「RSウイルス」症状と予防法!乳児の感染率100%、治療薬なし。
乳幼児の殆どが感染する病気「RSウイルス感染症」。特効薬がないうえ、重症化してしまうと高熱や肺炎、入院の危険性も。症状や予防法を勉強しておきましょう!
「RSウイルス感染症」をご存知でしょうか?
こちらは、秋から感染者が増え出して12月にピークになるという、冬に流行する感染症の1つで、今はまだ、あまり知られていません。
症状が強く出る出ないにかかわらず、2歳までにはほぼ100%感染すると言われています。
しかも、このウイルスに対する特効薬と言われるものがないので、お子さんを守るためには親御さんの力が絶対に必要なのです。
年齢を問わず、一生涯の間に何回も感染をします。
最初の感染が、乳児~2歳までの間です。
10月初旬から出始め、翌年の3月頃に落ち着きをみせるという「インフルエンザ」とほぼ同時期に流行します。
最初は、鼻水や咳といった一般的な風邪の症状から始まります。
それが、次第にゼイゼイするような咳に変わり、発熱を伴います。
1/3から半数程度の人は、38~39度台の高熱が出ます。
その他に、鼻づまりや痰、呼吸が苦しいと感じるような症状が出ることもあります。
早い受診や対処療法をすれば、重症化せずに鼻水と咳だけで治まる場合も多いようです。
潜伏期間は、4~5日程度です。
このウイルスは、感染力がとても強く、飛沫感染・接触感染で移ります。
普通の風邪との違いは、目の粘膜などからも感染をすることです。
しかも、特効薬は開発されていません。
このウイルスによる感染症の症状を緩和させるために、対処療法のみとなっています。
対処療法とは、「栄養を摂る・水分補給・安静にして睡眠をとる・保温する」の4点を言います。
また、病状が回復した後4週間ほどは、ウイルスを持ち続け、放出している状態です。
そのため、集団感染になりやすいです。
重症化しやすいのは、次のような子どもです。
- 生後6ヶ月以内の乳児
- 低出生体重児
- 心疾患を抱えている
- 慢性疾患や免疫不全などの神経系の病気がある
重症化してしまうと、肺炎や気管支炎だけでなく、細気管支炎などを引き起こしてしまうこともあります。
少しでも「いつもと違う」と思ったら、小児科への受診を必ずしましょう。
特に乳児が初めてかかった場合は、高熱が出やすく、重症化してしまうことがあります。
母乳やミルクの飲みが悪い、すぐにむせてしまうなどが見られた時は、迷わず受診することをお勧めします。
RSウイルスに効く特効薬はありません。
また、インフルエンザのようなワクチンなども存在しません。
「これでは予防のしようがない」と思われるかもしれませんが、風邪予防の基本を守ることで、ある程度は防ぐことができます。
- マスクの着用
- 石けんを使った手洗いと消毒
- うがい
- 空気の入れ換え
- 湿度を60%くらいに保つ
ウイルスは、乾燥していると空気中に漂っています。
湿度を上げることで、ウイルスを下に落とすことができますから、加湿器や濡らしたバスタオルなどを部屋につるしましょう。
それでも、咳がひどくゼイゼイする場合は、お風呂場でシャワー(お湯)を出し、温かい蒸気をゆっくり呼吸するように吸わせると苦しさが治まります。
乳幼児などの場合は、立て抱きをして背中をさすってあげると良いでしょう。
なお、親から感染することもありますので、親が咳が出るようになった時は、マスクをするなどして子どもに移さないように注意しましょう。
感染力が強い上に、特効薬もワクチンもないウイルスとの戦いは、子どもにとって、つらいものと感じるでしょうし、看病する親も心配になりますよね。
そんな時に大事なのは、早めの受診と対処療法を行うことです。
乳幼児の場合は、特に大事です。
くしゃみ、鼻水、咳が頻発する場合は、熱がなくても早めに受診することをお勧めします。
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