集中力が続かない子どもの勉強方法。学習の効率を上げる方法とは?

執筆者: 菊池 洋匡 職業:学習塾「伸学会」代表
「うちの子は集中力がない…」

こんにちは。学習塾伸学会代表の菊池です。
保護者の方からの悩み相談で多いのが、「うちの子は集中力が続かない」というものです。

 

確かに休憩してばかりで勉強が進まないのはよくないですね。
心配になる気持ちはわかります。

しかし、集中力が続かない方がむしろ強く記憶に残ると言った場合、いかがでしょうか。

 

 

最初と最後は記憶に残る

記憶に関する心理学用語に「初頭効果」と「親近効果」というものがあります。

実は、人間の記憶のメカニズムとして、最初と最後にあったものは記憶に残りやすくなっています。

最初にあったものが強く印象に残るというのを「初頭効果」、最後にあったものが強く印象に残るというのを「親近効果」と呼びます。

 

例えば映画などを見ていても、始まりと終わりはどんなストーリーだったかよく覚えていても、真ん中あたりの記憶は曖昧、ということはよくありませんか?

そう、人間の記憶力には「中だるみ」があるのです。

 

このことをよく理解し、休憩をうまく活用すると、学習した内容を上手に記憶に残せます。

 

効率よく学習するには、「最初」と「最後」を増やす!

「最初」と「最後」は覚えやすい。
ということは、「最初」と「最後」はたくさんあった方が良いのです。

 

そのためにはギリギリになってまとめてやらないことが大切です。

夏休みの宿題など、それを提出日前日にまとめてやるのではなく、分割して毎日少しずつやりましょう。

そうすれば、その日数だけ「最初」と「最後」の機会を増やせます。

 

また、1日の中でも、ずっと同じ科目を勉強するのではなく、科目を切り替えながら勉強するようにしましょう。

切り替える回数だけ、「最初」と「最後」を作れます。

 

 

集中力が続かないことを逆手に取ろう

さらに、これをもう一歩進めてみましょう。
集中力が続かないから、むしろ学習の効率を上げる方法です。

頭がいっぱいだと思ったところで、素直に休憩しよう

休憩をすることで勉強が細かく分割されれば、「最初」と「最後」が増えるので、そこが自然と記憶に残りやすくなります。

 

このときに、あえてキリのいいところまで進まず中途半端なところで休憩に入るのがポイントです。

 
例えば受験の前に歴史の総復習をしているとしましょう。

「平安時代の終わりでキリが良いから、そこで休憩!」のようなことを毎回やっているとします。

そうすると、毎度毎度平安末期と鎌倉初期が記憶に残り、平安中期は常に中だるみの中ということになってしまいます。

 
中途半端なところで終えれば、その都度「最初」と「最後」の場所が目新しいところに変わるので、全体的に記憶に残すことができます。

 

休憩はキリの悪いタイミングで行いましょう。

 

また、キリが悪いところで終わると、人は続きが気になるようになっています。

これは前回のコラムで「ツァイガルニック効果」としてご紹介しています。

 

休憩の前後は記憶に残りやすいとはいえ、休憩時間が長すぎて勉強時間が大きく減ってはやはり学習効果は上がりません。

休憩時間は短くする必要があります。

そして、キリの悪いところで終えて続きが気になる状態にしておくことは、休憩が長引くのを防ぐ効果もあるのです。

 

キリの悪さが生むツァイガルニック効果で休憩時間短縮を行いましょう。

 

ダラダラ勉強を続けることが一番の無駄!

このように、小まめに休憩を挟んで短い時間の勉強を繰り返すのも、そう悪いことではないのです。

確かに、長い時間集中して勉強できるのは良いことですね。
でも、そうでなければいけないという思い込みで、無理な長時間の勉強をさせていませんか?

そんな勉強のやり方、させないようにして下さいね。

 
 コラムニスト情報
菊池 洋匡
性別:男性  |   現在地:世田谷区奥沢2-38-14  |   職業:学習塾「伸学会」代表

勉強のやり方から教える塾『伸学会』代表の菊池洋匡です。

まだ大学生のアルバイトだった頃の、この仕事を始めて2年目の生徒の受験。
第1志望に落ちた教え子が私に言った言葉。
「受からなかったけど、先生に習って良かったよ」
そしてお母さんが後で教えてくれた、合格発表の場で本人が言った最初の言葉。
「先生悲しむだろうな」
本人の方が辛いはずなのに。
本当に頑張る子だったのに、合格させられなかった自分の力の無さが悔しくて。
2度とあんな思いはしたくない。
子どもの努力を結果に繋げたい。
報われる努力の仕方を教えられるようになりたい。
そう思って必死にやってきて、気付いたら15年経ちました。

最近では1年間で偏差値が10以上伸びる子が毎年何名も(割合で言うと2割くらい?)育つようになりました。
さらに卒業生たちからも
「学校のテストでこんな良い成績・順位を取った!」
という嬉しい報告をよく聞いています。
私の手を離れてからもちゃんと成長を続けること。
これが伸学会の提唱する、
「まずは勉強のやり方を身につけさせる」
ということの成果だと思っています。
「伸学会」という名前には、有名中学校に合格・進学させる塾よりも、一人ひとりの学力が伸びていく塾にしたいという思いを込めました。

ここでのコラムでも、
■伸びる子の勉強のやり方について
■伸びる子の育て方について
を書いていきたいと思います。

伸学会webサイト
http://www.singakukai.com

 

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