相模原事件で「日本の障がい者偏見」が浮き彫りに…対する北欧諸国の考え方とは? (1/2)

障がい者福祉を支える理念「ノーマライゼーション」?障害のある人と共存する「心のバリアフリー」で、相模原障害者施設殺傷事件のような事件の再発防止を考えていきます。

執筆者: 中根 千恵 職業:眼科検査技師/サービス介助士/食育インストラクター/メイクセラピスト/Webライター、コラムニスト
障がい者と共に生きる。「ノーマライゼーション」という価値観について

こんにちは、サービス介助士の中根千恵です。


みなさんは、「ノーマライゼーション」という言葉を聞いたことがありますか?

今回は、この言葉と意味をお伝えしたいと思います。

ノーマライゼーションとは?

『障がい者を障害と共に受容し、障がい者と共に生きる』
このような考え方のもとで、障がい者の生活条件をノーマルなものにする。

また、ノーマルな生活条件を提供する環境を作っていく。


これがノーマライゼーションの価値観です。

 

始まりは1959年のデンマーク

次にご紹介するのは、第二次世界大戦時、ナチスの強制収容所に入れられた経験を持つバンク・ミケルセンが生み出した言葉です。

 

「精神遅滞者をその障害と共に(障害があっても)受容することであり、彼らにノーマルな生活条件を提供することである」/Bank-Mikkelsen(バンク・ミケルセン)


これが「ノーマライゼーション」と呼ばれるようになり、この価値観を基にデンマークは「1959年法」という法律を定めました。

これらのことから、彼は「ノーマライゼーションの父」と言われています。

 

「ノーマライゼーションの原理を適応することは、精神遅延者をノーマルにする事ではない。

彼らは障害とたたかってはいるが基本的には、あなたや私と同じようにノーマルであり、人間はまず人間であり、障害は二次的なものである」


この価値観は、世界中で「素晴らしい概念」として拡がっていきました。

 

 

障がい者についてどのようなイメージを持っていますか?

周りに、そのような方が居ないと身近な問題として感じないかもしれません。
ですが、他人事ではないのです。

超高齢者社会に向けて

誰でも年齢を重ねます。

そうすると、今まで自分で出来ていたことが出来なくなっていきます。

 

例えば、歩くのも遅くなり、食事や風呂も1人では出来なくなる日がくるかもしれません。
また、認知症など発症する場合もあります。


そうなった時、生きる為には誰かの助けが必要となるでしょう。
そうなったあなたと障がい者の方、何が違いますか?
誰かの助けが必要となる、それは同じことなのです。

 

差別と区別の違い

障がい者は確かに、1人では出来ないことがあります。
だからこそ、補い助け合うホスピタリティ・メンタル精神が周りの人には必要となります。


共存共栄はお互いさまです。
あなたが誰かを助けることもあるでしょう。
しかし、あなたも知らぬ所で誰かに助けられて生きているのです。

 

それが理解できないと「差別」や「偏見」が生じます。

 

障害の概念

障害についての世界標準の基準といえるのは、WHO(世界保健機関)により採択された、「国際生活機能分類(IFC)」です。

その一部を簡単に解説すると、以下のようになります。

 

人間の生活機能分類3つ
  1. 心身機能・身体構造
  2. 活動
  3. 参加


それぞれに何らかの問題が生じた状態を下記のように呼び、障害と位置付けています。

 

  • 機能障害
  • 活動制限
  • 参加制約


これらを見ても分かる通り、齢を重ねた方々にも当てはまる事があるのです。
また不慮の事故や病気等、誰にでも起こり得る事でもあります。

 
 コラムニスト情報
中根 千恵
性別:女性  |   現在地:東京都  |   職業:眼科検査技師/サービス介助士/食育インストラクター/メイクセラピスト/Webライター、コラムニスト

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【資格】
・眼科検査技師
・サービス介助士
・食育インストラクター
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