おしゃれな酒器で日本酒を楽しむ。お酒タイプ別・うつわの選び方 (1/2)
「酒器」と聞くと、みなさん、まずはぐい呑みを思い浮かべると思います。
ですが、実際には、酒器には様々なものがあり、昔から日本では、お酒を楽しむために色々な酒器を使ってきました。
「盃」や「猪口」、「ぐい呑み」、お燗を付けるための「徳利」や「チロリ」、お酒を一~二合入れて盃に注ぐ「片口」、酒席で盃を洗うための「盃洗」などがあります。
日本酒は、器ひとつで味が一段と引き立ちます。
今回は、「酒器の種類」、「日本酒のタイプに合わせた器の選び方」、「用途の違う器を酒器として使う楽しみ方」についてお話します。
盃の形状は中央がくぼみ高台が付いています。
結婚式の三々九度の盃など神事やあらたまった場面で使用されることが多いようです。
江戸時代に会席料理の向付で使用されていたものを酒杯に転用したと言われ、現代でも蕎麦猪口などで使用されています。
形状は筒型が多く、盃よりもくだけた酒席で使われます。
猪口を大きくしたもので、盃や猪口が酒席で使われるのに対し、ぐい呑みは、おもに一人もしくは数人で日本酒を楽しむ器です。
近年陶芸家が技術の粋を尽くしてぐい呑みを作っているのも、個人で楽しむ酒器として、趣味性が高い器であるからです。
徳利と銚子は同じものを指しますが、もともと銚子は、漆器や陶磁器製の柄のついた注ぎ口のあるものでした。
その後明治時代になり、小型の徳利を「銚子」と呼ぶようになったそうです。
片口は一合ないし二合程度のお酒を入れてぐい呑みに注ぐ器で、料理の小鉢にも利用しています。
徳利や銚子はおもに燗を付けるもので、片口は冷酒を入れる器として使うことが多いようです。
チロリは、燗を付けるための金属製容器で、湯に浸けて燗を付け、お酒を徳利に移し替えます。
居酒屋さんでは、チロリのまま出すところもあるようです。
盃洗(はいせん)は、酒席で盃を洗うための水を入れた容器です。
1つの盃で飲み交わすとき、盃洗で洗って相手に返します。
昔の料亭には用意されていたものだそうですが、このような慣習は今では無くなり、ほとんど使われなくなってしまいました。
漆器や磁器製が多く、絵付けや蒔絵を施したものがあり、アンティークとして人気があります。
絵柄の楽しいものや、ポップアート感覚の酒器で愉しんでみましょう。
キュートでポップなお酒の味が引き立つと思います。
お洒落な磁器やグラスが合います。
シャンパンのように、グラスの底から立ち上がる細かな気泡を眺めながら飲めば、爽やかさがいっそう強調されます。
スタイリッシュなガラスのぐい呑みや、爽やかな絵柄のものを選べば、パッションフルーツのような酸味が活きてきます。
薩摩焼の黒いぐい呑みや、黒地に白い釉薬の流れが美しい唐津焼、焼き締めの備前焼などで飲めば、お酒のパワーをしっかりと受けとめ、充実した味を感じられます。
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