就職先の会社にブランドはあるか?消費財・生産財の視点から見た企業研究

執筆者: 藤田美智 職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)
はじめに

こんにちは、就職コンサルタントの藤田美智です。

 

前回のコラムでは、好きなブランドを持つ会社を就職先として選べば、会社に愛着を感じることができ、どのような仕事の担当になっても大好きなブランドを高めることになるので、やりがいを感じることができる、といった話をしました。

 

今回は、その「ブランド」について考察してみたいと思います。

 

ブランドは、その人の価値観によって評価が変わる

ブランドと聞くと、どうしてもファッション系のブランドを連想してしまいがちですが、ブランドとは、業界やジャンルを問わずに存在する「名称価値」なのだろうと私は解釈しています。


本来は、もっと広義的に使われるものなのでしょうが、ここでは難しく考えず単純に、その人なりの「名称価値」と理解してください。

 

たとえば、Cというファッション系ブランド。某NK女性誌の読者の多くが支持している超有名ブランドです。バッグもスーツも、Cブランドで身の回りは揃えているという女性。

しかし、そういったことに無頓着な人にとっては、この女性が、決して安くはないCブランドに多大なお金を費やしていることは理解できません。

というか興味を持てません。


そう、興味のない人にとってCブランドは低評価なのです。


ブランドとは、どのような業界にも、どのようなジャンルにも普遍的に存在するものではありますが、価値観は人によって千差万別ですから、就職したいと思うブランドを持つ会社の評価も人によって千差万別となるわけです。

有名なブランドが、その人にとって良いブランドとは限らない

業界ごとに、有名なブランド(社名/商品名/ロゴマーク等)はいくつもありますね。

村上 龍が「13歳のハローワーク」で紹介した仕事の種類、多様さを見て、改めて驚かされます。

その一つひとつのジャンルに、ブランドは存在します。

 

創業から百何十年という歴史あるブランドを持つ会社もあれば、生まれたてのブランドをこれから育て上げるんだと意気込む若い会社もあるでしょう。


長い歴史を持つ有名ブランド、それはそれで立派なブランドですから、そのブランドを慕って集まってくる人はとても多いというのが現状です。

しかし、そこに集まる人の中には、世間の誰もが知っている有名ブランドだからという理由だけで入社したという人も多くいます。

中には、爺ちゃん、親父、子(自分)の三代続けてM社なんて人もいるくらいです。

 

自分自身の就職先選びにおける優先事項を明確にする

さて、ここで皆さんに考えてほしいことがあります。皆さんが就職先を選ぶにあたって優先する事項を上位から順番に挙げていってほしいのです。

 

まさかとは思いますが、世間体が良いとか、親を喜ばせて安心させたいとか、見栄だとか、そういった要素が優先事項の上位に見え隠れするようでは、成功する就職は覚つきません。

 

ここは、どうか正直に自問自答する作業を繰り返してみてください。その会社で働くのは、親でも親戚でも友達でもありません。他ならぬ自分自身なのです。

 

 

ブランドは一般商品を作っている会社だけが持つものではない

ちょっと難しい表現となりますが、普通のお店や通販で買えるもの消費財という括りで表現されます。

消費財は、日常の生活で皆さんが食べたり使ったりするものですから、目に留まりやすく、世間でもよく知られている有名ブランドが数多く存在します。

 

自分が勤めている会社を説明するときに、あの洗剤を作っている会社とか、あのバームクーヘンを作っている会社とか、駅前にあるあの銀行とかで説明できれば面倒ありませんし、ちょっとだけ自尊心をくすぐられることもあるかもしれません。

 

あまり知られていない、生産財を扱うブランド企業

しかし、このように個人が使うモノやサービスだけが商品ではありません。

いわゆる生産財と言われるジャンルの商品ですが、これは、モノをつくり出すために使われる原料や機械などのことで、一般的には企業で使われるモノのことです。


実は、こういった生産財を作っている企業の中には、一般的にはあまり知られていない超ブランドがたくさんあるのです。

就職先を考えるにあたって、この点は、ぜひとも一度は熟慮して頂きたいポイントでもあります。

おわりに

ここまでお話してきましたように、ブランドは消費財だけでなく、さまざまなサービス、そして生産財の中にも存在しています。

 

ここで皆さんは戸惑いますよね。

消費財やサービスは生活に直接関連しているから、好きなブランドについて考えやすいけれど、生産財を考えてみてと言われても…という感じですよね、きっと。


そこで次回は、その点にもスポットを当ててお話を続けていきたいと思います。

 
 コラムニスト情報
藤田美智
性別:男性  |   現在地:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-55 プライム赤坂216 株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)  |   職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)

こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
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