胃ろうの管理ケアQ&A!お風呂は?つまり解消法は?栄養剤注入の姿勢は?
胃ろう(PEG)造設後、在宅介護でどのように管理していけばよいのでしょうか。お風呂は?消毒は?Q&A形式で具体的に解説します。
胃ろう造設後、在宅介護でどのように管理していけばよいのでしょうか。
よくある具体例を挙げてご説明していきたいと思います。
胃ろうをしていても、入浴・シャワーはこれまでと同じように普通に行えます。
そのまま入ってもお腹の中に水や石けんバイ菌が入ることはありませんので、ビニールをかぶせたり、シールで保護したりといった処置はしなくても大丈夫です。
胃ろう周辺の皮膚を清潔に保つのに入浴やシャワーはとても良い方法です。
石けんを泡立てて、やさしく胃ろう周辺の皮膚を洗い、シャワーで流します。
石けんが残っていると皮膚が荒れることがあるので、入念に洗い流しましょう。
ドライヤーは熱でカテーテルが破損したり皮膚を傷めることがあるので使用しないでください。
胃ろう周辺の水滴が気になる場合は、乾いたタオルで水気を拭き取り、自然に乾燥させます。
座位またはベッドに寝たままの方は、30~60度にベッドを上げた姿勢で栄養剤を注入します。
なお、ベッドで膝を起こした体勢で上半身をあまり起こし過ぎると、腹圧で苦しくなってしまいます。
座位が保てるのであれば、車椅子などに移動し座った姿勢が望ましいです。
褥瘡(じょくそう)のある方、またその心配のある方は?
30度くらいを目安にします。
中途半端な角度は床ずれの原因になりますので、負担の少ない30度または90度で座った姿勢に調整しましょう。
栄養剤の注入には1~2時間と長時間かかるので、すぐに楽な姿勢になりたい気持ちになりますが、30分~1時間ほどは体を起こしておきましょう。
なぜなら、平らに寝てしまうと胃の中の栄養剤が逆流し、それによる嘔吐・誤嚥性肺炎などの心配があるからです。
栄養剤とお薬を一緒に注入すると、成分が固まってチューブが詰まってしまうことがあります。
栄養剤が終わってからお薬を入れましょう。
水で薄めた酢水(酢:水=1:10)を作り、5mlほど注入してチューブ内に酢水を満たしておきます。
酢は原液でなく、必ず薄めて使うこと。
シリンジを押したり引いたりしてもピクリとも動かないときは、無茶をせず医療機関へ連絡しましょう。
渾身の力を込めて押すといった行為は厳禁です。
あまり強くすると中のバルーンが傷ついてしまいます。
日本では2000年以降急速に広まった胃ろう。
その常識も時代とともに変化していることがあります。
例えば、以前は胃の向きを考え身体の右側を下にするようにと多くの方が指導を受けておられたと思いますが、胃ろうの方の状態は十人十色。
持っている病状も違えば胃の形、胃ろうの造設位置も違い、今は昔のように一律に右下のみが良しとは言われなくなってきています。
患者さんにとってどのようなケアが望ましいのか、本コラムが少しでもお役に立てましたら幸いです。
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