「でも」が口癖の人の性格は?否定的な口癖の心理と治し方
「でも」が口癖な人の心理って?話し始めや会話の前につけると、ネガティブに聞こえてしまう口癖「でも」を直す方法と、会話の改善例をご紹介します。
こんにちは、 えむ心理研究室の石割美奈子です。
会話をする際、自分の「話しはじめ」に注意したことはありますか?
口癖というのはやっかいなもので、意識的ではなく、無意識である場合がほとんど。
話しはじめにつけてしまうことも多いものです。
もちろん、口癖と言っても、悪いものばかりではありません。
ですが、話しはじめの口癖は、相手を不快にさせるものが多々あるように思います。
特に、「でも」から話し始める口癖がある人は、相手に拒否感や拒絶感を抱かせてしまう恐れがありますので、注意しましょう。
話が「でも」から始まると、直前の相手の話を否定しているニュアンスになります。
そのため、無意識のうちに、相手に拒否感や拒絶感を抱かせてしまうことに繋がります。
次の例を見てください。
Aさん「仕事、忙しいなぁ」
Bさん「でも、ちゃんとこなしてるからえらいよね」
Aさん「こなしてないよ。残業になりまくってるし」
Bさん「でも、私はAさんすごいがんばってると思うよ」
Aさん「そうかなぁ…。今日も定時に終わる気がしないよ」
Bさん「でも、私も残業になっちゃいそうだよ」
Bさんは、Aさんを励ましてあげているんですね。
残念ながら、Bさんは苦労しているAさんをなんとか元気付けようとしているのに上手くいかないでしょう。
それどころか、Aさんは「Bさんには自分のことをわかってもらえない」と感じてしまう可能性が高いです。
「でも」から始まるセリフが続くと、褒め言葉や励ましのポジティブな効果が薄れてしまう気がしませんか。
むしろ、叱られているような、諭されているような雰囲気さえ感じられてしまいます。
それは「でも」が逆接の接続詞、つまり直前の内容を否定するための言葉だからです。
「でも」が口癖の人は、相手の話を否定しているつもりなどないはずです。
会話を「でも」から始めてしまう人には、次のような特徴があります。
- 相手が話してくれたことをじっくり考える
- 自分のことを話すのが苦手
- 会話に自信がない
- 相手に合わせるだけでは悪いと思っている
このように、基本的には思慮深く誠実な人なのです。
「でも」が口癖の人は、自己表現が苦手なので、おずおずと話しはじめる傾向があります。
遠慮がちな語り口と自己評価の低さ、加えて「自己表現しなきゃ」という義務感が、「でも」という表現になってしまいます。
「でも」が口癖の人にとって、ほとんどの場合、「でも」という言葉を相手を否定するために使ってはいません。
「でも」は、謙遜の表れであることが多いのです。
無意識に出る、「でも」という話しはじめの口癖に、「私なんかが意見を言わせてもらってもいいなら」という意味を込めているのです。
「でも」は逆接の接続詞。
本来なら、相手の語ったものとは逆の内容を話すために使う言葉です。
ですから、話しはじめに「でも」が続くと、相手は「自分の話はいつも否定されてしまう」と思ってしまう可能性があります。
せっかくの謙遜の表現が、結果的に相手に不快感を抱かせてしまいかねません。
相手との関係性に徐々にヒビが入ってしまう、危険な口癖です。
出来れば「でも」から話し始めるのは、避けたほうが良いでしょう。
「でも」から話し始める会話が続くと、どうしても否定的なニュアンスが漂ってしまいます。
改善策としては、いったん相手の言葉を受け入れましょう。
「でも」ではなく、「うん」とか「そうだね」という相手への同意を示す言葉から話し始めると良いと思います。
どうしても相手の意見に反対のことを述べたいときは、柔らかいニュアンスの言葉で話し始めましょう。
例えば、「そう?」とか「そっか…」などを使うと、かなり柔らかい言い回しになります。
同意を示す言葉や、柔らかい言い回しを、冒頭の会話例で使ってみましょう。
Aさん「仕事、忙しいなぁ」
Bさん「うん、本当だね。仕事、ちゃんとこなしてるからえらいよ」
Aさん「こなしてないよ。残業になりまくってるし」
Bさん「そう? 私はAさんすごいがんばってると思うよ」
Aさん「そうかなぁ…。今日も定時に終わる気がしないよ」
Bさん「そっか…。私も残業になっちゃいそうだよ」
いかがでしょう。
BさんからAさんへの共感が増したように感じられると思います。
話しはじめに、同意を示す言葉や柔らかい言い回しを多用すると、共感性は増します。
ですが、会話がネガティブな内容の場合は、二人して落ち込んでしまう可能性もあります。
「でも」を使っていた頃より仲良くなれるのは良いけれど、二人してしょんぼりしてしまってはもったいないですね。
二人の会話がどんな感情を生み出し、お互いが感情にどのように影響されているかを敏感に汲み取るようにしていきましょう。
その上で、同意や柔らかい言い回しの頻度を調整してみてください。
そうすれば、友情も深まりお互いが成長し合える素晴らしい人間関係になれるでしょう。
自分では意識していない口癖で、自分がネガティブな印象を持たれるのはもちろん、相手も不快にさせるなんて、悲しいですよね。
同意を示す言葉や、柔らかい言い回しを使うよう心がけてみてくださいね。

えむ心理研究室室長、臨床心理士の石割美奈子と申します!よろしくお願い致します。
スポーツトレーナー、メンタルコーチ、心理相談員の経験を経てさらに心理学を深く学ぶ必要性を感じ、東京国際大学大学院臨床心理学研究科(博士課程前期)を修了。
臨床心理士の資格を得て、心理カウンセラー、メンタルコーチ、スポーツメンタルトレーナー(テニス・バレーボール等)、およびプロ家庭教師として活動しております。
2013年、心理学・教育学・スポーツ科学の統合的な研究と専門性を活かしたメンタルサポートをポリシーとする「えむ心理研究室」を立ち上げました。
【臨床心理士および「家庭教師カウンセラー」として】
心理カウンセラーとしては、精神分析を専門としており、主にカフェにてカジュアルなかカウンセリングを提供しています。
訪問心理療法、オンライン相談も承っております。
また、全国でも珍しい【臨床心理士でありプロ家庭教師でもある「家庭教師カウンセラー」】として、ご近所から遠方にお住いの方まで、幅広く学習支援と心理的な支援を同時にさせて頂いております。
得意な相談内容は以下のとおりです。
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日常生活ではなかなか得られない、心理的な洞察を深める和やかな相談時間をお約束します。
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