昼が最も短い日「冬至」の過ごし方。かぼちゃと柚子湯の由来とは-日本の歳時記
一年で一番昼の短い日である「冬至」っていつ?風邪予防にも効果的な、かぼちゃとゆず湯の風習の理由を紹介。先人の知恵にあやかって、冬を元気に乗り切りましょう。
こんにちは、フードデザイニストの笹生暁美です。
2016年の冬至は、12月21日。
冬至とは一年の中で一番夜が長く、昼の短い日ですが、実は先人たちは違った意味合いを込めていました。
今回は、冬至についてのお話です。
冬至は「一年で一番昼の短い日」というイメージしかありませんが、古代では冬至は1年の始まりでした。
1年で一番日が短いということは…
1年で一番日が短いとは、つまり明日からはどんどんと日が長くなっていくということ。
そこから、「これから太陽の力が強くなっていくおめでたい日」と考えていたのです。
日本は太陽神・天照大御神をいただいていますから、この感覚は強かったでしょう。
実際に宮中では祝宴が催されました。
舞を舞い、お酒が振る舞われ、恩赦もあったようです。
世界各国でも冬至祭は行われていて、クリスマスの起源も古代ヨーロッパの冬至祭が起源という説もあります。
様々な国で冬至は特別な日だったのですね。
ちなみに、夏至と冬至の時間差はどれくらいだと思いますか?
場所にもよりますが、なんと5時間も違うそうです。
確かに夏は19時過ぎても明るいけれど、12月は16時ころで暗い。
それくらいあっても不思議じゃありませんね。
冬至にかぼちゃを食べるようになった理由には、いろいろな説があります。
冬至は生命の終わる日でもあったので、無病息災を願っていろいろな行事がありました。
その一つが、かぼちゃを食べることでした。
かぼちゃは中身が黄色く、太陽に似ていると思われていたので、太陽の力を取り込もうとしたのかもしれません。
運盛りとは、いろはにほへとの最後の音「ん」のつくものを冬至に食べると運が良くなるというもの。
かぼちゃは「なんきん」とも言いますね。
「ん」が2つあり、縁起のよい食べ物でした。
栄養的に見ても、ビタミンAやカロチンも多く風邪の予防によいですね。
冬至かぼちゃが有名なので、冬の食べ物と思われますが、実は収穫時は夏。
長期保存できるので、冬に栄養を取るための先人の知恵でもありました。
冬至といえば、もう一つ「柚子湯」ですね。
冬至と湯治の語呂合わせという説もありますが、1年の始めに柚子の香りや薬効で、体を清める禊ぎの意味があったと考えられています。
柚子は、香りが強いのが特徴で、料理に少し加えるだけでも、柚子の香りが広がります。
昔から、強い香りは邪気を払う力があると信じられてきました。
新しい年を迎えるために、柚子の香りで邪気を払い、身を清めたのです。
また、柚子湯には血行を促進し、体を温める働きもありますから、風邪予防にもなります。
冬至に込められた思いは、これから良くなるという願いです。
明けない夜はありませんし、太陽の力も弱くなってまた回復します。
こうした自然現象を見ながら、自分を励ましていたのではないでしょうか。
冬至を境に運が好転することを願って、かぼちゃを食べ、柚子湯に入って過ごしてみてはいかがでしょうか?
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主な取得資格
スイーツ:コルドン・ブルー ロンドン校にてサティフィケート取得
マクロビオティック:リマ・クッキングスクール師範科卒業
ローフード:アメリカ・LLCAIにて公認インストラクター取得
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