国民年金を後から支払うと、どうなる?滞納・免除期間の後納・追納のメリットと計算方法
節約アドバイザーのヨースケ城山です。
節税の基本は各種控除をきちんと確定申告することですが、実は知らなくて損していることも多いものです。
前回は、社会保険料控除としての、国民年金の免除期間の追納について簡単に説明しました。
今回は追納は得か損かについて説明をしたいと思います。
今年度追納をすることにより、社会保険料控除の対象になりお得になることがあります。
20歳から60歳になるまでの40年間(480か月)の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。
平成26年4月分からの年金額は772,800円(満額)。
計算式としてはこうなります。
- 全額納付していた場合
480/480×772,800円=772,800円(満額)です。
- 160か月分滞納していた場合
320/480×772,800円=515,199円という金額になります(1円未満の金額は切り捨て)。
- 全額免除 1/2
- 4/3免除 5/8
- 半額免除 3/4
- 1/4免除 7/8
以上のように計算します。
全額免除期間が24か月あった場合は、12か月分納付した実績となります。
- 保険料を全額免除された期間の年金額は1/2ですが、平成21年3月分までは1/3となり、他の免除に関しても料率が変わりますので注意して下さい。これは、平成21年4月から国庫負担分の変更が1/3から1/2に変更した為の措置になります。
- 保険料の未納期間は、年金額の計算の対象期間になりません。
1.
滞納をしていた1か月間分を支払った場合、15,250円(平成26年度)を支払うことによって、年金額が年1,610円分増えます(1/480×772800円)。
2.
全額免除をしていた1か月間分を支払った場合、15,250円(平成26年度)を支払うことによって、年金額が年805円分増えます(1/480×772800円)/2 (半分は国庫負担の為)。
これが平成26年の基準です。
収入が安定してきたという理由で、15,250円×24か月=366,000円を支払います。
それによって受けられる年金金額アップは、805円×24か月=19,320円/年になります。
ということは、366,000/19320=18.944年という数字になります。
約19年です。
65歳から年金をもらい始めるので(現在の法律上では)、84歳以上で元がとれる計算になります。
ちなみに他の免除、または期間で計算しても同じ計算式になります。
実際はその免除された年の金額になります。
社会保険料の控除が使えますので、366,000円が全額社会保険料控除として使えます。
すると所得税5%=18300円、住民税10%=36,600円が戻ってきますので、366,000円-18,300円-36600円=311,100円になります。
ということは、311100円/19320円=16.102年という数字になります。
約16年です。
65歳から年金を貰い始めるので(現在の法律上では)、81歳以上で元がとれる計算になります。
どちらがお得なのかというと、81歳まで生きる人は追納をした方が得です。
60歳を過ぎてから年金額を増やすことは現実的ではないので、追納する金額にもよりますが追納した方が現実的です。
また追納に関しては、10年間の時効がありますので、時期を見計らって追納して下さい。
2年以上経過した免除分の追納には、追納加算金が発生いたしますが、昔は金額が安かったので、追納加算金が発生しても今とほとんど金額に変わりはありません。
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3651
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社会保険労務士合格者
ファイナンシャルプランナー
住宅ローンアドバイザー
年金アドバイザー
1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。
著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。
ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。
著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
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