部下に過干渉してくる「マイクロマネジメント上司」の心理と付き合い方
部下の仕事に細かく干渉する、うざい「マイクロマネジメント上司」。いちいち口出しをする、暴言があるなど、指導方法に問題がある上司との付き合い方や対処法とは。
こんにちは、 えむ心理研究室の石割美奈子です。
あなたの上司は、「マイクロマネジメント」タイプ?
マイクロマネジメント上司とは、「部下の仕事に過度に干渉したり、部下を自分の思い通りに動かそうとする上司」のことです。
あなたの上司は、どうかチェックしてみましょう。
次の項目に当てはまるようなら、あなたの上司はマイクロマネジメント上司である可能性大です。
- 独善的
- 批判的
- 頑固
- 口調や接し方が横柄
- 人に厳しく自分に甘い
- どんな仕事にも口を出してくる
- あなた以外の同僚もその上司の言動はおかしいと感じている
普通の人でしたら、「部下のために良い上司であろう」「部下が効率よく仕事できる上司でいよう」とするはずです。
マイクロマネジメント上司は、なぜ部下の成長を妨げるような言動をするのでしょうか。
マイクロマネジメント上司に悩まされ、カウンセリングを受けている方々の事例に接していますと、マイクロマネジメント上司の中には、自己愛性パーソナリティ障害と診断されそうな人もかなり存在するように感じます。
歪んだ自己愛が増幅して、過干渉する上司になる
マイクロマネジメント上司は、自己愛に問題があるのだと考えられます。
自己愛性パーソナリティ障害まで行かなくとも、他の人よりも自己愛が過剰だったり歪んでいたりする。
そんな人が「上司」という権力のある立場になってしまうと、「自分は偉いんだ」とさらに自己愛が増幅してマイクロマネジメント上司になってしまうと考えられます。
では、歪んだ自己愛を持つマイクロマネジメント上司には、どう対応していけば良いのでしょうか。
いじめっ子の心理を考えてみてください。
自己愛が肥大していて自分の権力を示したいのだけれど、権力に実力が伴っていないのを薄々はわかっている。
それゆえに、自分より確実に弱い立場の人しかいじめない。
それが、いじめっ子です。
マイクロマネジメント上司は、いじめっ子に似ている
マイクロマネジメント上司の心理も、いじめっ子に似た部分があります。
いじめっ子は「弱い者いじめ」しか出来ないのですから、部下のあなたが進んで「弱い者」になってはいけません。
格好の餌食になってしまいます。
上司にキツいことを言われても、しょんぼりし過ぎたり卑屈になったりしないこと。
過度にびくびくしないことが大切です。
自分が間違っていないのであれば、毅然とした態度をとり続けましょう。
社会人としての謙虚さや、部下としてわきまえた態度は必要ですが、弱い者いじめの対象に自分から成り下がるような姿勢は取らないのが懸命です。
マイクロマネジメント上司の歪んだ自己愛の裏側にあるのが、「孤独」です。
本当は、誰かに相手にしてほしいのです。
マイクロマネジメント上司は、誰でもいいから構ってほしいのに、自分が自己愛的な態度をとっているせいで誰も寄り付いてくれない。
だから、拗ねるようにして威張った態度を取っていることがあります。
威張り屋で嫌なことをしてくる上司とは、距離を取って防戦したいところではありますが、もし試したことがないなら、一度上司の本音を探ってみるのも良いかもしれません。
本音で語り合う機会を設けると、意外と弱音を漏らす上司もいます。
「わかってくれる部下がいる」と感じると、その部下には高圧的な態度が減ります。
上司からの言動に傷つき苦しんでいる部下の立場の人に共通しているのは、「上司」イメージの強さです。
「どんなに嫌な人でも上司であり、上司だということは部下の自分よりも優れている」と、無意識で思い込んでしまっていませんか?
上司だとしても、マイクロマネジメントな言動を取ってくる人です。
もし、あなた以外の複数の同僚も「あの上司の態度はおかしい」と判断しているなら、上司は自己愛が歪んだ病的なパーソナリティである可能性が非常に高いでしょう。
「上司は病気だ」と思ってみてください。
少しだけ、気が軽くなりませんか?
もちろん、病気の人を差別するわけではありません。
こちらが何か言っても真剣に取り合ってくれないような人に対応するための手段のひとつ、と思ってください。
おそらく、マイクロマネジメント上司の言動にひどく悩まされている人は、「それでも相手は上司だから」という思いが、無意識の中に非常に強くあります。
相手は上司で自分より優れている、と思い込んでいる部分があると、部下の立場の人はどんどん辛くなってしまいます。
「あんな人でも上司、自分は部下」という状況が続いていると、適切な自己評価が行われなくなるのです。
簡単に言えば、どんどん自信がなくなります。
「こんなに嫌な思いをさせる病的な人なんだ」という考えを持つことで、上司の「価値下げ」に成功します。
心理的な価値下げに成功すると、自分の価値が上がります。
部下の人の自己評価が回復するのです。
意地悪な上司にいたぶられ続けていると、知らないうちに自己評価がぐんぐん下がっています。
「自分はだめな人間だ」と思うと、仕事でもミスしやすくなります。
自己評価が適切なものであれば、仕事もこなしやすくなるでしょう。
マイクロマネジメント上司に何か言われても、「自分はダメだ」と思い込まずに、適度な自信を持ち続けることです。
他人を変えるのは難しいことのほうが多いですが、自分の考え方を変化させるのは、自分ひとりでも出来ます。
マイクロマネジメント上司の迷惑な言動をなんとかしようとするよりは、「自分はマイクロマネジメント上司にもなんとか対処していける人間だ」と思えるようにすることが大事です。
マイクロマネジメント上司の言動に惑わされず、適度な自信を持って仕事しましょう。
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えむ心理研究室室長、臨床心理士の石割美奈子と申します!よろしくお願い致します。
スポーツトレーナー、メンタルコーチ、心理相談員の経験を経てさらに心理学を深く学ぶ必要性を感じ、東京国際大学大学院臨床心理学研究科(博士課程前期)を修了。
臨床心理士の資格を得て、心理カウンセラー、メンタルコーチ、スポーツメンタルトレーナー(テニス・バレーボール等)、およびプロ家庭教師として活動しております。
2013年、心理学・教育学・スポーツ科学の統合的な研究と専門性を活かしたメンタルサポートをポリシーとする「えむ心理研究室」を立ち上げました。
【臨床心理士および「家庭教師カウンセラー」として】
心理カウンセラーとしては、精神分析を専門としており、主にカフェにてカジュアルなかカウンセリングを提供しています。
訪問心理療法、オンライン相談も承っております。
また、全国でも珍しい【臨床心理士でありプロ家庭教師でもある「家庭教師カウンセラー」】として、ご近所から遠方にお住いの方まで、幅広く学習支援と心理的な支援を同時にさせて頂いております。
得意な相談内容は以下のとおりです。
・不登校・ひきこもりの方と親御さんの支援
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【メンタルコーチとして】
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コミュニケーションに課題を感じる方を対象に、
メンタルコーチングをさせて頂いております。
勝利のために、夢を叶えるために、より良い対人関係のために。
精神分析を主軸とした自己洞察やイメージトレーニング、ロールプレイングなどを通じて一緒にがんばってまいります
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