薬」といいます。
または、漢方薬を用いて治療する医学を「漢方」といいます。
ですから、「漢方の資格」というのと「漢方薬の資格」というのでは意味が異なってきます。
「漢方」は、日本で独自に発展してきた医学ですが、基になっているのは中国から入ってきた伝統医学です。
中国を発祥とする医学という意味で「東洋医学」という言い方もあります。
そこで「東洋医学」と「漢方」が同じような意味で使われる場合があり、そうすると、中国を発祥とするものとして、中医学、薬膳、鍼灸、ツボ、按摩、気功なども含まれてきます。
鍼灸や按摩に関しては、国家資格なので専門の学校があり、きちんとしたカリキュラムがあります。
一方、認定資格しかない薬膳などは、各団体やスクールの独自の学習内容になっています。
とはいえ、東洋医学の根底にある整体観や健康観などは、どの分野でも共通の考え方ですので、病気を未然に防ぎ健康を保つための養生法・生活の知恵などは、どのような「漢方の資格」でも学ぶことはできます。
漢方を学ぶ目的をはっきりさせよう!
上のような理由から、「漢方系の資格を取りたいな」という漠然としたイメージだけでは、何を勉強するべきか分からなくなってくるのも当然のような気がします。
目的を明確にしてから、その目的にあった勉強ができそうな資格を探してみるのが良いかと思います。
- 自分自身や家族の健康のため
- ご近所さんや友人たちに教えてあげるため
- 今の仕事に幅をもたせるため
- 専門家として独立するため など
「植物・動物・鉱物など天然のもので、薬としての作用をもつ部分」を生薬(しょうやく)といいます。
この生薬を複数組み合わせて構成されているのが、漢方薬です。
つまり、生薬や漢方薬として流通するものは「医薬品」です。
よって、書籍などで漢方薬の勉強をすることは誰でも可能ですが、実際に生薬・漢方薬を人に販売するとなれば、基本的には薬剤師の資格が必要です。
ドラッグストアなどで購入が可能な一般用医薬品(OTC)は、漢方薬に限らず、副作用のリスクに応じて第1類~第3類の分類があります。
登録販売者は、リスクの比較的低い第2類および第3類医薬品に限って、販売と情報提供を行うことが可能です。
多くの生薬の商品は「第3類医薬品」に、多くの漢方薬の商品は「第2類医薬品」に分類されていますので、登録販売者の資格でも多くの薬を扱うことができます。
●「登録販売者」の資格を取得するには?
資格を取得するには、都道府県が行う試験に合格する必要があります。
都道府県毎に行われていますので、試験日程などは、受験したい都道府県のホームページなどでご確認ください。
現在は、学歴・年齢・実務経験に関わらず受験することができます。
●登録販売者になるための試験勉強と、漢方薬の勉強は別物
ただし、生薬や漢方薬を中心に扱いたいと思っても、登録販売者の試験範囲には変わりありませんので、体のこと、薬の成分のこと、法律のこと、薬の適正使用のことといったように、一通り勉強する必要があります。
試験問題の中では、漢方薬はごく一部しか出てきません。
登録販売者の試験に合格するための勉強と、漢方薬の勉強とは、別のものだと考えておいた方がいいでしょう。
●薬剤師であることが前提
漢方薬・生薬認定薬剤師になるには、まず薬剤師であることが前提です。
薬剤師の中でも、特に漢方薬・生薬に関する専門的知識を備えていることを認定された薬剤師です。
自分が取得しておいて言うのもなんですが、他の認定制度に比べて、割と簡単に認定を受けることができます。
どの資格でも言えることですが、やはり薬剤師にとってみても、資格を取るための勉強はきっかけに過ぎず、それを何かに役立てるための研鑽は改めて必要だと感じます。
いまだ、漢方は古臭い、怪しいというイメージを持たれることもあります。
しかし、薬膳を現代科学の栄養学と組み合わせるとか、鍼灸を美容やスポーツの分野に応用することも行われています。
また、ストレス社会には、西洋医学だけでは対応できない問題も起こりますので、今後もますます漢方の考え方は注目されてくるのではないかと思います。
漢方は長い歴史があるために、知れば知るほど奥が深いことに驚き、難しく感じてしまいますが、漢方に興味のある方にはぜひ頑張って漢方を広めていただけたらと思います。
そして、少しでも多くの人の健康に役立つものとなることを願います。
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