デメリットが多すぎる!ネット・スマホ依存の怖さ。でも、無理やり取りあげるのは逆効果になることも…
近年急増中のインターネット・スマートフォン依存。生活に支障が出るだけでなく、心身にも大きなデメリットが。依存の怖さや、予防のポイントを紹介。既に依存してしまっている子どもから、強引にスマホを取りあげるのはNGです。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
ネット・スマホに依存している人が全国の中高校生だけでも推計51万8千人もいることがわかっています。(2013年8月 厚生労働省調べ)
大人の人数まで入れたら、さらに恐ろしい数になることは予測できるでしょう。
その中には、自分が依存していることに気づいていない人もいるのではないでしょうか。
ネットやスマホへの依存は、心身ともに害をなすものです。
今回は、健康面や精神面などでどのような実害があるのか、また依存を予防するにはどうすればいいのか、といった点についてご紹介したいと思います。
ネット・スマホ依存というのは、「ネットやスマホをいじってないと、過剰に不安な気持ちになってしまう状態」を言います。
では、ネットやスマホを長時間利用する状態が続くと、どのような害が生じるのでしょうか?
- 社会生活や学校生活を安心して送ることが難しくなってくる
- 健康を害してしまう
- 個人情報が漏れてしまう
- 相手に損害を与えてしまうことがある(例:歩きスマホ、ながらスマホ)
- 人間関係が希薄になってくる など
以上のように、さまざまなところに支障が出てくる恐れがあります。
これが、ネットやスマホに依存するのが良くない理由です。
ネット・スマホ依存の場合、さまざまところに支障をきたすと上でお話ししました。
次に、特に怖いと感じる点をより詳しく見ていきましょう。
- 視力障害
- 肩こりや首のコリ(スマホ首などと呼ばれています)
- 睡眠障害
- 生活リズムの崩れ
- 腱鞘炎といった痛みを伴うもの(スマホ肘など)
- 学習能力の低下
- 運動能力の低下
- 言語能力の低下
- 集中力の低下
- 注意力の低下
- 歩きスマホでの人や物への衝突
- ながらスマホによる事故(自転車や車の運転中に事故を起こすケースが多発しています)
- いじめ(匿名を利用した誹謗中傷など)
- SNS参加に対する脅迫観念(やらないといけないなど)
- 金銭関係(ゲームの課金や詐欺被害、支払い滞納など)
- 社会性や感受性の低下
- 引きこもり
- 抑うつ状態
- スマホ認知症(20~30代の物忘れ外来患者が増えてきています)
- 攻撃性(ネットやスマホが使えないことで苛立ちを露わにする)
- 人との関係が希薄になる(親子関係・友人関係など)
- 個人情報の漏えい
- 画像・動画配信被害
- 有害サイトへのアクセス
- 性犯罪
これらは一例に過ぎません。
インターネット依存とは:特定非営利活動法人アスク(https://www.ask.or.jp/)
予防の第一歩は、「自分はネット・スマホ依存かもしれない」と考えることです。
それができれば、次のような方法を実践することが予防に繋がります。
- ネットやスマホの利用頻度を下げる(最初は5分短くするなど)
- ネットやスマホ以外の趣味や楽しみを見つける(複数あると、なお良いですね!)
- 家族やネット以外の友だちとコミュニケーションを取る
- ぼんやりする時間を設ける(ネットやスマホから入ってくる情報をシャットアウトする)
ここでやってはいけないのが、無理をすることです。
家族が個人に止めさせようと強引に引き離すようなことをすれば、逆効果になります。
依存の度合いを強めてしまうだけでなく、暴力的になって家族に危害を加えてしまうことも大いにあります。
ここで、実際にあったお話をご紹介します。
Y子さん(当時16歳)は、毎日スマホを長時間いじるようになっていました。
そのことを心配したY子さんのお母さんは、Y子さんからスマホを取りあげました。
すると、スマホを母親に取り上げられたことでカッとなったY子さんは、母親を突き飛ばし、母親に暴力をふるってスマホを奪い返したのです。
このことを相談に来られたのは、Y子さんのお母さんです。
Y子さん自身は、こんな状態であっても、スマホに依存しているという感覚を持ち合わせていませんでした…。
こういうことが往々にして起こる場合があります。
ニュースになるケースもありますので、今までに見たり聞いたりしたことのある方も多いのではないでしょうか。
ネットやスマホ依存になってしまうと、身体的・精神的・金銭的など、さまざまな面に支障が出てくるだけでなく、トラブルに巻き込まれてしまうことも十分にあります。
自身ではどうすることもできず、生活(仕事や学業)に支障をきたしている場合は、第三者(カウンセラーなどの専門家)に相談することをおすすめします。
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