和食や和菓子を乗せる和紙「かいしき」。吉凶別・折り方講座 (2/2)
上生菓子など、楊枝を使って食べるお菓子をのせるためのかいしきです。
吉凶ともに、右下に「黒文字(クロモジ)」と呼ばれるようじを入れます。
黒文字とは、葉や枝に芳香がある楠科の落葉低木のことですが、この木から作られる楊枝自体のことも黒文字と呼びます。
吉凶ともに同じ折り方で、黒文字(楊枝)を入れる部分を折ります。
基本のかいしきの底辺の、真ん中から指1本くらい右のところから紙を折り上げ、黒文字を入れます。
包みの分野での吉凶の区別の仕方については、諸説ありますが、一例をご紹介します。
昔、中国から入ってきた考え方で「天子南面す」という思想がありました。
これは、皇帝や天子は、南に向かって座るという考え方です。
京都御所の天皇のお住まいも、南に向かって建てられています。
天皇が南に向かって座ると、天皇の後ろは北、左は東、右は西となります。
左の方角の東は太陽が昇ってくる神聖な方角として、左が尊ばれました。
これが、左上位の考え方です。
ゆえに、吉のかいしきは、紙の手前の辺が左の方向(東)に伸びる「吉の線」となります。
凶のかいしきの手前の紙の辺は、右方向に伸びます。
右の方角は西で、西は西方浄土、仏様のお住まいの方角となります。
ゆえに、凶のかいしきは、右の方向(西)に伸びる、と考えると覚えやすいと思います。
ただし、かいしきの吉凶の折り方も諸説あり、逆で使われているところもありますので、ご注意ください。
ユネスコの無形文化遺産に登録されてから何かと注目される和紙ですが、とりあえずは身近なところで和紙を使ってみませんか?
吉と凶のウンチクについても語ることができれば、女子力アップ間違いなしです。
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「包み結び 櫻撫子」主催。海外在住時代に日本の「包む文化」の素晴らしさに魅せられ、帰国後に包み結び作家・研究家となる。包み結びを切り口に、日本の素晴らしい伝統文化を現代の生活に活かしつつ、未来に伝えていきたいと思い活動中。
オフィシャルブログ 「包み結び 櫻撫子」
http://ameblo.jp/tsutsumi-musubi/
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