ビタミンA作用機序文献
ビタミンAを皮膚に塗布すると、環境が引き起こすダメージに対する抵抗力が強まる。

Goffin, V., et al., Topical retinol and the stratum corneum response to an environmental threat. Skin Pharmacol, 1997.10(2): p.85-9.

 

パルミチン酸レチノールは紫外線を吸収して、強力な自然の紫外線防止剤として働き、DNAがダメージを受けないよう保護します。

Antille, C., et al., Vitamin A exerts a photoprotective action in skin by absorbing ultraviolet B radiation. J Invest Dermatol, 2003. 121(5): p.1163-7

日焼けした皮膚はダメージを受けて表皮突起が扁平になってしまいますが、ビタミンAを塗布すると、波型の隆起が回復します。

Gilchrest, B.A., A review of skin ageing and its medical therapy. Br J Dermatol, 1996. 135(6): p.867-75

レチノイン酸は真皮内で最も重要な繊維芽細胞のDNAに特に作用し、コラーゲンの産生を促進させます。

Kang, S., The mechanism of action of topical retinoids. Cutis, 2005.75(2 Suppl):p.10-3; discussion 13.

ビタミンAの作用により、繊維芽細胞は細胞間を満たす天然保湿因子であるグルコサミノグリカン(GAG)をより多く分泌するようになり、このため皮膚の保湿が増し、ハリが出て、シワが軽減されます。

Kafi, R., et al., Improvement of naturally aged skin with vitamin A(retinol). Arch Dermatol, 2007. 143(5): p.606-12.

ビタミンAはヒアルロン酸の産生を増加させる。

Sayo, T., S. Sakai, and S. Inoue, Synergistic effect of N-acetylglucosamine and retinoids on hyaluronan production in human keratinocytes. Skin Pharmacol Physiol, 2004. 17(2): p.77-83.

ビタミンAは、特に日焼けした皮膚において、顕著なヒアルロン酸の増加が認められる。

Calikoglu, E., et al., UVA and UVB decrease the expression of CD44 and hyaluronate in mouse epidermis, which is counteracted by topical retinoids. Photochemistry and Photobiology, 2006. 82(5): p.1342-7

ビタミンAはエラスチン繊維の質を向上させますが、その働き方はエラスチンを増やすのではなく、不良化したエラスチン繊維を取り除くように働きます。

EL-Domyati, M., et al., Intrinsic aging vs. photoaging: a comparative histopathological, immunohistochemical, and ultrastructural study of skin. Exp Dermatol, 2002. 11(5): p.398-405.

ビタミンAは、皮膚より深い部分における血流を改善します。その結果、より多くの栄養素と酸素が皮膚に供給されるようになります。

Gilchrest, B.A., A review of skin ageing and its medical therapy. Br J Dermatol, 1996. 135(6): p.867-75

ビタミンAを塗布することで、皮膚癌が有意に予防されたとの報告もある。

Lippman, S.M. and R. Lotan, Advances in the development of retinoids as chemopreventive agents. J Nutr, 2000. 130(2S Suppl): p.479S-482S.

引用・転載
Aケア協会
ビタミンA作用機序文献
http://a-care.net/feature/literature/
※上記の文献は、レチノール配合化粧品の効果を保証するものではありません。

おわりに

パルミチン酸レチノールは、気をつける点もありますが、質の高いエイジングケアをお望みの人には、是非試していただきたい美容成分です。
多くの皆様が、美しく歳を重ねていただけるよう願ってやみません。

次回取り上げる化粧品美容成分は、「レチノイン酸トコフェリル」です。
ご期待下さい。

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