はじめに

こんにちは、野菜ソムリエの我妻飛鳥です。


季節の変わり目は、体がよく冷えるという方も多いのではないでしょうか。
万病のもとであるこの「冷え」を引きずらないために、今回は体を温める作用の期待できる「しょうが」について取り上げてみたいと思います。

 

古来からの漢方薬、しょうが

しょうがはインドを中心とした熱帯アジア原産で、中国を経由して日本に伝えられました。

中国前漢の歴史書「史記」に記載されるほど昔から風邪薬や漢方薬として用いられ、現在ではその薬効がますます注目されています。

 

医師で処方される漢方薬の約5割に、しょうがが使われているというのも驚きです。

 

しょうがの薬効成分

代表的なところで言うと辛み成分のジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールや、香り成分のジンギベレン、ジンギベロールなどがありますが、その数約400種類。

これらが相互作用によってさまざまな効果が生み出されるそうです。


主な薬効は下記のようなものがあります。

 

  • 冷えを改善し、体を温める
  • 解毒作業
  • 消炎・鎮痛効果
  • 脂肪の燃焼を促進
  • 抗酸化作用
  • 抗菌・抗ウイルス・免疫力アップ
  • 消化吸収を高める
  • 咳や吐き気を抑える


さらにルチンやアントシアニンなどのファイトケミカルも含まれているので、その効果は計り知れないほどのパワーを秘めています。

 

1日どのくらいの量を摂取したらいい?

一般的には、8~10g(すりおろしでは小さじ2前後)が目安だそうです。


自分の体に合った適量を摂取するのが望ましいですが、なんでも摂りすぎるのはよくありません。

1日の上限は20gくらいにしておきましょう。

 

 

より効果的な摂り方は
温めて摂る

しょうがは30℃を超えると、辛み成分のジンゲロールがショウガオールに変化してします。

 

ショウガオールには、発汗作用を促し、体内で生み出すエネルギーを増やす効果があるので、しょうがは加熱して摂取した方がより身体に良い効果がアップし、すぐに体がポカポカ温まるのを実感できるようです。

 

すりおろして

すりおろして頂くと、酵素の働きも加わってより栄養効果を摂取できます。

繊維に逆らって千切りにして料理に加えたり、みじん切りにして香りを楽しんだり、料理に合ったスタイルでその香りと効果を楽しみましょう。

 

しょうが紅茶は特にお勧め

しょうがが熱を生み出す効果は、食後約3時間は持続すると言われています。
それを踏まえておすすめしたいのが、「しょうが紅茶」。


ティーカップにしょうがのすりおろし(又はしょうがパウダー)を少々入れ、沸かしたてのお湯で作った紅茶を注げば、しょうが紅茶が出来上がります。

お好みで砂糖やはちみつを入れてもOK。

 

全国でご活躍されているシニア野菜ソムリエであり、紅茶コーディネーターである小原薫先生によると、しょうが紅茶にはセイロンティーがおすすめだそうです。

 

 

乾燥しょうがの方が良い?

そして、実は生のしょうがより乾燥しょうがの方が身体を温める効果が高いのです。

 

生のしょうが

生のしょうがに含まれるジンゲロールは、身体に摂取すると血中を流れて手先や末梢血管を温めてくれますが、体の深部にある熱を末梢に送って温めるため、一時的に深部の熱が下がってしまいます。

 

乾燥しょうが

乾燥しょうがの方は、ジンゲロールの一部がショウガオールに変わるため、ショウガオールが体の深部の熱を作ります。

ジンゲロールとショウガオール両方の働きによって、深部と末梢の両方を温めてくれるのです。

 

簡単に作れる「干ししょうが」がお勧め

干ししょうがは、ショウガを薄くスライスし、風邪通しの良い場所で一週間ほど天日干しをして乾燥させれば出来上がりです。

 

皮ごと利用

しょうがの栄養素は皮に7割くらい含まれているといいますので、できるだけ皮ごと使用しましょう。

 

良いしょうがの選び方

表面に傷やしわがなく、つやと張りがあるもの、黄金色の綺麗なものが良品です。

輸入品も多く販売していますが、できるだけ国内産で鮮度の高く、皮ごと使用できそうなものを選びましょう。

 

おわりに

食事でしょうがを取り入れ、ティータイムはしょうが紅茶を飲めば、つらい冷えともサヨナラできそうですね。


体も芯からポカポカさせて、素敵な季節を迎えましょう。

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