「正しい姿勢」をキープすると疲れるのはなぜ?ヨガ講師が教える”頑張らない良い姿勢”
背筋を伸ばす、胸を張る…疲れるのでずっと続けられない人は、こんな原因があるのかも。いい姿勢をすると疲れてしまう人の改善ポイントを紹介。
こんにちは。美姿勢インストラクターの美宅玲子です。
「いい姿勢をした方がいいのは分かっているけれど、いい姿勢は疲れるし長続きしない」というのが、多くの方のイメージではないでしょうか。
そもそも、「いい姿勢」とは、なぜ「いい姿勢」なのでしょうか?
「いい姿勢」なのに、疲れるのは何故なのでしょうか?
今回は、その理由についてお伝えします。
背筋が伸びた、いわゆる「いい姿勢」は、単に見た目がきれいというだけではありません。
- 背骨が伸びていることによって、内臓があるべき位置に収まり、胃腸の働きが正常で健康的になります。
- 脊髄の通り道がスムーズになるため、体が動き易くなります。
- 筋肉がバランス良く使われるので、凝りや痛みも出にくいです。
このように、人間としての基本的な機能を発揮しやすい姿勢が「いい姿勢」です。
本来の「いい姿勢」は、理科室のがい骨の模型のように、ストンと脱力したような、無理のないまっすぐな姿勢です。
ところが、過剰に胸を張ったり腰を反ったりした「頑張っている」姿勢のことを「いい姿勢」と誤解して、筋肉に過剰な力を入れた姿勢を取る方も少なからずいます。
それでは確かに疲れてしまうし、かえって肩甲骨や腰の周りが凝ったり痛くなったりするでしょう。
「いい姿勢」イコール「頑張る、胸を張る」という誤解をしていなかったとしても、背骨を伸ばしておこうとするだ
けで疲れるのはなぜでしょうか。
それは、普段の姿勢のまま筋肉が硬くなっているからです。
それが例え体にとっては負担の大きい凝る姿勢であったとしても、慣れ親しんだ"楽な"姿勢を維持しようとする性質が、私達にはあります。
偏った同じ姿勢をキープしていると、一部の同じ筋肉がずっと偏って使われて凝り、一部の同じ筋肉がずっと引っ張られて張ってしまい、いずれにしても硬くなります。
その状態で、正しい姿勢を取ろうとすると、硬いものを無理やり動かすことになるので、つらく疲れるのです。
また、腹筋を中心として、姿勢をまっすぐ維持するための基本的な筋力が衰えても、正しい姿勢を取ることはできません。
背もたれのある椅子に沈みこむように座っていたり、脚を組んでいたり、片足に体重をかけていたりすると、腹筋はゆるみ、弱くなっていきます。
腰の座っていない赤ちゃんを座らせようとしても、ふにゃふにゃして座れないようなもので、筋力が落ちているといい姿勢を維持するのが難しいのです。
総合すると、普段の間違った姿勢の習慣によって凝ったり張ったりしている筋肉をほぐし、ゆるんでいる筋肉を正しく鍛えればいいことになります。
硬い部分は、リラックスしてテニスボールなどをゴロゴロ当てる、ストレッチをする。
ゆるんでいる部分は、筋肉を引き締める意識で姿勢を取ります。
姿勢が悪くなるのが習慣なら、良くするのも習慣なので、根気強く日々意識を続けるうちに、自然と身につきます。
なぜ、いい姿勢をしようとすると疲れるのか、実感できましたでしょうか。
まずは凝ったり張ったりした筋肉というブレーキを解除(ほぐし)してから、いい姿勢を維持する筋肉(アクセル)を鍛える順番があります。
無理せず、慌てず、少しずつ取り組めたらいいですね。
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ヨガ・ピラティス・美姿勢インストラクター。
東京学芸大学教育学部卒。中学から大学まで陸上競技(100mH、走幅跳)に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生であろう」という無理を重ね、うつ状態のため2年半後病休を取る。
2004年に趣味で通っていたスポーツクラブに転職し、ヨガ・ピラティスと興味ある分野を活かせる仕事のおかげで心の病と腰痛を克服する。ストレスの多い日常でも心身の調子を整えられる素晴らしさを伝えるため、2008年に独立しフリーインストラクターとなる。
現在、首都圏のスポーツクラブ、自治体、公共施設でのサークルや個人のレッスンを受け持つ一方、外ヨガイベント、健康コラボイベントの企画実施、雑誌監修、コラム連載、DVD発売も行う。日々更新するHP、ブログ、YouTubeのエクササイズ動画も好評である。
HP「インストラクター美宅玲子 Re pure BODY」 http://mitakureiko.com
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