手紙の書き方と基本マナー。便箋選びから書き出し~結び挨拶など (1/2)

執筆者: 矢野 誉美 職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ
「さすが!」といわせる大人の手紙マナー

こんにちは、マナープロトコール講師の矢野誉美です。

 

最近は、すべてスピーディかつ、便利が良しとされる時代。

お互いの近況報告や年賀状までもが、メールが主流になりつつありますが、ぬくもり溢れる手紙について、見直してみてはいかがでしょうか。


手紙のマナーは難しく捉えられがちですが、基本に則って書けば、とてもシンプルで簡単なことなのです。

 

 

便箋・封筒・筆記具の「格」

手紙を書く前に、少し気を付けてもらいたいことがあります。

それは、便箋・封筒・筆記具にも「格」があるということです。

 

便箋は、縦書きで、罫線のないものが正式

形式は、昔ながらのものが尊重されており、日本では古来、白無地の巻紙に、毛筆で手紙が書かれていました。

そのため、便箋は縦書きで、罫線のないものが正式なものとなります。

 

卒業式や入学式で読まれる「祝辞」や「送辞」がそのような形式になっているのもその名残です。

 

また、他にもお礼や、お詫びなどの改まった内容の手紙は、そのようなものを使いますが、親しい友人などへは横書きの便箋や、色や模様の入ったものでも問題ないでしょう。

 

鉛筆で書くのはNG!

筆記具は、毛筆→筆ペン→万年筆→水性ボールペン→フェルトペン→ボールペンの順で「格」が高く、鉛筆を使う事はタブーです。

 

インクの色は、黒が基本

インクの色は黒が基本ですが、紺色や青色でも構いません。

ただし、その他の色は、改まった儀礼的な手紙には不適切ですので、気を付けましょう。

 

 

手紙の基本構成

手紙の文面は、冒頭のあいさつである「前文」、伝えたい用件である「主文」、最後に締めくくる「末文」から構成されています。

前文

「頭語(拝啓・謹啓・前略など)」「時候のあいさつ」「安否のあいさつ」「お礼やお詫びのあいさつ」

主文

「起こし言葉(さて・ところで・実はなど)」と「本来の用件」

末文

「結びの挨拶」「結語(かしこ・敬具・早々など)」「日付」「署名」「宛名」「追って書き(追伸など)」

急ぎの時や親しい間柄の時は「前略」として前文を略しますが、目上の人宛や改まった手紙では省略しないようにします。

手紙の「頭語」と「結語」の格は、相手の格に合わせて選ぶように心がけましょう。

 

頭語と結語の例
一般的な手紙 
  • 頭語: 拝啓、拝呈、一筆申し上げます
  • 結語: 敬具、拝具、かしこ、さようなら

      

目上の人への手紙
  • 頭語: 謹啓、謹呈、謹んで申し上げます
  • 結語: 敬具、敬白、謹白、敬具、かしこ

    

至急の手紙
  • 頭語: 急啓、急呈、取り急ぎ申し上げます
  • 結語: 草々、不一、かしこ

 

前文を略す場合
  • 頭語: 前略、冠省、前文失礼いたします
  • 結語: 草々、かしこ、ごめんくださいませ

 

返信
  • 頭語: 拝復、復啓、お手紙拝見しました
  • 結語: 敬具、拝具、かしこ、お返事まで

 

手紙を出すタイミング

冠婚葬祭のように儀礼的な用件は、手紙で伝えるのが正式です。

 

現代では、電話やメールと言った便利なツールが発達しましたが、急ぎの用件でなければ、手紙は相手の手元に残り、誠意が伝わりやすいものです。

 

なお、出産や合格、昇進などの場合は、取り急ぎ電話やメールでお祝いの気持ちを伝え、後日改めて手紙を出しでも構いません。

 

 
 コラムニスト情報
矢野 誉美
性別:女性  |   職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ

外見だけでなく、内面も同時に磨けたら。
マナーとは敷居の高いものではなく、産まれてから今日に至るまで日々、家庭の中で育まれてきたものです。

『人』とのコミュニケーションの基礎になるマナーの本質をしっかりと身に着けて頂くために、親から子へ・・・引き継がれるべきマナーについて、優しく、そして自分自身のブラッシュアップの為のマナーセミナーを開講しています。

マナーを軸として『サロン(仕事)に活かす』『ライフスタイル(生活)に活かす』という2面からフォーカスした楽しく吸収できる知識をお伝えしています。
接客業20年のキャリアから、『リピーターを作る』に特化した接客メソッドを確立。現役でホテリエを続けながら、サロネーゼ向けのマナーレッスンを銀座にて開講。

顧客満足=スタッフ満足=わたし、満足 をゴールとして、サロン・クリニックに特化した接遇マナーレッスンも大好評

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