切り花を長持ちさせる方法とは?お花を長く楽しむコツ
お花を長持ちさせるための事前準備からおすすめの花の種類、生き返らせ方まですべてを解説します。
「できるだけお花を長く楽しみたい」
「花束をきれいな状態でずっと飾りたい」
そう思う方も多いと思いますが、通常、切り花の寿命は春秋で1週間~10日、夏なら4~5日、冬なら10日~2週間と言われています。
もしかしたら「そんなに持ったことがない・・」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、お花を長く楽しむために知っておくべき事前準備のコツから、身近なアイテムを使ってお花を長持ちさせる方法まで、詳しくご紹介していきます。
ぜひ参考にして、切り花を長持ちさせましょう。
切り花を長持ちさせるためには、事前準備が重要です。
そもそも植物が弱ってしまう原因は、葉や花から水分が蒸発し、水が植物全体に行きわたっていない状態、つまり「水不足」が原因になります。
ですので、清潔な水を花全体に行きわたらせるために事前準備をしっかりとしましょう。
具体的な準備手順は、次の通りです。
- 水を清潔に保つ
- 綺麗な花ハサミを準備する
- 水を吸い上げやすいように茎を切る
- 花瓶の水の量をお花に合わせる
- お花を置く位置に注意する
ひとつずつ、詳しく解説していきますね。
まず、清潔な水を保つ準備から始めます。
そもそも花瓶が汚れていたら、細菌が繁殖してしまいます。
まずは中性洗剤などを使い、花瓶の汚れやぬめりを取り除いておきましょう。
茎を切るときに、普通のハサミを使うと水を吸い上げる管をつぶしてしまう可能性があるので、花専用の切れ味がよいハサミを準備しましょう。
また、茎を切るときに雑菌が入るのを防ぐために、ハサミも中性洗剤で洗ってから使うとよいです。
花や植物は、根から水分を吸い上げますが、切り花は根がない状態ですので、切り口から上部に向かって吸い上げます。
ですので、水を吸いやすいように茎を切ってあげる必要があります。
茎を切るときのポイントは2つ。
1つ目に、水中で切ることです。
水中で茎を切ると切り口からの空気の侵入を防ぎ、導管の水の移動をスムーズにできます。
2つ目に、斜めに切ることです。
斜めに切ることで切り口の断面積が広がり、導管を潰さないよう未然に防ぐことができます。
まずお花を手にしたら、水中で斜めに茎を切るようにしましょう。
花瓶の水の量は、切り花を長持ちさせる上で十分なポイントです。
適した水量は花の種類によって異なります。
水の吸い上げがいい植物、茎が腐りやすい植物は、花瓶に数cm程度の浅い水に生けましょう。
チューリップやヒヤシンスのような球根植物が代表例です。
逆に紫陽花やバラなどの切り花は吸い上げが悪いので、花瓶にたっぷりの水を入れて生けましょう。
どちらにも当てはまらない場合は、花瓶の長さ1/3程度の水を入れて生けるのがベストです。
お花はデリケートですので、過酷な環境に置くだけでも寿命を縮めてしまいます。
長持ちさせるためには、乾燥せず直射日光があたらない場所に飾りましょう。
また、エアコンの風が当たらない位置に置くのもポイントです。
切り花を長持ちさせるために、一番気を付けるべきポイントは、水と茎の先の雑菌繁殖を防ぐことになります。
ここでは雑菌繁殖を防ぐための6つのアイデアをお伝えしますね。
水中に浸かっている茎は時間が経つにつれ、傷んでしまいます。
最初は3~5cmほど茎を切って、そのあとは毎日1~2cmほど切り、常に茎が綺麗な状態を保ってあげましょう。
切り花を生けていると、雑菌繁殖により、茎にぬめりが出たり水が濁ってきてしまいます。
少なくとも1日に1回は水を入れ替えてぬめりも取るようにしましょう。
10円玉は銅でできているため、水に10円玉を入れていると微量の銅イオンが水中に溶け出します。
銅イオンには殺菌効果があるので、花瓶に10円玉を入れることで綺麗な水をキープできます。
ハイターといえばタオルの漂白やキッチンなどの除菌に使われていますよね。
そんな漂白剤も花瓶の水に混ぜることで、雑菌繁殖を防ぐことができます。
ただハイターはとても強力なので、水に入れるときはほんの少量(300mlに対して1滴)で十分です。
植物は糖をエネルギーにして成長したり、開花したりします。
水に砂糖を溶かしておくと、溶けた糖分が切り花の栄養になるので、花が枯れてしまうのを防いだり、葉や花をよりカラフルでつやつやさせたり、最後の蕾まで咲かせることができたりします。
お花屋さんで切り花を買うと、おまけのように小袋の薬品をつけてくれることがありますよね。
これは切り花を長持ちさせるもので、主に栄養(糖分)と抗菌剤から成っています。
とはいっても、延命剤を使っていても水替えはした方がよいので、小まめに水替えをして、新しい水にも延命剤を入れるようにしましょう。
さて、お花を長持ちさせる方法をお伝えしてきましたが、そもそもお花は持ったとして10日と言われています。
ただ、お花の中でも水持ちがいいものや1日で枯れてしまう花まで様々な品種があります。
そこで切り花の延命などの外的要因なしで、お花そのもののもちがよいものをご紹介します。
「お花代を節約するために長く持たせたい」
「お花屋さんが遠いから長く持たせたい」
などいつもよりもさらに長期間、お花を楽しみたいという方はぜひ参考してみてくださいね。
お花屋さんにいつでもある定番の花で長持ちする花といえば、カーネーション。
ゆっくりと咲き、咲いてからもよく日持ちします。
さらに小輪が枝分かれになって咲くスプレーカーネーションは、順番に咲いてくるのでより長持ちすると言われています。
白い小さい花が人気のカスミソウ。
カスミソウは茎がしっかりしていて長持ちするお花です。
他のお花と合わせて飾るにも相性がいいお花なので、迷ったときにもおすすめのお花です。
花屋さんの定番のお花といえばバラですが、より長持ちするのが枝分かれしてお花がついているスプレーバラです。
スプレーバラは、1本の茎に対して1つのお花が咲くタイプに比べて長持ちします。
バラは比較的長持ちするお花ではありますが、スプレータイプだとさらに長く楽しめます。
種類によっては部屋中によい香りが広がるユリ。
長持ちもしやすく夏の熱い時期でも最後の蕾が咲き終わるまで2週間ほどといわれています。
かなりメジャーなお花でどのお店にも見つかるので、長く楽しみたいときはユリを選んでみてください。
まるで小さなラッパのような、ユニークな形のヒヤシンス。
香りもとっても良いので、一輪飾ると部屋がほんのり春の香りになります。
長く楽しむためには蕾が残ったままのヒヤシンスを買うのがおすすめです。
また、ポイントとしてヒヤシンスの球根には栄養分が残っているので、ヒヤシンスを買ったら球根は切らずにそのまま花瓶に飾りましょう。
長く持たせるためにおすすめのお花をお伝えしてきましたが、お花そのものの質も大切になってきます。
生産の過程で栄養をしっかり吸収して、鮮度管理がされていると買ってからも美しく長持ちします。
確認すべきは、茎の長さや太さ、葉の鮮度や花の色つやです。
茎の長さや太さがちゃんとあるものだと栄養をしっかり吸収できることがわかります。
また、野菜を選ぶときと同じように葉や花が元気そうなものを選ぶとよいでしょう。
「花がしおれてしまった・・・」
「もう捨てるしかないかもしれない」
そう思ったとしても、最後に3つ試せることがあります。
1つ目は「深水法」といわれるものです。
水をたっぷり入れた深い容器の中に、切り花をまっすぐに立てて水圧で水を吸いやすくしてあげます。
そのあと、湿った紙で全体を巻き、光や風が当たらない場所に置いてみてください。
深水法では水をお花全体に行きわたらせることができるので、水が足りずにしおれているお花は生き返らせることができます。
2つ目にできることは「湯あげ」という方法です。
まずは水切りをして、花瓶の中で水に浸かってしまう部分の枝を取り除きます。
茎の切り口を80度以上の熱湯につけて、茎に入っている気泡を押し出すのが、湯あげです。
湯あげのときは、花や葉を湯気から保護するために新聞紙で覆って、花をつぶさない程度にきつく巻きましょう。
また熱湯に浸すのは、ほんの2~3cmほどの部分で、茎の断面から空気がぶくぶく出てきたら、すぐに水に入れて花を冷やして水あげします。
覆っている新聞紙は巻き付けたままにして、葉が濡れない程度の水量に浸します。
約2時間経てば完了。新聞紙を外して花瓶に飾れば生き返らせることができます。
咲いているけど弱っているというお花の場合は、最後に試せることが1つあります。
「浮き花」です。
花首部分だけを切って水を入れた小皿にいれると、水を上げやすくなるので長く楽しむことができます。
花が折れてしまったときにも使えるテクニックです。
お花のある生活は素敵だけど、捨てるときは心苦しいですよね。
一体どのタイミングで捨てればいいのか、また捨てるときに罪悪感を減らす方法など、解説していきます。
お花が萎えていたり、茶色く腐っていたら、飾っていても見栄えがあまりよくないですよね。
基本的に捨てる時期に正解はありませんが、枯れてしまえば捨てても問題ないでしょう。
風水的には枯れた花を飾るのは運気が下がるといわれています。
ですので、風水を気にする方は枯れる前のタイミングで捨ててしまってもいいでしょう。
できるだけ長く飾りたいという方は、キッチンなど自分しか見ない場所に移動してギリギリまで楽しむのもアリだと思います。
いくら水を綺麗に保っても、深水法などでお花を生き返らせることができても、必ずいつかお花とお別れする日を迎えるのは避けられません。
そんな時にオススメの方法がラッピングをしてから捨てるという方法。
ラッピングというと大袈裟ですが、包装紙や紙袋などの真ん中に花を置いて、くるくるとお花を包んで綺麗な状態で感謝と共にお別れすることで、気持ちよく次のお花を迎え入れることができます。
お花を捨てる時に罪悪感を感じてしまうというかたは、感謝と共にお別れするという方法をぜひ試してみてくださいね。
今回の記事では切り花を長く楽しむための事前準備から、長持ちさせる6つのアイデア、長持ちする品種、そして捨てるタイミングまでお伝えしてきました。
お花は一般的に春秋なら1週間~10日、夏なら4~5日、冬なら10日~2週間ほど持つといわれますが、選ぶお花やお手入れによってはもっと長く持たせることも可能になります。
何よりも大切なことは清潔な水をお花全体に行きわたらせることになりますので、毎日茎を切って、清潔な水が行きわたるように雑菌繁殖を防ぐアイデアを実践してみてください。
きっと今まで以上に長いお花ライフを楽しめるはずです。
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