食事に手を添える手皿(お手ぼん)はマナー違反。間違えやすい和食のテーブルエチケット

執筆者: 笹生暁美 職業:フードデザイニスト

 

 

 

はじめに

こんにちは、フードデザイニストの笹生暁美です。

 

意外と見られている食事のマナー。
年末年始には人とお食事をする機会も増えます。


お友達、会社の同僚、上司、色々な方とご一緒する機会の多い時期。
そんな時、ちょっと知っておくと「美しく見える」基本のポイントをご紹介します。 

 

 

 

音を立てて食べない

これは当たり前すぎるポイントですが、本人は無意識にやっているので気が付かないことも多いです。
よく見かけるテレビのグルメリポーターの「口に食べ物が入っている状態で話す」のは絶対に避けましょう。
これではクチャクチャと音がしてしまいます。

なんて素敵な人!と思っても、ピチャピチャ、ズズーと音を立てて食べる姿を見たら、百年の恋もいっぺんに冷めてしまいますよね。 

 

お手ぼんは上品ではない

お箸で食べ物を取り、口に運ぶ際に左手をお皿のように添える。
お箸から落とさないように、また洋服を汚さないようになどの意味があるのでしょう。
この仕草を「手皿」「お手ぼん」といい、これもグルメ番組でよく見る仕草です。

上品な仕草として、当たり前のように多くの人が真似をしています。
レストランでもよく見かけます。
ところがこの仕草、上品なマナーではないのです。

 

聞くところによると、昭和の時代にテレビである女優さんが始めたとのこと。
それからお手ぼんが広がっていったそうです。
絶対にタブーというマナーではありませんが、決して上品な仕草ではないと注意して下さい。

 

和食はお皿を持って良い

それではどうしたら良いのでしょうか?
和食をいただく場合は、単にお皿を持てば良いのです。

食器の扱い方は、それぞれの国によって違います。
和食と西洋料理の大きな違いは、和食は食器を手に持っても良い、西洋料理は持つことはタブー。

使われている器を見ても分かりますが、和食の器は軽くて持ちやすいように出来ていますが、西洋料理のお皿は重くて持てません。
和食器は手に持って使う器です。お茶碗、汁物は手に持ちますね。
それから天ぷらのつゆ入れ、またお刺身の醤油皿も持って良いのです。

 

 

ただし例外もあって、お刺身や天ぷらなど盛り合わせなど、大きな平皿で出てくるもの。
一人用のお皿は持ち上げて良いですが、重くて大きい物は持ち上げないと区別して下さい。

 

 

おわりに

マナーなんて堅苦しいこと、美味しく食べられたら良いではないかという意見もあります。
多様化する現代社会の忙しい現代人は、簡単で楽チン・お手軽を求めていますから、マナーをいちいち気にしていられないのです。

けれども、マナーはお互いに気持ち良く、よい時間を過ごすための道具。
言い換えれば、思いやりの現れとも言えるのではないでしょうか。
誰もがピチャピチャ音のする隣でお食事はしたくありませんからね。

気にしていられない人が多いからこそ、気にしているあなたは美しく見えます。
「背筋を伸ばして」「食べ物に顔を近づけるのではなく、食べ物を口運ぶ。」これだけ意識すれば、綺麗に見えること間違いなしです。

 
 コラムニスト情報
笹生暁美
性別:女性  |   職業:フードデザイニスト

主な取得資格
スイーツ:コルドン・ブルー ロンドン校にてサティフィケート取得
マクロビオティック:リマ・クッキングスクール師範科卒業
ローフード:アメリカ・LLCAIにて公認インストラクター取得