「お葬式待ち」は火葬場不足が原因!?葬儀日程の長期化問題
お葬式を出すために数日間待つ。すぐにお葬式ができない理由は「火葬場の不足」や葬儀会場が足りないことにあります。葬儀が長期化することのデメリットとは。
最近、「お葬式を出すために、数日間、待たなければならなかった」という話をよく耳にします。
実際に、2~3日待たなければならなかった経験をした方は少なくないでしょう。
中には、なんと1週間待たされたという話もあります。
今や順番待ちは、お葬式の必然なのでしょうか。
高齢化に伴い、年間の死亡者数が増加し続けています。
それに対し、火葬場の数が充分とは言えない状況になっています。
以前より、火葬場不足が加速することが懸念されていましたが、周辺住民の反対などにより、新規に建設することが難しく、対応が遅れているのが現実です。
葬儀・告別式の時間は、火葬場の予約時間から逆算して決めることが多くなっています。
一般的な仏教のお葬式の場合、例えば次のように設定します。
- 火葬場の予約 12時
- 葬儀・告別式の予想所要時間 1時間~1時間半
- 火葬場への移動時間 30分
これから逆算すると、10時に葬儀・告別式を開始することがベストだといえるのです。
つまり、午前中に火葬の予約をするのであれば、葬儀・告別式をもっと早く始めなければいけないということになります。
また、収骨後、精進落としをするのであれば、逆にあまりにも遅い時間の火葬も、避けたいと考えるのが普通でしょう。
そのため、希望が集中する時間帯ができるのです。
逆に言えば、混んでいるように思えても、朝早い時間や夕方遅い時間の火葬場は、空いていることがあります。
年末年始の火葬場は、休業します。
つまり、その間は火葬することができません。
そのため、年明けの火葬場は混雑することが一般的です。
また、友引は休業する火葬場が多く、友引明けも比較的混雑します。
なお、最近の傾向としては、友引を休業としない火葬場が増えてきています。
火葬の順番を待っているのではなく、実は火葬場に併設する斎場(葬儀会場)を利用するために待っている方も多いのです。
葬儀会場から火葬場までの移動がなく便利であるのに加え、公営であれば安価に利用できるため、とても人気がある会場になっています。
お葬式までに時間が空いてしまうと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
ご遺体をそのままにしておくと、状態が悪くなってしまいます。
ご自宅に安置する場合は、定期的にドライアイスを補充する必要がありますし、専用の遺体安置施設に預ける場合は、日数に応じた費用がかかります。
つまり期間が延びるほど、費用がかかるのです。
遺族はお葬式を済ませることで、ひとつの区切りを迎えます。
言い方を変えると、お葬式を済ませるまでは気が休まらないものなのです。
そのため、お葬式まであまりにも時間が空いてしまうと、気が休まらず、体調を崩してしまうこともあります。
また、看取りで休暇を使ってしまい、これ以上、休んで職場に迷惑をかけたくないという方もいます。
そのため、お葬式までの間は、平常通りに出勤をする方も。
当たり前ですが、身近な方を亡くし、心身ともにとても不安定になっています。
その上で「普通の生活」をするのは、かなりの負担になるといえるでしょう。
年始などの特別な時期を除き、火葬場の予約が全くできないことはそう多くはありません。
時間を検討する、会場を妥協するなど柔軟に考えることで、「お葬式待ち」を軽減することができます。
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