「やっつけ仕事」の契約書はNG!取引先とのビジネストラブルを回避する契約書活用法
こんにちは、ビジネス法務コーディネーター®行政書士の大森靖之です。
ハンコが押されている締結済みの契約書を拝見していて、少々気になることがあります。
それは、専門家の目で細部までよく目を凝らしてみると、記載内容がアバウトであったり、間違っていたりするケースがとても多いことです。
このような契約書では、いざという時に役に立たないばかりか、トラブルに発展してしまうこともしばしばです。
なぜ、わざわざ契約書を締結するのでしょうか?
色々な理由が考えられますが、「相手にして欲しいこと」「相手から買いたいモノ」があって、それを種々のトラブルに巻き込まれることなく、確実に手に入れたいから、という理由を挙げる方が多いです。
契約書の定型書式(雛形)の空欄をササっと埋めて、ハイ、おしまい。
こんな「やっつけ仕事」の契約書で、果たして「相手にして欲しいこと」「相手から買いたいモノ」を確実に手に入れることはできるでしょうか?
そんな「やっつけ仕事」の契約書の具体例を、実際に私がよく目にするケースの中からご紹介します。
- 「引渡しの期日(納期)」が書かれていない
- 価格が、消費税込みなのか、別なのか、不明確
- 型番、数量、単価が間違っている
- 何をもって仕事を完成とするのか、基準が曖昧
- 提供を受けるサービスの内容・範囲がアバウト
- 地番や面積が正確ではない
- 「㎡」と「坪」が混在している
- どのような内容のホームページの制作を依頼するのかが明確でない(仕様が明確でない)
- 完成期日が決められていない
日常業務に忙殺されると、どうしても契約書関係の仕事は二の次、三の次になってしまいがちです。
しかし、上述しました通り、「相手にして欲しいこと」「相手から買いたいモノ」があって、それを無用なトラブルに巻き込まれることなく、確実に手に入れたいからこそ、忙しい合間を縫って、わざわざ契約書を取り交わしているはずです。
それなのに「最後の詰めが甘いこと」が原因で、トラブルになってしまっては、元も子もありません。
業務を効率化するために、契約書の定型書式(雛形)を活用されることも多いと思います。
その際には機械的に空欄を埋めるのではなく、「相手にして欲しいことは何か?」、「相手から買いたいモノは何か?」を今一度よく考えてください。
さらに、契約書のそれぞれの条項が、それらを達成するために、どのような役割を果たしているのか、理解する努力が大切だと思います。
記載内容がアバウトであったり、間違っていたりすると、トラブルに発展してしまうこともあるということが、お分かりいただけましたでしょうか?
上記に挙げた具体例は、ほんの一部です。
その他にも、専門家の目で見ると「このままではまずい」というケースにしばしば遭遇します。
これまでにトラブルにならなかったのは、幸運としか言いようのないケースもありました。
契約書のことだけを考えると、「細かいこと」になるかもしれません。
しかし、上述の具体例は、まさに「お金のやりとり」という、取引におけるクライマックスのシーンと密接にかかわるところです。
確実にチェックして、最後の詰めを怠らないことが肝心です。
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