こんにちは、人事戦略コンサルタントの藤田美智です。

「生きるために働くのだ」と答える人もいるでしょうし、「働かなくてもつつがなく暮らせるならば、別に働くつもりはないよ」と考える人もいるでしょう。

私はと言えば、「やはり生きるためには働かねばならないのだから、どうせ働くなら、好きな事をして、世の中の役に立ち、その対価として生きるための糧を得ることができれば」と思うのです。

このコラムを読んで下さっている皆さまの多くは、20~30歳くらいだと勝手に想像しているのですが、いま、まさに就職活動中という方もいらっしゃれば、これから転職について考え始めようと思っている方もいることでしょう。

私がこれまで皆さまに伝えてきたことは、「好きなことを仕事にしよう」ということでした。

好きな事であれば、はたから見ればすごい努力をしていると見えるようなことも、当の本人にしてみれば「好きな事なんだから、努力でもなんでもないんだけどね」ということなのです。

人は好きな事をして、日々暮らす糧を得ることができれば、幸せな人生を送るための条件をクリアしたことになります。

「”幸せ”って何？」と問いかけられて、好きなスウィーツを食べている時とか、瞬間その時の幸せな事をしている状態を思い浮かべることができても、「幸せとは」という問いかけに答えたことにはなりません。

つまり、日々どのような状態でいられることが幸せなのか、ということなのです。

健康でいること、お金の心配をしないでいられること、家族が諍いなしに仲良く暮らせること、人によって考えはさまざまでしょう。

私は、そういうことをすべて包括して、「幸せとは、悩みのない事」と定義しています。

では、悩みの無い幸せな人生を送るために、必要な事とはどんなことでしょうか？

それは、「日々どのような時間の過ごし方ができているか」によって決定づけられることになります。

睡眠・余暇を含む生きるための時間が2/3、残りの1/3が仕事に費やす時間と考えてみると、自ら報酬を得るようになった後の人生における1/3の時間は、仕事に奪われるのです。

2/3を楽しく過ごせるのであれば、1/3はなんとか我慢しながらでもやっていける、と考える人もいるとは思いますが、その我慢を30年40年と続けるのは辛いですね。

どうせならば、その1/3も好きな時間にしたい、と私は考えます。

日々の生活の中で、辛い時間帯が1/3だから、それさえ我慢すれば、残りの2/3は楽しい時間となるというのであればまだ良いのですが、実際はそうはなりません。

辛い1/3が、他の2/3に悪影響を及ぼすのです。

辛い時間は、心を疲弊させ、悩み事を育てます。
ストレス発散と表現するのは簡単ですが、ストレスを発散しても、悩み事が無くなるわけではありません。

だいぶ回りくどい話をしてきましたが、要は、高収入とか世間体とか、格好良さといった事で仕事選びをしようとしていないか、もう一度自身に問いかけてみてほしいのです。

楽しい人生を送るためには、辛い時間帯を少しでも減らすことがなによりも肝心です。
辛い事が無い人生はあり得ませんが、なにも自ら進んで辛い事を人生に組み入れる必要はありません。

辛い事は、悩み事を生み、幸せを遠ざけることになります。