今年の夏は何か変?一体何が起こっているのか、気象予報士が解説!

猛暑だったり、冷夏だったりと、異常気象と思える年が続く「日本の夏」。代表的な天気パターン4つを、気象予報士が解説。簡単な高気圧の配置図付きで分かりやすい!

執筆者: 金子 大輔 職業:気象予報士、理科教員
今年は、猛暑?冷夏? 日本の夏の代表的な天気パターン4つ

こんにちは、気象予報士の金子大輔です。

 

今年の夏はなんだか変…。

思い起こしてみると、実は毎年のように、そんな話題が上がっているのではないでしょうか。
そう、一口に「日本の夏」と言っても、それぞれ個性に満ちているからです。

典型的な日本の夏と言えば、蒸し暑くて太陽がぎらぎらと照り付け、台風や雷雨以外では滅多に雨が降らない天候をイメージすることでしょう。
これは、日本列島が、湿った暖かな空気の塊である「太平洋高気圧」(小笠原気団)に覆われることによります。

「太平洋高気圧にどう覆われるか」

この違いによって、日本はいろいろな夏になるのです。

 

 

夏の天気を理解するために「梅雨」のメカニズムを知ろう!

夏が近づき、小笠原気団が発達してくると、北側の冷たいオホーツク海気団とぶつかります。

この二つがぶつかるところでは、雲が広がって雨が降りやすく、「梅雨前線」と呼ばれます。

 


季節が進んで小笠原気団が発達してくると、梅雨前線はだんだん北に押し上げられていきます。
梅雨の末期には、活発化した梅雨前線が日本列島を横切るので、しばしば集中豪雨が発生します。
やがて、梅雨前線が北上しきって、もう影響がないだろうと判断されると、梅雨明けが発表されるのです。

 

 

今年の夏は、どのパターン?
小笠原気団が非常に強い「猛暑型」

小笠原気団が非常に強いと、猛暑になります。

雨は滅多に降らず、各地で猛暑日、ときには40℃近くまで上がることもあります。
高気圧圏内なので、夕立も滅多に起こりません。

 

 

オホーツク海高気圧が強い「冷夏型」

小笠原気団がオホーツク海気団に勝つのが一般的な梅雨明けですが、まれにオホーツク海高気圧が勝ってしまうことがあります。

あるいは、突然オホーツク海気団が勢力を盛り返して覆ってくるような場合もあります。

 

オホーツク海気団は、湿った冷たい空気の塊。
さらに海からの湿った風を送り込んでくるので、どんよりとした曇天や雨になってしまいます。

1993年は有名なこのパターンで、米がほとんど収穫できず、タイ米が全国で流通しました。

 

 

西日本と東・北日本で、異なる高気圧に覆われる「北冷西暑型」

西日本は小笠原気団に覆われ、東・北日本はオホーツク海高気圧に覆われるとこのパターンになります。

2017年夏の後半は、このパターンに近づきつつあります。

 

 

小笠原気団が北上しすぎて赤道収束帯が近づいた「台風・熱帯低気圧多発型」

小笠原気団が北上しすぎると、今度はその南側の低気圧部分(赤道収束帯)が日本に近づいてきます。

ここは積乱雲が頻繁に発生し、ひっきりなしににわか雨・雷雨が起こっているエリアです。

小笠原気団の中が「砂漠気候」とすると、赤道収束帯は「熱帯雨林気候」と考えるとよいと思います。
ここで発生する積乱雲がときに集団を作り、熱帯低気圧や台風となって日本に接近します。

1999年がこれに近いパターンでした。

 

 

天気のパターンを知れば、状況がつかみやすくなる!

心理学では、多種多様な人間をしばしばパターンに分けます。
天気もパターンに分けると、状況をつかみやすくなるのではないでしょうか。

 

残り少ない夏。

どうか健康に気を付けて愉しくお過ごしください!

 
 コラムニスト情報
金子 大輔
性別:男性  |   現在地:東京都江戸川区  |   職業:気象予報士、理科教員

生き物が大好きな気象予報士&教員&物書き&占い師。生き物はゴキブリも含めすべて好きで、生き物と天気については話し出したら止まりません。ディズニーランド好き、絶叫系好き、激辛好き。

著書
『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』
『気象予報士・予報官になるには』
『気象予報士 (シリーズ“わたしの仕事”)』
『世界一まじめなおしっこ研究所』

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