マナーとルールの違いは?人間関係を円滑にするコミュニケーション術

執筆者: 矢野 誉美 職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ
はじめに

こんにちは、マナープロトコール講師の矢野誉美です。

あまりにも身近にある「マナー」という言葉ですが、この「マナー」の本来の意味をご存知でしょうか。

 

今回は、その本質についてご紹介をしたいと思います。

 

「マナー」と「ルール」の違い

マナーと同じように「ルール」という言葉もよく耳にします。

 

ルールとは

ルールとは規則の事。

交通ルールに代表されるように、守らなければ怪我をしたり秩序が乱れたり、時には罰せられたりと、誰もがきちんとなすべきもののことです。

 

マナーとは

これに対して、マナーと言うのは実は守らなくてもいいものなのです。

 

しかし、ゴミが散らばっていたり、相手への思いやりが足りない発言をしてしまったり、列に並ばなかったり、という状況に遭遇したら、周りの人が不愉快な気持ちになります。

 

マナーの本質

マナーとは相手への気持ちを表わす素敵な行動です。

人と人とのコミュニケーションを円滑に行うための潤滑油と言えるのではないでしょうか。

 

 

よいマナーは、温かい心の表れ

アメリカ人によく読まれている有名なマナーの本「Emily Post’s Etiquette」の中で、「よいマナーとは他者への思いやりに基づく行動の規範に則って生活をする人々の温かい心、善意の表れである」と解説されています。

 

「マナー」の本質は、気持ちの表れ=心ということになりますね。

 

「マナーを守ること」 が目的になっていませんか

マナーとは本来、社会生活の秩序をたもち、ライフスタイルを豊かに楽しくするための規範のことです。

 

昨今、私たちはインターネットなどの溢れる情報から得た知識だけで、上辺だけのマナーを示していることが多くあるように感じます。

 

「なぜ」を大切に

例えば、なぜ挨拶をするのか、なぜ慶事や弔事には昔からのしきたりが色濃く残っているのかなど、理由をきちんと理解し、その時々の状況に合わせてふさわしい振る舞いをして事こそ、マナーの効果が発揮されるのです。

 

マナーの敷居は高くない

「マナー」と言うと上流階級の方のもの、敷居が高いなどのイメージが未だに残っているようで、なぜか身構える方が多いようです。

 

テーブルマナーは身近なところから

例えば、テーブルマナーなどは、いわゆる一流のレストランやホテルでの紳士淑女のお食事の時に必要とされるものと思われがちですが、一般のご家庭でも毎日している「食事」というイベントの中で、少しずつマナーが身についているのです。

 

楽しく食事をすることが一番のマナー

お食事のマナーの中で最も大切なことは、ナイフやフォークの持ち方よりも、その場にいる仲間と楽しくお食事ができること。

 

そのように考えると、なんだかテーブルマナーも身近に感じることができるのではないでしょうか。

 

まとめ

マナーというと特別な形式だと思い身構えてしまう人が多いようです。

 

ですが、その基本となるものは『形』ではなく、その思いを表わす『心』です。

また、先代から価値観の異なる人々がよりよい交流を図るために、長い年月をかけて作り上げてきた素晴らしい知恵と技術です。

 

どうぞ、みなさんのご家庭で身近なところから伝えてみてください。

 
 コラムニスト情報
矢野 誉美
性別:女性  |   職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ

外見だけでなく、内面も同時に磨けたら。
マナーとは敷居の高いものではなく、産まれてから今日に至るまで日々、家庭の中で育まれてきたものです。

『人』とのコミュニケーションの基礎になるマナーの本質をしっかりと身に着けて頂くために、親から子へ・・・引き継がれるべきマナーについて、優しく、そして自分自身のブラッシュアップの為のマナーセミナーを開講しています。

マナーを軸として『サロン(仕事)に活かす』『ライフスタイル(生活)に活かす』という2面からフォーカスした楽しく吸収できる知識をお伝えしています。
接客業20年のキャリアから、『リピーターを作る』に特化した接客メソッドを確立。現役でホテリエを続けながら、サロネーゼ向けのマナーレッスンを銀座にて開講。

顧客満足=スタッフ満足=わたし、満足 をゴールとして、サロン・クリニックに特化した接遇マナーレッスンも大好評

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『トータル・マナー・メソッド』 http://ameblo.jp/kidsinlife/