「雨の日はだるい、頭痛が…」梅雨時期の体調管理!気圧の変化で体調不良になりやすい人へ

梅雨の時期に体調不良が起こりやすいのはなぜ?関節の痛み、シビレ、むくみ、身体が重だるい、頭痛(頭重感)、胃腸の不調などの症状を、東洋医学(中医学)で解説。

執筆者: 西野雅也 職業:鍼灸師/TLC(セラピストリーダーズカレッジ)理事
雨の日はだるい、頭痛がする…その原因は湿度にあった?

こんにちは、鍼灸師の西野雅也です。

梅雨と言えば「湿気」。
ジメジメして嫌ですよね。


気圧の変化が多い梅雨は、関節の痛み、シビレ、むくみ、身体が重だるい、頭痛(頭重感)、胃腸症状など、体調不良が起こりやすい時期。

さらには憂うつな気分など、自律神経の乱れによる気分の落ち込みまで起こりやすい季節です。

 

日中は交感神経が、夜間は副交感神経が活発になるのが通常のサイクル。
しかし、天気が悪く低気圧になると、空気中の酸素濃度が薄くなるため、体は酸素をうまく取り込めなくなります。

そうすると酸欠状態となってしまうため、体が「なんか苦しい。休まなきゃ」と、副交感神経を活発にさせようと頑張り始めます。
これにより、昼間であるにもかかわらず副交感神経が活発になり、逆に夜は交感神経が活発になるなど、自律神経のバランスが昼夜逆転してしまいます。

これが、低気圧による自律神経の乱れのメカニズムです。
特に毎年、5月~8月辺りは低気圧となっているので、注意が必要です。

 

すぐに乱れる「自律神経」の整え方!雨の日の頭痛やイライラを改善しよう


今回は、梅雨時期に見られる「雨の日の体調不良」メカニズムと対策をご紹介します。

 

 

梅雨時期における体調不良の原因は「湿邪」!
湿度が高くなると、湿邪が体内に侵入する。

湿気は、東洋医学的には「湿の邪気」として捉えます。

そして湿の邪気のことを「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。

 

  • 体内に留まりやすい。
  • 気の流れを停滞させる。


この2つが、湿邪の大きな特徴です。

 

雨の日はムシムシと湿度が高くなる…しかし、冷房を入れると!

これには、現代人の生活も影響しています。

 

扇風機や冷房で体を冷やしすぎるのはNG

夏に向かって気温が上昇してくると、扇風機や冷房をつけ始める方も増えると思います。

涼しい、あるいは寒い環境下では、人間の皮膚は引き締まりますね。

 

つまり、あまり汗をかかない。

かいているように思えても、溜め込んだ湿邪との割合を考えると、充分ではないことが多いのです。
結果、湿邪を体内に閉じ込めてしまっているのです。

 

汗をかかないと、湿邪を体内に溜め込んでしまう!

邪気というのは、身体に不必要なもののことですから、排出することで健康状態保とうとする働きが人間には備わっています。

 

ですが、冷房の影響などで、本来排出されないといけない湿邪が充分に排出されず、結果溜め込んでしまっています。

 

冷房や扇風機の「風」が邪気となることも

加えて言いますと、冷房や扇風機の風が邪気となることもあります。

 

冷えの邪気と、風の邪気です。

それぞれ「寒邪(かんじゃ)」、「風邪(ふうじゃ)」と呼ばれます。

 

だから、梅雨時はリウマチが悪化しやすい

風邪、寒邪、湿邪の三つの邪気が合わさると、「痹証(ひしょう)」と言って、関節の痛みなどが起こりやすくなります。
リウマチの背景にも、これらの邪気が関与します。

 

邪気を排出して、体調をキープするには?

とは言っても、扇風機や冷房無しには暑くて辛いですよね。
であれば、意識的に排出を心掛けてあげることが大切だということがわかります。

 

ポイントになるのは、「大小便」と「汗」

では、どのようにして邪気は排出されるのか。

ポイントとなるのは、大小便、そして汗です。

 

便秘している、おしっこをよく我慢する、運動せず汗をかかないといった状況では、邪気は排出されません。

 

邪気を排出するためには

便秘を予防する。

おしっこは我慢しない。

運動をして、汗をかく。

 

手足を動かすと脾の臓が活性化 ⇒ 湿邪を排出できる

やはり運動。

楽して健康ではいられないということですね。

手足を動かしましょう。

 

四肢(手足)は、脾の臓と相関関係にあり、手足を動かせば脾の臓が活性化します。

 

脾の臓というのは、主に消化吸収に関わる内臓ですが、邪気では特に湿邪との関連が深い内臓でもあります。

湿邪によって脾の臓が弱る側面もありますが、逆に脾の臓が活性化すれば、湿邪の排出を促すことができます。

 

消化吸収に関わる内臓だけに、脾の臓が弱れば胃腸症状が現れやすくなりますので、梅雨時期はいかに脾を護り活性化させられるかが、我々鍼灸師が常々意識しているところでもあります。

 

ケーキなどの洋菓子や甘いものは、控えめに

他には、甘い物、特に動物性の油分を多く含んだケーキなどの洋菓子は、脾の臓を弱らせ、更に湿邪を溜め込むことになりますから、この時期はあまり摂ってはいけません。

 

雨の日の頭痛やだるさ、体調不良を解消しよう!

しっかり手足を動かして脾の臓を活発にすれば、湿邪の排出を促すことができます。

このジメジメした嫌な季節を、少しでも気持ち良く過ごしましょう。

 
 コラムニスト情報
西野雅也
性別:男性  |   職業:鍼灸師/TLC(セラピストリーダーズカレッジ)理事

大阪府藤井寺市で東洋医学専門の鍼灸治療院 鍼灸 雅(みやび)の院長をしております。
東洋医学は「あるがままの人間」と向き合う医学。
「人対人」をモットーに、臨床家の道を歩んでおります。

◎東洋医学に関するブログも毎日更新しております!
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