健康志向の人々の間で人気のある食事法として、マクロビオティック(マクロビ)やローフードダイエットがあります。
どちらもさまざまな健康上の恩恵が期待できるのですが、1つの食事法だけを長期間続けていると、健康に支障を来す場合があることも事実です。
そこで今日は、1つの食事法に厳密にこだわらず、これら両方の利点をうまく取り入れた柔軟な食事の仕方について、お話しさせていただきます。
マクロビでは食品を陰性(体を冷やす)、陽性(体を温める)、そしてその中間である中庸に分けています。
極端に陰性、陽性の食品を避け、中庸のカテゴリの食品を積極的に採ることで体のバランスを取ろうとします。
一方、ローフードダイエットでは、文字通り生の食品、つまり48℃を超えて加熱していない食品のみを摂取します。
その理由は、生の食品に含まれている生きた酵素をふんだんに取り入れることで消化や代謝を助け、健康を目指すことにあります。
ただし、これらの食事法に欠点がないわけではありません。
マクロビでは陰性が強く、体を冷やすと考えられているサラダや熱帯の果物は避ける傾向にあるため、生の食品に含まれる酵素の摂取が不足しがちになります。
マクロビの主菜である玄米は白米と比較して非常に栄養価が高いのですが、よく噛まないと消化が悪いという欠点もあるため、消化機能が弱っている人には負担がかかります。
また、玄米にはがんやその他の病気の予防に効果があるフィチン酸という物質が含まれているのですが、フィチン酸はミネラルの吸収を阻害するという働きもあります。
このフィチン酸は食品を水に何時間か浸すことで影響力がなくなるため、十分な時間浸さずに炊いた玄米を長年にわたって毎日食べていると、ミネラル不足に陥ることもあります。
さて、気温が高くなる春から秋にかけてはローフードをたくさん食べて体温を下げるというのは理にかなっていますが、冬の寒い時期に体を冷やす食品を多く採りすぎるのは、健康にいいとは言えません。
冷えは女性の大敵というのは誰もがご存じのことです。
私は寒冷地に住んでいるのですが、年間を通じてローフードダイエットを実践していた頃、冬にグリーンスムージーを飲んで体が冷え切り、手や爪が紫色になってしまったこともあるのです。
冷静に考えてみると、本来夏に収穫される野菜や果物を冬にたくさん食べることは、自然の摂理に完全に反しています。
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