「左手薬指の指輪」は既婚の判断材料の一つですが、最近は「結婚指輪をつけない派」が増えてきています。ウエディングリングの必要性や意味を理解し、選び方を変えていきましょう。
こんにちは、リングプランナーの飯田馨です。
数人の盲人が象の一部だけを触って意見を交わす、インド発祥の寓話です。
これは真実の多様性や誤謬に対する教訓として世界で知られています。
別の呼び方では「盲人が象を語る」、「群盲象をなでる」などがあります。
ここで、「群盲像を評す」のエピソードを簡単にご紹介します。
大きな1匹の象の周りに盲人達が近寄り、象の足、尾、尾の根本、腹、脇腹、背中、耳、頭、牙、鼻にそれぞれが一部分だけを触ります。
その後に盲人達に「象とはどういうものだ」と質問します。
足を触った者は「象とは立派な柱」と答え、尾を持った者は箒(ほうき)、尾の根本を持った者は杖、腹を触った者は太鼓、脇腹を触った者は壁、背を触った者は背の高い机、耳を触った者は団扇(うちわ)、頭を触った者は大きな塊、牙を触った者は角、鼻を触った者は太い綱と答えました。
盲人達は象の全体像はわかりませんから、触った部分から象を想像しています。
盲人ひとりひとりは正しい答えを述べていることになりますが、同じ象のことを言っていることには変わりありません。
さて、このエピソードが、イマドキの「結婚指輪の選び方について」というテーマだとしたらどうでしょうか?
結婚指輪が欲しいと思ったときにすることは、結婚情報誌・インターネット・ブライダルフェア・結婚式場の紹介などから情報を集めて、比較検討する作業だと思います。
そこに掲載されているのは、結婚指輪の「デザインの種類」や「リングの素材」、数あるブランドに対する「ランキング」や「評判」などですね。
さらに、選び方にはこだわりを持った方がいいと「オーダー」、「オリジナリティや個性」、「着け心地」や、「成約組数の実績」や「アフターメンテナンス」などの情報も集めます。
それに加えて、価格訴求や成約特典といった、一見魅力的な情報も載っています。
ですが、それら多くの情報は、すべて盲人達の意見のようなものだと申し上げたいのです。
「結婚をしたふたりの証」である結婚指輪を、結婚後も相手にずっとつけて欲しいと思う夫婦は多数。
しかし実際は、理由は違うにしても、指輪を外している夫婦は少なくありません。
以前は「結婚して結婚指輪もあるのに、なぜつけないの?」と問われたり、「左手の薬指の指輪」は既婚の有無の判断材料でもありましたが、最近では結婚指輪をつける派、つけない派と両方の主張が対立するような時代になりました。
そこには、結婚したら結婚指輪は身につけるものという、儀式儀礼のような習慣になってしまった感があります。
その結果、結婚指輪選びでは、自分の憧れや好みを優先して相手に押し付けたり、選び疲れた末に「もう、なんでもいいよ」と半ば妥協して決めたり。
または「何となくこれが気に入ったから」や「キャンペーンやセットなどで通常よりもお得だったから」など、これではつけない派が増えるのも、ごく当たり前の話になってしまいます。
物事の一面だけを見てリングを決めるのは、ちょっと待って!
自分たちにとって、結婚指輪はどんな意味があるかを話し合い、理解しておくことが大切です。
今回の「群盲像を評す」でお伝えしたかったことは、何事も一部分だけを見て、それが全体像だと錯覚するのは後々の「大きな間違い」の原因となりやすいからです。
結婚指輪選びを、共同作業として心から二人で楽しめていますか?
最初の作業として、自分たちのコンセプトマリッジリングを決めることから、リングプランナーは提案をしています。
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