「白米に栄養はない」はウソ? 自己流ダイエットに潜む勘違い
「白米に栄養はない」はウソ? 自己流ダイエットに潜む勘違いについて解説します。
あなたは、「白米は太るからイヤ」、「ダイエットの敵」だと思っていませんか。
最近流行の低糖質ダイエットは、血糖値の上昇を招く砂糖だけでなく、白米など、さまざまな炭水化物を限界まで減らすというストイックな食事制限を行う方法です。
若い女性だけでなく、血糖値が気になる中高年にも人気のダイエット法となっています。
ここでひとつ問題になるのが、いくら炭水化物を減らすとはいえ、生きていくためのたんぱく質や食物繊維、ビタミンやミネラル等の栄養素をしっかり摂取する必要がある事です。
ここでダイエッターに目の敵にされたのが白米。
栄養も何もない、炭水化物のカタマリだから食べてもムダだとか、太るだけだと言われ、すっかり肩身の狭い存在になってしまいました。
お米は分かっている限りでも過去数千年間、縄文〜弥生時代からずっと日本人の主食だった食べ物なのに、こんなひどい扱いを受けているのです。
そこで本記事では、白米に含まれる栄養素や、ダイエットに効果的かどうかを具体的に解説します。
これからダイエットに取り組まれる方や、現在思うように成果が出ていないダイエッターは、ぜひ最後までご覧ください。
白米って本当に栄養がないのでしょうか。
ここで詳しくみてみると、
白米お茶碗1杯分(150グラム)当たり
- 炭水化物48.2g(糖質47.8g、食物繊維0.4g)
- たんぱく質3.3g
- 脂質0.4g
白米の栄養は、実はこれだけではなく、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンといった、大切なアミノ酸がしっかり含まれています。
出典:特集1 お米の魅力(2)|農林水産省ホームページ
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1211/spe1_02.html
しっかり精米された白米でも、これだけの栄養があります。
精米されていない玄米なら、たっぷりの食物繊維を筆頭に、ビタミンやミネラル等の豊富な栄養素を含んでいますが、手軽に調理して食べられるという点では、白米に軍配が上がります。
また、「アミノ酸スコア」という指標があるのですが、たんぱく質と必須アミノ酸を、どれだけバランス良く含んだ食品であるかを数値化したものです。
白米のアミノ酸スコアは65、一般的なパンが44なので、白米の栄養のほうが優秀なのです。
昔から災害時の炊き出しは、握り飯と決まっていました。
物資の少ない第二次大戦中、たんぱく質が豊富で、腹持ちがよいお米は本当に貴重な存在でした。
逆にたんぱく質の少ないパンは、食べてもすぐにお腹がすいてしまい、「コッペパンでは働けない」と言われていたそうです。
白米とパンでは、たんぱく質の含有量が全然違いますし、現代においても災害時など、他に食べ物がない状態で、栄養面にかなりの差がついてしまいます。
しかし、いくら栄養豊富とはいえ、白米だけでは必要なアミノ酸を全部カバーすることはできません。
そこで、おかずが重要になってきます。
白米とパン、両方に不足する栄養素は、必須アミノ酸のリジン。
必須アミノ酸は体内で合成することができないため、動物性の食材であれば肉や魚、タマゴ等、植物性の食材であれば大豆・大豆製品を、一緒に摂取することがおすすめです。
これらの栄養豊富な食材は、必須アミノ酸が豊富に含まれているので、バランスよく食べることで、より良質なたんぱく質を摂取できるというわけです。
栄養豊富な白米の最大のメリットは、まず低カロリーであること。
バターやジャム等のスプレッドを塗って食べるパンと比べ、白米は油脂と合わせて食べる事は少なく、これだけでかなりカロリーに差が出てきます。
特に市販のパンには、バターやショートニング等の油脂、そして塩分がたっぷり含まれているので注意が必要です。
おかずにも注意が必要で、パンと一緒に食べることが多いベーコンエッグやハム、ソーセージ、ドレッシングをたっぷりかけたサラダも案外高カロリーですし、食品添加物も気になります。
これに対して日本の昔ながらの朝食は、焼き魚にタマゴ、納豆、みそ汁、香の物に、炊きたてごはんが基本。
白米のおいしさだけでなく、アミノ酸スコアも良くなり、栄養価もアップします。
可能なら海苔、わかめ等の海草もプラスすると、不足しがちな食物繊維も補えます。
炭水化物、たんぱく質、脂質、繊維質のバランスがいい、和食を基本とした食生活は本当におすすめです。
白米の大きなメリット、もうひとつは食べた時の満足感でしょう。
たっぷり水分を含んだ白米は、ずっしりとお腹にたまり、食べたときの満足感はひとしおです。
もちろん白米ごはんだけでなく、良質なおかずもしっかり食べましょう。
その他、白米のメリットは前述のとおりミネラルが豊富なこと以外に、消化がよく、内臓への負担も少なくて済むこと。
そして、高級品と言われるコシヒカリでも、お茶碗1杯(150グラム)で30円程度と安いということ。
これが1食分とすると、案外安上がりな栄養満点食材といえるでしょう。
しかし、白米にはデメリットもあります。
それは主成分が炭水化物であることと、食物繊維が少なく、白米だけを食べると、血糖値が急上昇しやすくなってしまうことです。
血糖値が急上昇すると、体内に脂肪をため込みやすくなってしまいます。
そのため食物繊維を補うおかずと一緒に食べることができれば、血糖値の急激な上昇を抑えることも可能です。
食物繊維を効率よく摂取するためには、海苔と白米を一緒に食べたり、押し麦や雑穀と一緒に炊いた白米などがいいでしょう。
不足しがちな食物繊維やビタミン等の栄養素を補うことができます。
もうひとつのデメリットは、ついつい塩分を摂りすぎてしまうこと。
白米には佃煮や漬物、濃い味付けの煮物などが良く合うため、つい塩分を摂りすぎてしまいがちで、カレーや丼ものも要注意です。
過剰な塩分は水と一緒に体内にたまり、むくみの原因になるだけでなく、内臓にも負担がかかってしまいます。
普段から塩分控えめの食事に慣れておくといいでしょう。
いかがでしたか。
一見栄養も何もなさそうな白米ですが、実はアミノ酸やミネラル等を含み、脂質が少なく低カロリーな上、満足感のある美容食でした。
何よりも消化がよく、内臓への負担も少なくてすみます。
価格が安いのも魅力的ですね。
動物性たんぱく質や野菜と組み合わせた栄養満点な白米ライフを、ぜひ体験してみてください!
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