夏バテ予防やむくみ解消に!沖縄の島野菜の特徴・効能・おすすめ薬膳レシピ【ウリ科の野菜編】
沖縄の台所には欠かせない「ウリ科」の島野菜の特徴・効能、栄養を効率よく摂る調理のポイント、おすすめのレシピを紹介。今回取り上げるのは、ゴーヤー、冬瓜、ヘチマ[ナーベーラー]、赤ウリ[モウイ]の4種類の野菜です。
沖縄在住の料理研究家、新崎亜子です。
日本で一番早く梅雨入りする沖縄では、GW明けから5月中旬の間に、もう梅雨入りするのが普通です。
悪天候が続くと、島野菜が手に入りにくくなるもの。
ウリ科のお野菜類は、そんな時期でも県内では比較的手に入りやすく、重宝されています。
今回は、前回の沖縄の島野菜【葉野菜編】に続き、沖縄の台所には欠かせない【ウリ科】の島野菜の特徴・効能・おすすめの食べ方をご紹介します。
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沖縄の恵み!島野菜の特徴・効能・おすすめの食べ方【葉野菜編】
ゴーヤー(和名:にがうり)、収穫時期 4月~7月
ゴーヤーは、沖縄県外でも手に入りやすい島野菜ですね。
「にがうり」という和名がついているとおり、苦みが特徴のお野菜ですが、最近は苦みの少ない品種の「アバシー」も人気だとか。
ゴーヤーの苦みである成分「モモルデシン」は、細胞の老化(酸化)を防いでくれるサポニン類の一種です。
肝機能を高め胃腸を刺激し、夏の暑さで減退する食欲を増進する効果もあります。
腸内環境を整え、血中のコレステロール値や血糖値を下げる作用もある素晴らしい夏野菜です。
ゴーヤーは、ビタミンCが豊富です。
ゴーヤーのビタミンCは加熱しても壊れにくい性質をもっていますが、長時間の加熱はしないようにしましょう。
天ぷらや唐揚げなどにする場合は、タネを取って、ワタも一緒に揚げてみてください。
ワタには、ビタミンCが皮の3倍以上もあるんです!
捨てるのは、もったいないですね。
おすすめの食べ方
炒め物・酢の物・天ぷら
冬瓜(和名:冬瓜)、収穫時期 5月~9月
冬瓜(とうがん)の収穫期は、5月から9月。
「冬」と名前についていますが、夏野菜です。
名前の由来は、秋頃収穫しても冬まで保存が可能であるためという説が有力です。
果肉は白く種が多く、固いしっかりとした皮に包まれています。
大きさは、1kgほどのものから10kgを超えるものまで、さまざまです。
冬瓜は、96%が水分です。
ビタミンやカリュウムが豊富で利尿作用があり、むくみ解消効果が期待されます。
むくみやすい梅雨時期には、もってこいの野菜ですね。
また、高血圧予防効果、美肌効果、肥満と動脈硬化を予防する働きもあります。
加熱しすぎると溶けて水分になってしまうので、気をつけましょう。
冬瓜も、種や皮まで食べることが可能です。
皮は、キンピラにすると美味しく食べることができますよ。
あんかけ風煮・スープ・皮ごと炒め物に
冬瓜は、傷がないものを選べば、常温で冬まで保存ができる嬉しい夏野菜です。
冬瓜を皮ごと使ったレシピをご紹介します。
【材料】
- 冬瓜 500g
- 茄子 1本
- 金針菜 10g(熱湯で30秒ゆでておく)
- ゴマ油 小さじ2
- 塩コショウ 適量
- オイスターソース 大さじ1
- ラー油 適量
- 水溶き片栗粉 片栗粉小さじ2+水大さじ2
【作り方】
- 茄子は縦半分に切ったのち斜め薄切りに、冬瓜は皮つきのまま8mm角の細切りにする。
- フライパンにゴマ油を熱し、1の冬瓜・茄子を炒める。
- 塩コショウ、オイスターソース、お好みでラー油を加える。
- あらかじめゆでておいた金針菜を加えて混ぜる。
- 水溶き片栗粉でとろみをつけたら出来上がり。
東南アジアの原産で、台湾を経由して沖縄に伝わったと言われています。
95%が水分で低カロリー。
ビタミンKやミネラルのカリウムが豊富で、生活習慣病の予防、血行促進効果、夏バテ防止、咳を鎮め、痰を抑える効果があると言われます。
表面は緑色が濃くずっしりとしていて、スカスカ感のない物を選びましょう。
ヘチマは低温に弱いので、冷蔵庫の中で一番温度が高い野菜室に、新聞紙に包んで保存しましょう。
天ぷら・フリッター・味噌炒め
【材料】
- ヘチマ 2本
- ジュレ (水150cc・ポン酢大さじ2・アガー6g)
- きゅうり 1/2本
- おろし生姜 ひとかけ分
- クコの実 大さじ2(水で戻しておく)
【作り方】
- 水150cc、ポン酢大さじ2を鍋に入れてアガーを入れよく混ぜ、火にかけてゆっくりと混ぜながら沸騰させる。
- 沸騰したら火を弱めて、さらに1分間加熱する。
- 粗熱を取りバットに入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
- 固まった3のジュレをフォークで崩し、5mm角に切ったきゅうりとおろし生姜、クコの実を混ぜ合わせて冷蔵庫へ戻す。
- ヘチマは、皮をむいて5mmに切る。
- ヘチマをゆでるためのお湯を沸かす。
- お湯が沸騰したら、塩をひとつまみを加えたのちヘチマを入れ、30秒程度ゆでて冷水にとる。
- ざるにあけて水分をしっかりふいたら皿に盛る。
- 4のジュレをのせたら出来上がり。
出典:JAおきなわ
雨風に強いモウイは、沖縄では台風の時期に栽培され、収穫は7~8月が最も多くなります。
悪天候続きで野菜少なくなる時期には、大助かりのお野菜のひとつです。
果皮の表面は茶色で、表面に細かいひび割れが模様のようにできていて、切ってみると大きなきゅうりのようです。
モウイは、90%が水分です。
カリュウム不足になると夏バテしやすくなりますが、このモウイにはカリウムが豊富に含まれています。
高血圧予防、夏バテ予防に効果的なお野菜です。
ずっしりと重みがあり、表面に張りがあり、綺麗な円筒形のものを選びましょう。
おすすめの食べ方
漬物・煮物・サラダ
【材料】
- モウイ(赤ウリ)300g
- 豚軟骨ソーキ 500g(豚バラでもOK)
- ゴーヤー30g(1cm程度の輪切りにして、グリルしておく)
- おろし生姜 ひとかけ分
- ニンニク 2かけ
- なつめ 4つ
- シナモン 小さじ1/2
- クミン 小さじ1/2
- オリーブオイル大さじ1
- カレールー 4皿分
- 水 適量
- ターメリックライス4人分(米1合に対し、ターメリック小さじ2を入れて炊く)
【作り方】
- フライパンに少量のオリーブオイルを熱し、豚軟骨ソーキを両面軽く焼く。
- 圧力鍋に1のソーキとかぶる程度の水を加え、15分加熱したら自然放置しておく。
- モウイは、皮をむいて食べやすく切る。
- 鍋にオリーブオイルを熱して、おろし生姜、つぶしたニンニク、モウイを炒める。
- なつめと水かぶる程度の水を加えて沸騰したら、ざるにあけて水気を切った豚軟骨ソーキを加える。
- シナモン、クミン、カレールーを加えて、さらに弱火で煮込む。
- ターメリックライスにグリルしたゴーヤーをのせて、6のカレーを添えたら出来上がり。
上の写真のように、お好みで水切りヨーグルト(普通のヨーグルトでも可)を添えるのもおススメです。
ウリ科の野菜のパワーってすごいですね!
暑さの厳しい地域では、本当にありがたい食材です。
もし、スーパーや八百屋さんでみつけたら、おすすめレシピをぜひ試してみてください。
夏バテ予防にお役立ていただけたら嬉しく思います。
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