初夏野菜「アスパラガス」辞典!アスパラの栄養・旬・下ごしらえ・茹で方
野菜ソムリエ直伝!アスパラガスの栄養効能や旬、下ごしらえ、茹で方、美味しいアスパラの選び方など。アスパラギン酸で疲労回復効果も期待できます。
こんにちは、野菜ソムリエの我妻飛鳥です。
今回は、枝や葉が出る前の若い茎を食べる野菜「アスパラガス」についてです。
アスパラガスはユリ科の多年草で、南ヨーロッパからロシア南部原産です。
アスパラガスという名前は、「たくさん分かれる」や「激しく裂ける」といったギリシャ語が語源であると言われています。
古代ギリシャでは野生のものを食用としていましたが、ローマ時代には栽培が始まったようで、ヨーロッパでは紀元前から栽培されていたと伝えられています。
日本に入ってきたのは、18世紀後半の江戸時代中期で、オランダ人によって伝えられました。
初めは観賞用でしたが、大正12年に北海道で本格的な栽培が始まり、2年後にはアジアで初めて缶詰生産も始まったそうです。
以前は缶詰というと、ホワイトアスパラガスが主流でしたが、現在ではグリーンの比率が多くなっているとのこと。
しかし、缶詰の生産量自体が輸入品に押され、現在では国内生産量は減少傾向にあります。
アスパラガスの旬は、春から初夏にかけてです。
茎が太くてまっすぐに伸び、緑色が濃くてつやのあるものが良品です。
切り口が変色や乾燥していないもの、穂先がしっかり締まっているものを選ぶと良いでしょう。
あまりに細すぎるものは、筋が多い場合があるので注意が必要です。
穂先を傷めないように濡らした新聞紙で包んでから、ビニール袋に入れて冷蔵庫で立てて保存すると長持ちします。
保存方法によっては、茎が曲がってしまうこともあるので気を付けましょう。
- 茎の下の方は堅いので、切り落として使います。
- たっぷりのお湯で茹で、早めにあげるのがコツ。
- 水にさらさず、ざるに広げて冷ますと、水っぽくならず、美味しい食感を損なわずにいただけます。
栄養素的にはタンパク質と糖質が多い野菜です。
その他βカロチン、ビタミンB1、B2、ビタミンC、食物繊維なども含む、栄養価の高い野菜です。
また、アスパラガスには、疲労回復効果のあるアミノ酸の一種「アスパラギン酸」が多く含まれています。
アスパラギン酸は、ネバネバ食材やビタミンB2で効果が高まりますので、オクラや納豆などとの食べ合わせがお勧めです。
また、穂先に含まれる「ルチン」は、毛細血管を丈夫にする働きがあり、動脈硬化予防に効果的と言われています。
ここで品種の違いについてですが、一般的に見かける緑色のものがグリーンアスパラガスと言われています。
これは発芽した後も日光にあて自然のまま栽培したものです。
栄養価も高く、香りや風味豊かです。
調理しやすく、サラダや炒めものなど、料理の彩りとしても人気を集めています。
一方、ホワイトアスパラガスは、品種の違いではなく、栽培方法の違いによるものです。
発芽後に土寄せして白く軟化させたものがホワイトアスパラガスとなります。
柔らかくてまろやかな味が特徴です。
主に缶詰専用でしたがが、近年では生のホワイトアスパラガスも流通するようになってきました。
他にもヨーロッパの野生の品種、アスパラソバージュなどの品種がありますが、市場に出回るのはごく少数となります。
アスパラガスは植え付けしてから1~2年は、追肥のみで株の充実を図ります。
そのため、収穫は3年目から可能となります。
上手に作れば、種まきから10年ほど収穫可能となる長寿野菜です。
新鮮なアスパラガスは、食感も風味も格別なものです。
アスパラガスはマヨネーズをつけてシンプルにいただくもよし、ベーコン炒めもよし、牛肉巻きやグラタンもよし。
彩りとして目も満たされ、いろいろな食べ方でお腹も満たされる、飽きのこない野菜です。
食感と彩りを存分に楽しんでくださいね。
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