ビジネスメールのマナーと書き方例。お願いや断りの丁寧な言い方は?

執筆者: 矢野 誉美 職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ
好感度がアップする電子メールのマナー

こんにちは、マナープロトコール講師の矢野誉美です。

 

今やビジネスや日常生活に欠かせない電子メール。

情報伝達に大変便利なツールである一方、急速に普及したため、共通のルールやマナーが確立されていないのも事実です。


せっかくの便利なコミュニケーションツールが役に立てるよう、相手に好感を持たれるメールの作法について、文例や図を用いてご紹介したいと思います。

 

いかに読みやすく真意が伝わるか

メールで文章を書くコツは、パソコンの画面で見たときに、相手がいかに読みやすいかが重要です。

画面に表示されることを考えれば、一行の長さは30文字程度になるように抑え、適宜改行しましょう。

 

そうすると、いかに無駄な修飾語を省き、格式張った表現はなるべく使わないよう、シンプルに書くかがポイントとなります。

ここが、手紙のマナーとの大きな違いです。

 

そのような意味では、件名(タイトル)に一目で主旨が分かるような、端的な文字が書かれていることが大切です。

余白の重要性

初めから最後までびっしり文字で埋まっていると、非常に読みづらいもの。

切りの良いところで改行したり、段落ごとに1行空けるだけで、読みやすさは大幅にアップします。

 

左右・上下の余白、または文字の間隔も重要になりますので、文章全体の体裁を考えて、余白を上手く使うように気を付けましょう。

機械的な文字から伝わるもの

自分の手で書く手紙との違いは、万人が同じ文字を打てるという事です。
その為、顔が見えず声のトーンも分からないメールの文字では、シンプル過ぎて、冷たい印象を与えるデメリットもあります。

 

気づかないうちに攻撃的に…

語尾が命令調になっていませんか?

 

× ご確認ください
ご確認頂ければ幸いです。
どうかご確認くださいませ。

 

慇懃無礼と誤解されかねない表現
× 打ち合わせはいつでも結構です
打ち合わせはそちら様のご都合で差支えございません。

 

× こちらでは出来ませんのでそちらでお願いします。
弊社では致しかねます。御社でご検討いただけますでしょうか。

 

メールだときつく感じられる表現
× 無理です。
難しいようでございます。

 

× 出来ません。
致しかねます。

 

相手を不安にさせてしまう表現
× ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが~
ご迷惑をおかけすることのないよう~

 

機種依存文字はマナー違反

まる付数字(①、②、③)、ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)、単位・記号(㌢、m)などは送る相手の機種によっては文字化けをする場合があるので、使わないように注意しましょう。

メールの送信のポイント
相手に必ず読んでもらいたい内容なら

相手に必ず読んでもらいたい内容は、事前に電話を入れるか「受信後、お手数ではございますが、確認メールを頂けますか」と返信の依頼をするようにしましょう。

 

「開封確認」がついたメールを送る場合のマナー

また、「開封確認」がついたメールは、失礼に感じる人もいます。

事情を説明した上で「〇〇の為、開封確認メールでお送りしました」などと一言添えるようにするとスマートです。

 

サイズの大きな添付ファイルを送る場合の注意点

サイズの大きな写真や動画などを添付して送る場合は、お相手のメールサーバーの許容量を事前に確認しておきましょう。

案内状の書き方例

件名

主旨が分かりやすい、端的な言葉を使いましょう。

 

宛名

フルネームで書くのが基本。

ビジネスメールの場合は社名も添えます。

 

書き出し

「いつもお世話になっております」を乱用しないようにしましょう。

初めて連絡する人には必要ありません。

 

また、「お世話様です」は立場が下の人に使うねぎらいのフレーズなので、お客様や目上の人には使わないようにしましょう。

 

用件

まず、伝えたいことを先に書きます。

1行は30文字程度に納め、段落ごとに改行して、余白を活かすようにしましょう。

 

詳細

箇条書きにし、伝えたい内容を出来るだけ簡潔に書きます。

 

後付

相手を思いやる言葉で締めます。

 

署名

連絡先を忘れないようにしましょう。

 

おわりに

メールのマナーは未だ確立されていない部分が多いようです。ですが、マナーの基本となる「相手への配慮」を考えると、いかに読みやすく失礼のない文面になっているかが重要です。


一度に多くの相手に送ることが出来る非常に便利なツールである反面、単なる「文字」だけでの表現による誤解でトラブルになる側面も持っています。

仕上がった文章を丁寧に読み直し、送信する前にアドレスを入力するなど、細心の注意を払って送るよう心がけましょう。

 
 コラムニスト情報
矢野 誉美
性別:女性  |   職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ

外見だけでなく、内面も同時に磨けたら。
マナーとは敷居の高いものではなく、産まれてから今日に至るまで日々、家庭の中で育まれてきたものです。

『人』とのコミュニケーションの基礎になるマナーの本質をしっかりと身に着けて頂くために、親から子へ・・・引き継がれるべきマナーについて、優しく、そして自分自身のブラッシュアップの為のマナーセミナーを開講しています。

マナーを軸として『サロン(仕事)に活かす』『ライフスタイル(生活)に活かす』という2面からフォーカスした楽しく吸収できる知識をお伝えしています。
接客業20年のキャリアから、『リピーターを作る』に特化した接客メソッドを確立。現役でホテリエを続けながら、サロネーゼ向けのマナーレッスンを銀座にて開講。

顧客満足=スタッフ満足=わたし、満足 をゴールとして、サロン・クリニックに特化した接遇マナーレッスンも大好評

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『トータル・マナー・メソッド』 http://ameblo.jp/kidsinlife/

 

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