「ガパオライス」の「ガパオ」ってどういう意味?タイ料理におけるハーブ活用術
タイ料理メニュー「パッ(ト)・ガパオ」の「ガパオ」は、タイハーブの1種。日本とは違うガパオの意味と使い方を現地在住のライターから学んでいきましょう。
今回は、本場タイより、日本人にも人気の高いタイ料理メニューの一つ、「パッ(ト)・ガパオ」をご紹介したいと思います。
「ガパオ」はシソ科メボウキ属の植物です。
「ガパオ」の他、「(タイ)ホーリーバジル」、「ガプラオ」、「クラッパオ」、「神目箒(カミメボウキ)」、「トゥルシー」等と呼ばれます。
キッチンハーブ「ガパオ」
「ガパオ」には、葉に毛があるため、生食には向かないと言われていますが、癖のない香りと味が人気で、加熱調理によく使われています。
タイ人以外の外国人にも人気の高いキッチンハーブです。
タイ料理で使われる他、インドでは、医療用や宗教用の目的に使われており、薬効も期待されるハーブでもあります。
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ハーブ「ガパオ」を使って作るから、「パッ(ト)ガパオ」
この植物を用いて作られる料理で有名なのが、豚肉や鶏肉等と一緒に炒めた「パッ(ト)ガパオ」になります。
日本人がよく『ガパオ』と呼ぶお料理のことですね。
パッ(ト)ガパオ
日本では、「パッ(ト)ガパオ」、いわゆる『ガパオ』料理を作る際、「ガパオ」の代用品として、しばしば、「スイートバジル」が用いられます。
「スイートバジル」は、もちろん「ガパオ」ではありません。
つまり、日本で食べる『ガパオ』料理は、『ガパオ』と言いつつも、ほとんどの場合「ガパオ」を使っていないので、厳密に言えば『ガパオ』とは呼べないと言えるでしょう。
タイのスイートバジル
また、タイにおいては、「ガパオ」と「スイートバジル」は全くの別物。
風味や味わいの点で、大きく異なるハーブであると認識されています。
高級食材を扱うオートーコー市場の一部を除き、タイのほとんどのスーパーや市場で、通常「スイートバジル」という名称で販売されているハーブは、「タイバジル」(タイ語では「ホーラパー」、英語では「スイートバジル」)です。
タイの「スイートバジル」は、日本やヨーロッパで一般的な「スイートバジル」の変異種と言われており、歯磨き粉のような風味があると感じます。
こういった理由からも、タイにおいては、『ガパオ』料理、「パッ(ト)ガパオ」を作るにあたっては、「スイートバジル」ではなく、「ガパオ」を使う必要があります。
オートーコー市場の「スイートバジル」
また、バジルとして知られるタイのハーブとしては、もう一種類、「タイレモンバジル」(タイ語では「メーンラック」、英語では「レモンバジル」)があります。
こちらは、見た目で、「ガパオ」と混同されやすいですが、爽やかな風味があり、匂いを嗅げば、「ガパオ」と別物であると判断出来るでしょう。
料理、「パッ(ト)ガパオ」には、「ガパオ」と肉類を炒めたものが多いですが、肉類の代わりに、魚介類やキノコが用いられる場合もあります。
人気の高い、「豚肉のガパオ炒め」は、「パッ(ト)ガパオ ムー」と言います。
お店によって辛さが異なる料理の一つで、タイ東北部のイサーン料理を取り扱うお店では、激辛の場合もあります。
ガパオのお弁当
辛さ控えめにしてほしい場合に、便利なタイ語
辛いのが苦手な人は、注文時に以下の単語を追加して言うと良いでしょう。
- 「マイアオペッ(ト)(辛くしないで)」
- 「ペッ(ト)ニッ(ト)ノイ(辛さ控えめにして)」
- 「プリックヌン(唐辛子一本)」
薬効効果も期待できる『ガパオ』料理、「パッ(ト)ガパオ」。
タイ旅行やタイ生活の機会がありましたら、ぜひ、本場の『ガパオ』料理である「パッ(ト)ガパオ」を召し上がっていただけたらと思います。
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2011年10月~、夫の転勤で、タイのバンコクで暮らしています。
「taecoのバンコク日記」http://ameblo.jp/ta-eco/や「Food Decoration/フード・デコレーション/แกะสลัก」http://fooddecoration.blog.fc2.com/ を執筆。
学生時代&社会人時代は、国際的な開発・環境問題について学び、フィールドワークを通した調査研究等していました。主に、自然環境の再生や創造、環境教育についてが専門です。美しい自然や限りある大切な資源を未来の世代にも継承していくため、今後も、何らかの形で、情報発信や活動に関わることが出来ればと思っています。
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