皆さん、こんにちは。
スキンケアカウンセラーの松原好克と申します。
次から次へと登場する目新しい化粧品成分…本当に効果的な成分はどれなの?
そんな多くのご意見にお応えして、エビデンス(科学的根拠)が高い化粧品美容成分を定期的に解説しております。
今回取り上げるのは、「レチノール」です。
レチノールは、ビタミンAの一種です。
抗酸化力に定評があるのはご存知の通りビタミンCですが、実はビタミンAのほうが上です。
しかし、外から与えるビタミンAは刺激の問題があり、口から取り込むビタミンAは摂取量に注意が必要なため、あまり出回っていませんが、適度に補給することで高いエイジングケアが可能になります。
外から与えるビタミンAは、パルミチン酸レチノール・酢酸レチノール・レチノイン酸など複数ありますが、刺激・浸透性・安定性が異なるため、効果に差が生じます。
出典: http://a-care.net/feature/type/
レチノイン酸は、美容皮膚科での治療に用いられており、シミ・シワ・ニキビなどに大変効果的ですが、刺激が強いため化粧品への配合は禁止されています。
そのため、化粧品に配合されるビタミンAは、パルミチン酸レチノールが主流になっています。
このコラムでは、その「パルミチン酸レチノール」について、詳しく解説させていただきます。
刺激が少なく肌との相性が良い、レチニルエステルタイプのビタミンA誘導体です。
淡黄色の液状の物質で、水には溶けず、アルコールや油剤に溶ける性質です。
- 皮膚のコラーゲンやエラスチンとの関係が深い
- ハリ・弾力を促進する
- 毛穴の悩みにアプローチする
- 角質層を整えて水分維持をフォローする
- 肌代謝(ターンオーバー)をサポートする
- 活性酸素に声を掛ける
化粧品に配合されるパルミチン酸レチノールの上限濃度は、全成分中0.03%以下になるように定められているようです。
ですので、できるだけ豊富に入っているアイテムを選びたいですね。
パルミチン酸レチノールをメインにした、シンプルな成分構成になっている美容液やクリームが良いでしょう。
パルミチン酸レチノールは油溶性のため、化粧水のような水っぽい製品には微量しか配合されていません。
パルミチン酸レチノール配合の化粧品は、目元用途として扱われる場合が多いのですが、それは、皮膚の薄い目周りが最も効果を実感しやすいからです。
しかし、目元以外に使用してはいけないと言っている訳ではありません。
ここがポイントです。
肌の老化は、部分的に進行するわけではないため、顔全体を意識した手入れが大切です。
つまり、目元だけにピンポイントに使用するのではなく、毎日顔全体にしっかり塗布したほうが、スキンケアとしての効率性がアップするというわけですね。
また、ビタミンC誘導体化粧水を併用すると、相乗効果が期待できます。
パルミチン酸レチノール入りの化粧品に限らず、どの化粧品にも言えることは、肌の老化を改善することは困難で、「予防である」ということを肝に銘じて下さい。
加齢により進行してしまった肌老化は、皮膚構造そのものが変化してしまっているため、化粧品で改善することはできません。これは、時計のハリを逆戻りさせることができないのと同じことです。
いかに肌老化の進行を緩やかにできるかを前提にした、予防力に優れた化粧品を見極めることに徹しましょう。
パルミチン酸レチノールが入った化粧品は、一部の人に起こる刺激反応に注意が必要です。
カサつき、赤み、ほてり、痒みなどの症状が現れた場合は、使用量・使用頻度を減らしましょう。
続けて使用することで、徐々に解消されるケースが多いです。
初めて使われる人は、1週間に2回程度の少量使用を目安にして、問題なく慣れてきたら、塗布頻度を増やしていきましょう。
肌の弱い人・敏感肌の人・アレルギー肌の人は、腕などでパッチテストをしてからご使用されることをお勧めします。
なお、レチノールを付けた後、紫外線に当たると肌に悪影響を与えるという情報が流れていますが、化粧品に配合される程度の量では、特に気にする必要はありません。
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