音楽大学の総学費っていくら?学科は?倍率は?知っているようで知らない「音大の世界」
音大に行くにはいくらかかる? あるテレビ番組では、ピアノ専攻の場合を例として、卒業までに約2,500万円かかると算出していました。ですが、実際はそんなものでは済まないようです。どれくらい高額な費用がかかるのか、のぞいてみましょう。
こんにちは。ピアニストの小川瞳です。
今回は、2017年2月12日放送のテレビ番組「関ジャム 完全燃SHOW」で特集されていた音大のナゾについてご紹介します。
まず、「音楽大学」と一言でいっても、さまざまな学科があります。
- ピアノ専攻
- 管楽器専攻
- 弦楽器専攻
- 打楽器専攻
- 古楽器専攻
- 音楽学学科
- 音楽教育学科
- 声楽科
- 作曲科
- 指揮科 など
中でも希少価値なのが指揮科で、指揮科の募集は学年に定員1名ということもあります。
音大そのものが非常に競争率の高い世界で、たとえば2016年度の東京藝術大学音楽学部入試は、倍率3.4倍だったのです。
募集人数237名のところ、受験者829名ということで、合格の厳しさを物語っています。
そして番組では、音大卒業までにかかる費用として、ピアノ専攻の場合の一般的な出費内容を紹介していました。
- 音大付属中学学費 約300万円
- 音大付属高校学費 約350万円
- 音大学費 約1,000万円
- ピアノ購入 約300万円
- 調律費(1回1,5000円×年2回×10年) 約30万円
- 個人レッスン(月4万×12年) 約600万円
よって、必要経費は合計約2,500万円という数字が出ていました。
ただ、ゲスト出演していたピアニストから、「この個人レッスンはもっと費用がかさむ場合が多い」との指摘がありました。
実際問題、音大に合格するために、また、音大に入学したあとに良い先生に習うためには、音大受験の前から、その音大の先生に個人レッスンをお願いする必要があります。
その個人レッスンの費用は、30分あるいは1時間で5万円とか10万円とかの額がかかる、とのこと。
つまり、もしも毎月1回5万円のレッスンを受講したら、年間で60万円。
音大入学前から習う必要があるのだから、中学一年のときから普段のレッスンのほかに、そういった音大の先生のレッスンを受けていたら、さきほどの約2,500万円に加えて、約360万円がかかる計算になります。
「ソルフェージュ」も学ぶ必要あり
それとは別に音大入試に必要なソルフェージュも学ぶ必要があるため、ソルフェージュレッスン代も考えなければいけません。
またわたしが個人的に思っていたことですが、音大を目指す場合は、幼少期からピアノコンクールに出場し続けている人が多いです。
ピアノコンクールとなると、コンクール受験費用のほかに、地方に住んでいる人ならば交通費・宿泊費、そしてピアノ練習スタジオ代なども必要になってきます。
すべてを合計すると、音大卒業までにかかる費用は3,000万円以上の金額になるかもしれませんね。
音楽家を目指すことはとってもステキなことですし、子供のころから熱心に取り組むことは情操教育につながるのですが、費用との兼ね合いが難しいご家庭もあるでしょう。
しかも音大を卒業しても、プロになる資格を取得したというわけではないので、ある意味、そこからがスタートになってしまうことも多々あります。
音大への進学を視野に入れている場合は、いろいろな現実を踏まえた上で、その道を選択してみてくださいね。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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