面接で嘘をつく就活生を封じる!新たな面接手法「リシュ面」とは?

新卒採用時の新たな面接方法「リシュ面」とは?自己PRや経験を盛るなど、就活生の嘘を防ぐ手法です。大学の成績表(履修履歴)重視の採用面接をしてみませんか?

執筆者: 藤田美智 職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)
話題の採用面接スタイル「リシュ面」

こんにちは、人事戦略コンサルタントの藤田美智です。

少し前のことですが、「リシュ面」という採用面接の手法が、経団連の採用選考に関する指針として取り上げられ、話題となりました。

どのような手法で人材を採用するのかというのは、ある意味企業文化のオリジナリティを発揮する重要な要素であるはずなのに、「みなさん、よい人を採りたいのなら、こうしましょう」というような横並び的な発想を推奨するというのは、私にとって、摩訶不思議なことと言うほかありません。

 

リシュ面とは?
大学の成績表(履修履歴)を見ながら質問する面接手法

リシュ面というのは、履修履歴面接の略だそうです。

 

つまり、経団連は、昨今続けてきたエントリーシートを基にした面接はやめて、履修科目の成績表をベースに面接しましょう、と言っているのです。

 

目的は、「学生のウソ」を封じること!

確かに、エントリーシートは、いかようにも作文できますから、やろうと思えば、作文のような人物を面接で演じることができる可能性はあります。
ですが、それは、確実に見透かされます。

自分は演じ切ったつもりでも、面接担当者が「それは、すごいですね」とニコニコ相槌をうってくれても、創作と演技は見抜かれているのです。

ですから、経団連の新たな指針は、各企業の面接担当者が創作と演技を見抜いていないということを、間接的に認めているようにも思えます。

 

そもそもエントリーシートに重きを置いて面接する企業はあるのか?

ところが、私に言わせれば、各企業は、先刻そのようなことは承知で、エントリーシートに重きを置いた面接はしていません。

 

企業におけるエントリーシートの意味

では、企業におけるエントリーシートの意味とは、どういったものなのでしょうか。

企業が意識するエントリーシートの意味とは、「ウチに応募するのであれば、ちゃんと手間をかけて企業研究し、自己を見つめ直して作文してくださいね」というくらいの意味しかないのです。


その中身を頭から信用して読んでいる採用担当者など、皆無といっても過言ではないでしょう。
極端な例ではありますが、大学名によって、読む/読まないという仕分けをしている企業もあるくらいです。

本来的な面接とは

リシュ面。

これは間違いなく、本来的な面接の在り方のひとつです。


ですが、私自身はこれまで実際に、何を意識することもなしに同じような面接をやって来ましたし、自分とは何者なのだろう、というようなことを考えさせる”自分探し塾”みたいなものには、かなりの胡散臭さを感じていました。

 

履歴書のみでの面接

私の考える本来的面接の在り方とは、履歴書のみで面接するということです。


大学の指定履歴書で応募するパターンはよくありますが、これは大学によってよく特徴が出ています。

中堅以下の大学が、大学の特徴を、よりイメージしやすいように、学生の一所懸命度をアピールできるように、履歴書を工夫しています。

そういった大学の履歴書の特徴とは、かなりエントリーシート的な要素を入れているところにあります。

本来的な面接の話に戻ります。
みなさんは、エントリーシートの作文を考える前に、やるべきことがあります。

 

 

履歴書を書くときに、考えなければならないこと
私立の小学校・中学校卒なら、そこから記入

まずは、公立の小学校、中学校に入学しなかった人は、「私立○○小/中学校入学」から記入すべきということです。


なぜなら、面接担当者は、そこに、親と子の間の立ち位置に興味を持つからです。

頭の良い学生は、自我が発達していなかったので、いま考えると、当時の自分は親の勧める進路に疑問を持たなかったと回答します。


中には、これは、と興味を引く学生から、「なぜ中学受験しなきゃいけないのか」とか、「受験するなら他にどのような学校があるのか調べた」というような発言を聞くことができるのです。

高校選択ともなれば、これにはかなり自身の判断要素が加わっていますから、その経緯を聞くことは、その人の人間形成の過程を垣間見ることができて、興味深い話を聞けることが多いものです。

 

高校の学科の書き忘れは、痛恨のミス!

そこで、苦言をひとつ。
履歴書に、高校の「○○科入学/卒業」の記載漏れが、非常に多いということです。
昔に較べて、高校の「○○科」の種類は飛躍的に増えています。


これをちゃんと記していないとすると、それだけで面接に行きつけない可能性は相当高まります。

ケアレスミスでは済まされない記載ミスだということを、強く自覚してください。

 

履歴書の「△△高校○○科卒業」を見て、面接担当者はこう聞いてくる!

私は質問を重ねます(すでに気持ちは面接に入っています)。

なぜ、その高校、その科を選んだのですか?


応募者は、大学のことを聞かれると考え、いろいろと対策を練ってくるのですが、高校のことは、あまり考えて準備をしてきておりません。

私が好むエピソードは、こういった物語です。

 

「実は、地元にこういう高校があって、このような理由で、この高校に行きたかったのです。

しかし、枠があって受験できず悔しい思いをしました。

結局、第二志望の高校となったわけですが、いま在籍している大学に進学できたのも、その悔しさがバネになっていることを思うと、出身高校でよかったと思っています」

 

おわりに

履歴書は、その人の考え、人生を表現している証明書のようなものです。

いま、おつきあいのある学校や企業にお勧めしているのは、せめて履歴書は自筆でお願いしてくださいね、ということです。

字の巧拙を見るためではありせん。

心を込めて丁寧に書いているかどうかを見るのです。

 

いくら下手な字でも、乱暴に書いた字と心を込めて書いた字は、誰の目にも違いは明らかなものです。
心から志望する企業に、乱暴な字で適当な履歴書を提出する人はおりません。

 
 コラムニスト情報
藤田美智
性別:男性  |   現在地:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-55 プライム赤坂216 株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)  |   職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)

こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
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