冷え=血流が悪い!タイプ別で見る冷え性の原因と対処法。「身体が冷える」を当たり前にしないで
東洋医学からみた「冷え性」の原因と対策を解説。漢方では「冷え=血流の悪さ」と考えます。5つのタイプ別(全身冷えタイプ、のぼせ・ほてりタイプ、手足末端冷えタイプ、むくみ冷えタイプ、氣冷えタイプ)に見ていきましょう。
Kaon漢方アカデミー認定講師・漢方薬剤師の虎岩琴恵です。
一段と寒さが厳しくなってきましたが、体調を崩されたりしていませんか?
寒くなることで体調を崩しやすい方は、体の冷えが原因のことも多いのです。
「冷えなんて病気じゃないし、温めればいいんでしょ?」という人もいるかと思います。
温めて冷えや寒さがなくなる人はそれでもいいのですが、温かい部屋にいても寒く、手足が冷える人もいますよね。
漢方では、これを「冷え症」というれっきとした病気と考えます。
冷えを当たり前と思わないでください。
「冷えは万病のもと」とも言われています。
西洋医学では、冷えは個人差があり、明確な指標がないため病気と捉えていません。
また、温める薬もないため、冷えが原因で病気が起こるとは、考えられていないのです。
ですが、漢方では、冷えは証(※)を見極めるための重要な手がかりと考えるため、冷えを改善する温める薬があります。
※証 … 漢方的に体質をみて漢方薬を選ぶための基準のこと。
最近では、赤ちゃんや小さなお子さんでも冷え症になります。
子供の冷えは、便通で現れることが多いです。
便秘気味、下痢気味、どちらも冷えが原因のこともあります。
漢方では「冷え=血流の悪さ」と考えます。
血流が悪くなる原因は人によって様々です。
例えば、イライラや肩こり、むくみなどでおこる冷えには、5つのタイプがあります。
今回は、タイプ別に原因・対策を解説します。
新陳代謝の低下している方に多いタイプです。
また、エネルギー源である「氣」と栄養分となる「血」が足りないことにより起こる冷えともいわれています。
ダイエットや仕事を頑張りすぎてしまう女性に多く見られます。
全身が冷えやすいので、胃腸の働きが落ち、食欲不振になってしまったりすることもあります。
このタイプの方は、しっかり食事をとり、無理なダイエットなどせずに、継続できる運動を取り入れることが大切です。
このタイプの人は、本人は冷え症とは思っていなく、むしろ暑がりで、冷たいものばかり好んで食べる人です。
ですが、ほてり・のぼせの原因は、実は「内臓の冷え」からくることが多いのです。
よく話を聞くと、お腹が冷えていることや基礎体温が低いことがあります。
体の中が冷えているため血流が滞り、上半身に熱が溜まってしまうのです。
それにより、のぼせ・ほてりが生じてしまうタイプです。
冷たいものを欲しがっているのは口だけなので、氷を口に含み冷やしてあげると改善します。
胃の中に入るものは温かいものにすることで、熱のバランスの偏りが解消され、冷えがなくなります。
このタイプは、手足末端が特に冷えていて、足湯やマッサージをしてもすぐに冷えてしまう人です。
特に女性は、冷えにより子宮まわりの血流が悪くなるため、生理不順や生理痛、不妊症の原因になりやすいです。
おへそから下の下半身の冷えを改善するためには、丹田(※)を温めることが大切です。
※丹田 … おへそから指4本分下にある全身のエネルギーが集まるツボのこと。
丹田を温めることにより体の中心が温まるため、お風呂や足湯で末端を外から温めても熱が外に逃げてしまうことがなくなります。
丹田を温める一番簡単な方法は、「腹式呼吸」です。
1日数回でもいいので、腹式呼吸をする習慣をつけてください。
身体の中の水分をうまく排出できず、溜まりすぎて身体を冷やすタイプです。
むくみやすい、からだが重い、めまい、耳鳴りなどが気になる方も多いのが、このタイプの特徴です。
身体に水がたまることで冷えやすくなります。
冷たいものを摂りすぎるのはもちろん、温かいものでも摂りすぎれば冷えやすくなります。
このタイプの人は、まず水分は常温以上のものに変えることから始めましょう。
また、むくみやすい人は、無理に水分を多く取る必要はありません。
対策2:むくみには、足湯と下半身マッサージが効果的
むくみが下半身に出やすい方は、足湯と下半身マッサージをすると、むくみ症状が改善されやすくなります。
「氣」とは、漢方で生命エネルギーのこと。
「やる気」「気力」を意味します。
ストレスや不満でやる気が落ち、氣のパワーがなくなることが原因です。
ストレスによって冷えるなんて想像ができないかもしれませんが、現代ではこのタイプがとても増えています。
漢方では「心身一如」という考え方があり、心と身体はひとつと捉えます。
心が冷えていると、身体も冷えてしまうのです。
心の冷えとは、ストレスが原因で疲れが溜まった状態。
これでは、エネルギーが作れず、血が運ばれなくなり、身体が冷えます。
対策:心のリフレッシュ法を見つけ、ストレス発散を!
この冷えを解消するためには、心のリフレッシュ法を見つけることです。
自分が好きなこと、楽しいことを見つめなおし、仕事でもストレスをため込み過ぎないようにすることが大切です。
一言で「冷え症」と言っても、これだけタイプがあります。
このコラムを読んで、「私も冷え症かも」と気付いた方は、今から対策をしていきましょう。
3年後5年後に笑顔でいられるために、漢方はあなたの未来を支えます。
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