思春期のイライラの原因ってなに?子どものやる気・可能性を奪わない、親の関わり方
思春期の子どもの心理と、その時期の不安定で反抗的な子どもに対する親の接し方を紹介。子どもがイライラしているのはなぜか、また、そのとき親はどのように見守るべきなのか考えてみましょう。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
子どもが10代に入ってくると、「わかってるよ」「うるさいな~」などの言葉と共に思春期が始まります。
それまでとは違って反抗的な態度をとるようになるため、思春期が成長の証拠だとわかっていても、親は対応に困る場合もあるでしょう。
子どもがイライラしているのはなぜか、また、そのとき親はどのように見守るべきなのか。
このことを知っておくと、子どもとの関わり方を変えられるのではないでしょうか。
思春期に入った子どもたちには、怒って家族に暴言を吐いたりする姿がよく見られます。
実は、子どもたち自身も「自分がなぜこんなにもイラつくのか」がわからない状態にあります。
心が不安定であることに加え、人間関係や将来の不安、勉強についていけないといったストレスや親からの言葉など、さまざまな事柄が関係しているせいでもあります。
親も不安ですが、子どもはもっと不安です。
このことを覚えておいてください。
「だったら、経験者である親にアドバイスを求めればいいじゃないか」と思われる方もいるでしょう。
ですが、自立しようとしている子どもには、親の声が疎ましく感じてしまうものです。
それだけでなく、親に対して次のような気持ちを持っている場合もあります。
- 「親に甘えたいけど、甘えるのは気恥ずかしい…」
- 「親とは違う考え方をしているのを、認めてもらえない気がして不安」
思春期に入ると、子どもは「自分の存在価値って何?」なんていう難しいことを考え始めます。
そこに人間関係がうまくいかないとか、親に怒られてばかりとなると、自己評価が低くなってしまいます。
この自己評価の低下は、思春期によく感じられることです。
とはいえ、これはあまり良いことではありません。
親からの自己評価を上げる手助けがあるとないのでは、子どもの自己評価は随分違ってきます。
難しいように思われがちですが、些細なことでいいのです。
例えば、次のような言葉を子どもにかけてあげてください。
- 点数や偏差値が上がった
- 勉強する姿に本気度が感じられる
- 得意なこと(絵などの趣味)が良くなった
- 顔立ちが大人になった
- 背が伸びた
- 姿勢が良くなった など
お気づきだと思いますが、上の例にあげたものすべてに「前(以前)より」という言葉を入れることができます。
これは、「親はいつも見ている」という意味が込められていて、子どももそれに気づくことができる言い回しです。
親に見守られているのは、とても心強いものなのですよ。
子どもは「そんなことない」などと口では言っても、心ではうれしさを感じているはずです。
親は、子どもが心配なので「失敗しないように」と先回りして動いてしまうときがあります。
いわゆる過干渉です。
これは、子どものやる気や可能性のような大切なものをすべて奪ってしまう危険性があります。
思春期の時期になると、手をかけてあげられる範囲が出てくることをお忘れなく。
親ができる範囲とは、次の3つだと思っています(しつけは、また別の話になります)。
- 居場所(安心して生活できる)となる衣食住の部分
- 子どもが助けを求めてきたときにいつでも動ける体勢でいること
- 励まし
そのためには、普段からの気配り・見守りが大切なポイントになります。
思春期の子どもを持つ親は大変です。
ですが、大切なところを押さえていれば、子どもは外で頑張ってこられますし、家で安心して休めます。
親は、絶好の成長する機会である思春期を喜び、勇気を持って見守りましょう。
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