言いにくいことを柔らかく伝える「クッション言葉」一覧。謝罪や依頼形、断り方など

仕事ができる人、できない人の違いは「言い方」にあります。ビジネス上は「クッション言葉」効果で好感度を操作することができます。謝罪や依頼形、断り方など言葉の使い方を解説。

執筆者: 矢野 誉美 職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ
お願い、謝罪、依頼などをムッとさせずに伝えたい!

こんにちは、マナープロトコール講師の矢野誉美です。


ビジネスシーンで多く用いられる「クッション言葉」。

相手へのお願い、または謝罪をする場合によく用いられています。

 

今回は、このクッション言葉をより良く活用するポイントをご紹介したいと思います。

たかが言い方と思っている人は、「言い方を変えるだけ」で変わるメリットに注目してみてくださいね。

 

 

ビジネス上で「必須」のクッション言葉とは

「クッション」と聞くと、なんとなく柔らかくて優しいイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

 

用件を柔らかく伝えることのできる、魔法の言葉

相手への依頼や謝罪、伝えづらい言葉をかける際に、頭にこのクッション言葉を添えることで、言葉が柔軟に聞こえ、好感度もアップします。

例えば、「恐れ入りますが」や「お手数をおかけしますが」などがその代表例です。


ただし、ふさわしい場面で、相応のクッション言葉を用いることが重要です。

クッション言葉のレパートリーを増やしておくことが、デキる社会人として「必須」のスキルです。

日頃から良く使うクッション言葉の一例
申し訳ございませんが

「申し訳ございませんが、在庫を切らしております。」

 

恐れ入りますが

「恐れ入りますが、おタバコはご遠慮いただけますか。」

 

ご迷惑をおかけいたしますが

「ご迷惑をおかけいたしますが、もう少々お待ちください。」

 

失礼ですが

「失礼ですが、お名前をお伺いできますか。」

 

状況に応じて使うと好感度がアップするクッション言葉
お差し支えなければ

「お差し支えなければ、ご連絡先をお伺いできますか。」

 

あいにくではございますが

「あいにくではございますが、そちらの商品はお取扱いしておりません。」

 

ご足労ですが

「〇○までご足労願えますでしょうか。」

 

お疲れのところ恐縮ですが

「お疲れのところ恐縮ですが、こちらにお並び頂けますか。」

 

相手への心配りをグンと表現できる「クッション言葉 + 依頼形」

相手へ何かを頼んだり、確認したい場合、「~してください」という言い方だと、かなり上から目線で失礼です。

「~してもらえますか?」「~もらえますでしょうか」などに置き換えましょう。

 

「出来ません」「分かりません」という言い方はタブー

ビジネスや接遇マナーにおいて完全なる否定形「出来ません」「分かりません」などをストレートに伝えると、言葉に角が立ちます。
クッション言葉に合わせて、語尾を依頼形にすると、さらに柔らかい表現になります。

 

例「この商品をすぐに納品をしてもらえますか?」

NG対応「出来ません。」


◎「申し訳ございません。あいにく出来かねます。代りにこちらの商品でしたらすぐにご用意できますがいかがでしょうか?」

 

例「〇○さんはいらっしゃいますか?」
NG対応「いません。」

◎「申し訳ございません。〇○はあいにく外出しております。〇時には戻ってまいりますが、いかがいたしましょうか。」

 

相手の残念な気持ちに共感することが大切!

一言「出来ません」「いません」だけですと、非常に冷たい印象を与えます。

 

言葉=コミュニケーションです。

相手の残念な気持ちに共感し、より好ましい言葉で会話をすることが、大人の会話のマナーです。

クッション言葉を使いこなせていない人にありがちなこと
考えなしに多用しすぎるのは逆効果

耳に優しく響くクッション言葉は、敬意を払う相手との会話の際にはとても万能です。

使わないよりは断然好感度がありますが、多用しすぎると逆効果。

 

言葉が上手く繋げず焦って話しているように聞こえてしまったり、肝心な話の内容がまとまらなくなったりと、デメリットもあるので、注意して使うようにしましょう。

 

そっけない言葉遣い、ぶっきらぼうな言い方はビジネスチャンスを逃す

言葉にまつわる、とても印象深い一節をご紹介したいと思います。

余談かもしれませんが、子どもが使わない方がいい言葉もあるんですよ。

例えば「お疲れさま」「恐縮です」「手に余る」などです。

 

あくまで私個人の考え方かもしれませんが、これらの言葉は一人前の大人の為のものであり、子どもが使うにふさわしくないからです。


※国語学者 金田一秀穂氏 のコラムより抜粋

 

本を読んだ知識だけで知っている言葉を発しても、相手には伝わりにくいものです。

 

言葉を使うときには、知識だけでなく、その言葉に沿った「心」も込めて使うことが出来るようになって初めて、今よりも、もっと素敵な会話を楽しめるようになるはずです。

 
 コラムニスト情報
矢野 誉美
性別:女性  |   職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ

外見だけでなく、内面も同時に磨けたら。
マナーとは敷居の高いものではなく、産まれてから今日に至るまで日々、家庭の中で育まれてきたものです。

『人』とのコミュニケーションの基礎になるマナーの本質をしっかりと身に着けて頂くために、親から子へ・・・引き継がれるべきマナーについて、優しく、そして自分自身のブラッシュアップの為のマナーセミナーを開講しています。

マナーを軸として『サロン(仕事)に活かす』『ライフスタイル(生活)に活かす』という2面からフォーカスした楽しく吸収できる知識をお伝えしています。
接客業20年のキャリアから、『リピーターを作る』に特化した接客メソッドを確立。現役でホテリエを続けながら、サロネーゼ向けのマナーレッスンを銀座にて開講。

顧客満足=スタッフ満足=わたし、満足 をゴールとして、サロン・クリニックに特化した接遇マナーレッスンも大好評

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