検証!東京電力から「ENEOSでんき」に変更して、電気代料金は安くなったか?

電力自由化が開始されたタイミングで、実際に東京電力から新電力に乗り換えた筆者によるレポートをお届け。気になる電気代は下がったの?メリットはあった?後悔してない?実例を挙げて、新電力会社に切り替えた結果を紹介します。

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
実例!電力会社を新電力に変更してみてどうだった?

節約アドバイザーのヨースケ城山です。

2016年4月から新電力がスタートして、私の家庭でも東京電力からENEOS電気に切り替えました。

 

いったい電気代はどのように変わったのでしょうか?

実例としてご紹介いたします。

 

 

電気代は本当に下がったの?

4月15日スタートとなり、5月度からの新電力の請求となりました。

結果は、次のようになりました。

 

5月度の料金は、早割キャンペーン割引で2,000円引きされています。



使用量が異なるので、厳密に比較はできませんが、昨年度と今年度で使用量はほぼ変わらないのに、コンスタントに1,000円程度はコストダウンが行われています。

新電力にして、何が変わったの?
「燃料費調整額」が下がった?!

新電力にしたからといっても、基本料金は全く変わりません。

また「1段料金」・「2段料金」も旧電力と比較してもあまり変わりがありません。

 

ですが、毎月の「燃料費調整額」がものすごく下がっています。

 

燃料費調整額とは?

この燃料費調整額とは、火力発電用の燃料価格変動を電気料金に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整する制度です。

 

燃料費調整額は、各月の燃料費調整単価に使用電力量を乗じて算定します。

基準とする燃料価格と比較して燃料価格が上昇した場合は燃料費調整単価がプラスとなり、燃料価格が低下した場合は燃料費調整単価がマイナスとなります。

「ENEOSでんき」では今までの電気料金と比較していただきやすいよう、お客さまが2016年3月までご契約されていた電力会社と同じ燃料費調整制度を採用いたします。

 

出典:「ENEOSでんき」HP 燃料費調整額について http://www.noe.jx-group.co.jp/denki/charge/fuelcost.html

 

5月度から料金が安くなったのは、「新電力に切り替えたから」ではなかった!

つまり、これから分かることを簡単に言うと、新電力に切り替えた5月度から燃料価格が下がったので、結果、電気料金が下がっているように見えているだけ、と言うことです。

 

実際は、他社でもこの燃料価格は下がっているので、「新電力にしたから料金が劇的に安くなった」という事ではなさそうです。

新電力に変更して良かったの?悪かったの?

上で申し上げた通り、結果として電気料金が下がってはいるのですが、それは燃料価格が下がっている為の値下げ分です。

これは、どの新電力会社でも変わりはありません。

 

結論「新電力に変更しても、何も変わらなかった」

つまり「新電力に変更しても、何も変わらなかった」というのが結論です。

もちろん来年2017年4月からのガス自由化もありますから、これも含めて見ないと、新電力に変更して良かったのかというのは、今のところ判断がつかないところです。

 

これは、良かった!

一つ良かったところを挙げるとすれば、スマートメーター(通信機能が付いた電力量計)に変更されて、「今、電気をどれ位使用しているのか」「1日どれ位の電力が使われているのか」ということがリアルタイムでわかるという点です。

これを励みにこまめに節電すれば、もっと効果が表れてくるのかもしれません。

 

 

おわりに

新電力各社の料金体系を調べてみても、今までの東京電力とほとんど変わりはありません。

よって、「新電力にしたから節約になる」という過剰な期待は、しない方が良いと思います。

 

ですが、東京電力は原発の問題で、これから国の税金が大量投入されて、立て直しが図られます。

すると、東京電力管内の料金は値上がりすることが予想されます。

 

その時に新電力各社が営業努力をして、東京電力との差別化を打ち出せるかどうかがポイントだと思われます。

 
 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』http://ameblo.jp/yousukeshiroyama
では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

【著書】
2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
2015年 給料そのままで「月5万円」節約作戦がkindle化されました。
2015年 「kindle無料キャンペーン」でベストセラーランキング1位を獲得して販売につなげる方法 発売。
2016年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂版発売
2016年 「子供の教育費は削りなさい!」奨学金利用者50%以上時代の新教育費計画発売
2017年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂2版発売
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