進学したいけど、お金がない!自治体の経済的な支援制度(給付型奨学金など)が利用できるかも?
経済的理由で学生が進学をあきらめなくてもいいように、自治体の奨学金制度や入学準備金を助成する制度が充実中!返済しなくてもよい給付型の奨学金も増えています。東京の文京区と足立区を例に、その一部を紹介。
節約アドバイザーのヨースケ城山です。
最近では、市区町村の各自治体から学生への「給付型奨学金」の対象者、また「奨学金、国のローン」を利用されている学生への「返還型」の新設が増えているそうです。
今回は、東京都の文京区と足立区を例に、その一部をご紹介します。
子どもの貧困対策に先駆的に取り組む文京区は、希望する生活困窮家庭に食料を届ける「宅食プロジェクト」に続き、次のような奨学金制度の創設を発表しました。
文京区は生活困窮世帯を支援するため、学用品など高校入学時に必要な費用の一部を給付する制度を創設する案を発表した。
今回の制度で給付の対象になるのは、区の就学援助費補助を受給している世帯(生活保護世帯を除く)約140人で、公立高60人、私立高80人を見込んでいる。
支給額は私立高10万円、公立高6万円で、来年4月に高校へ入学する生徒から支給する。
同区は他に、経済的に困難な世帯の中学生を対象に、学習塾授業料などを支援する事業も来年度から導入する。
助成額は中学2年が年間5万円、中学3年が年間10万円。
● 産経ニュース2017.9.13 07:04より
http://www.sankei.com/region/news/170913/rgn1709130068-n1.html
具体的な内容を見ていきましょう。
文京区は、生活困窮世帯の学習機会の確保や経済的負担を軽減するため、中学生に対する学習支援施策を拡大し、学習塾授業料などの学校外教育活動にかかる費用を平成30年4月から助成します。
●対象者は?
- 中学2、3年生の子がいること
- 文京区就学援助費補助対象であること(生活保護受給世帯を除く)
- 生徒の通塾等の費用を実際に支払っていること
- 同種の給付等を受けていないこと(都受験生チャレンジ支援事業等)
助成の対象となる人数は、中学2年生は約60人、中学3年生は約80人と見込まれています。
● いくらもらえるの?
- 中学2年生 5万円/年
- 中学3年生 10万円/年
学習塾などに対して授業料を支払った保護者から、請求書や学習塾等の領収書の提出を受けて、助成金が保護者の口座に振り込みまれます。
文京区は、高校授業料無償化等の拡大にともない、貸与型の奨学金制度を改め、高校入学時の学用品購入費等に充てる給付型の制度を創設し、平成30年4月高校入学者から支給します。
●対象者は?
この奨学金の支給対象となるのは、文京区就学援助費補助対象者(生活保護世帯除く)約140人。
公立60人、私立80人と見込まれています。
●いくらもらえるの?
- 私立高校生 10万円
- 公立高校生 6万円
高等学校等への入学時の1回に限り、一括して上の金額が支給されます。
この制度は、高等学校(中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部を含む)、高等専門学校又は専修学校の高等課程のうち私立の学校(以下「私立高等学校等」という)に入学する生徒を持つ保護者の方で、経済的に困難な方を対象に、金融機関の貸付けを区があっせんする制度です。
その利子および保証料は、全額、区が補てんします。
●対象者は?
次の条件を満たす場合に、融資あっせんを受けられます。
- 文京区内に居住している(住民登録をしている)方
- 被保護者(生徒)の私立高等学校等への入学が確定している方(申請時は受験予定で可)
- 経済的理由により支度資金の融資を必要としている方
- 支度資金を他から借り受けることが困難な方
- 住民税を滞納していない方
- 融資を受けた資金の償還について、十分な返済能力を有する方
ただし、要件を満たしている場合でも、以前に文京区入学支度資金を区より借り受け、返済が滞っているときは、審査の上、融資あっせんを行わないことがあるそうです。
●融資の限度額は?
被保護者(生徒)1人につき、40万円以内です。
●返済方法は?
6か月据え置いた後、40月以内に元金均等返済となります。
※ 利子(保証料を含む)は全額区が負担し、区から金融機関に支払います。
参考情報:文京区HP「教育資金に関すること」
http://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/kyoiku/shomu-shogakukin/
次に、東京都足立区の制度をご紹介します。
足立区は国の貸し付け型の奨学金制度などを利用している生活困窮世帯の大学生らに対し、大学等入学準備金として上限15万円、奨学金返済金として上限100万円をそれぞれ助成する「新・足立区育英資金制度」案を発表した。
区によると、同準備金の支援助成制度の創設は全国初という。
区は、他の奨学金制度などとの併用を認め、児童養護施設入所者らについては、保証人を免除する方針へ転換。
さらに区に6か月以上在住し、大学などに入学する「国の教育ローン」利用者で、生活保護受給または区民税所得割が非課税の世帯、児童養護施設等入所者ら計200人に、大学等入学準備金上限15万円を助成する制度を創設。
日本学生支援機構の第1種奨学金を利用する大学生らに、奨学金返済金として上限100万円を支援する制度も設けた。
●産経ニュース2017.9.14 07:01より
http://www.sankei.com/region/news/170914/rgn1709140002-n1.html
足立区は、大学や短期大学、専門学校に入学準備金等を支払うために資金を借受ける方を支援するため、一定の条件を満たす方に助成金を支給します。
●応募資格は?
- 大学、短期大学、専門学校(専修学校のうち修業年限2年以上の専門課程のもの)のいずれかに平成30年度入学予定であること(進学先未定でも申請可能)。また、高等学校等を卒業後2年以内であること。
- 入学する学生の保護者が入学資金を準備するため、「国の教育ローン」により50万円以上の融資を受けること。
- 日本学生支援機構の給付型奨学金を受けないこと。 など
●いくらもらえるの?
助成額は、15万円です。
入学する年度の4月から5月に助成されます。
●募集人数は?
募集人員は、200名です。
将来有能な人材を育成するために、学業成績が優秀でありながら経済的な理由により修学が難しい方を対象に、育英資金(奨学金)の貸付による支援を行っています。
なお、一部返済が免除される「一部償還免除型奨学金」もあります。
貸付時期は、平成30年4月からとなります。
ここでは、主に「一部償還免除型奨学金」についてご説明します。
*平成30年4月からの貸付分の募集は終了したそうです。
次回の募集は、春期募集(平成31年4月からの貸付)を予定しているとのこと。
詳しくは、足立区HPでご確認ください。
http://www.city.adachi.tokyo.jp/gakumu/k-kyoiku/shochu/sodan-shogakukin.html
●一部償還免除型奨学金の応募資格は?
下記の通常枠の応募資格に加え、次の条件に該当する必要があります。
1.申込み直近の学業成績の平均が、5段階評価で「4.0」以上の方
2.足立区育英資金の奨学生として進学した方が、正規の修業年限で卒業すること
3.卒業後、10年以内に2年度分以上足立区に住民税を納税すること税すること
【通常枠(予約募集および緊急募集)の応募資格】
- 予約募集は貸付開始年度の4月1日時点で、緊急募集は10月1日の時点で、足立区内に引き続き6カ月以上居住していること。
- 心身ともに健全で、直近の学業成績が5段階評価平均で3.1以上または3.0の方。
- 経済的理由で学資金の支払いが困難である。
- 貸付の際に、次の連帯保証人をそれぞれ1名ずつ(合計2名)立てられること。
(1)保護者又は後見人(2)別世帯で、一定の職業をもち又は独立の生計を営み、貸付終了時の年齢が65歳以下であること。また、他の足立区育英資金の連帯保証人になっていないこと。
※(1)(2)の連帯保証人のうち1名は、貸付日の6カ月前から引き続き足立区内に居住していること。
※児童養護施設等入所者の方は保証人要件を免除します。詳しくは問い合わせ先にご連絡ください。 - 次の(1)から(4)のいずれかの学校に在学していること。
(1)大学(2)高等学校
(3)高等専門学校
(4)専修学校(修業年限2年以上の専門課程及び大学入学資格を得られる修業年限3年以上の高等課程)
●どのくらい返済を免除してもらえるの?
貸付金額の半額が免除となります。
免除額の上限は100万円です。
●募集人員は?
高校・大学各5名ずつで、春期・秋期合わせて年間20名です。
今回は、東京都の2つの区の奨学金について、ご紹介しました。
ここ最近、各自治体が給付型、返還型の奨学金に力を入れています。
日本学生支援機構の奨学金を借りている在学生まで利用できるというのが最大の魅力だと思います。
ほとんどの市区村町で実施が予定されていますので、この機会に、自分のお住まいの自治体にも同じような制度があるか調べてみることをお勧めします。
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社会保険労務士合格者
ファイナンシャルプランナー
住宅ローンアドバイザー
年金アドバイザー
1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。
著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。
ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。
著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。
ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』http://ameblo.jp/yousukeshiroyama
では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。
【著書】
2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
2015年 給料そのままで「月5万円」節約作戦がkindle化されました。
2015年 「kindle無料キャンペーン」でベストセラーランキング1位を獲得して販売につなげる方法 発売。
2016年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂版発売
2016年 「子供の教育費は削りなさい!」奨学金利用者50%以上時代の新教育費計画発売
2017年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂2版発売
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