薬の前にママの手でタッチケアを。子供が病気になった時の手当て方法

執筆者: 石井ちあき 職業:タッチケアセラピスト、元保育士
はじめに

こんにちは、タッチケアセラピストの石井ちあきです。

 

インフルエンザなどの感染症が気になるこの季節。

小さなお子さんのいるご家庭では、特に心配です。


お子さんの具合が悪い時にも、タッチケア(手当て)の方法を知っていると、とても役立ちます。
タッチケアは「治療」ではありませんが、ママの優しい手のひらで撫でさすってあげることによって、お子さんの不快な症状を和らげることができます。

咳が続いているとき

子どもが咳が続いて苦しそうな時は、胸のみぞおちの辺りを上下に撫でさすってあげてください。


みぞおちのあたりには、「胸腺」という器官があり、そこを刺激することにより免疫ホルモンが分泌されると言われています。

咳が長引いている場合は、浅い呼吸になり、胸の筋肉が緊張して堅くなってしまっています。
そんなとき、マッサージによって 胸を温め、胸と肋骨を動かしてあげると、リラックスして 深い呼吸ができるようになります。

大きく開いた胸と 深い呼吸のリズムは、病気や感染に対する抵抗力・回復力をつけさせる効果があります。

苦しくて眠れないとき

また、咳や熱などで苦しくて眠れない時には、背中の呼吸のつぼ(左右の肩甲骨と背骨が交わる辺り)を、くるくる撫でさすってあげましょう。

 

寝かせながらでも、抱っこしながらでも、お子さんの楽な体勢でやってあげてください。

 


体調が悪い時は、この部分が張って堅くなります。
ゆっくりじっくり撫でてあげていると、だんだんと 張りが取れてくるのが分かります。

元気になってから同じ部分に触れてみると、その感触の違いに驚くほどです。

鼻水が詰まっているとき

鼻づまりが苦しそうな時は、小鼻を広げるタッチケアをしてあげてください。

小鼻から耳の付け根の方に向かって、優しく撫でさすってあげると鼻腔が広がって、鼻の通りが良くなります。
リンパの流れも良くなり、老廃物の排出を助けてくれます。

 

 

すぐに薬に頼らずに、ママがやってあげられること

熱も咳も鼻水も、身体がウィルスや菌と戦っている証拠です。
そのため、無理に止めようとせずにそれらを体の外に出し切らせてあげるために行うのが、タッチケア(=手当て)です。

 

母親の気持ちを落ち着かせる効果も

そして、タッチケアのもうひとつの効果は「ママの気もちも落ち着けてくれる」こと。
子どもが病気になった時は、心配で不安になります。
また、ずっと家の中で看病しなければならない状態が長く続くと、ママ自身も疲れてイライラすることもあります。

そんな時も 頭の中をからっぽにして、子どもの体をゆっくり撫でさすっていると、だんだんと心が落ち着いてきて、気持ちが楽になります。

タッチケアをしていると、子どもだけでなくママの脳内からも、気持ちを穏やかにしてくれるホルモン(オキシトシン)が分泌するのです。

病気や怪我は子どもからのメッセージ?

子供たちが病気や怪我をする時というのは、母親が忙し過ぎたり、ちゃんと家族に向き合えていない時だったりします。


病気や怪我は 子どもからのメッセージなのではないかな、と感じます。
「ママ、アクセルを踏み続けすぎないで、時にはゆっくりブレーキをかけてもいいんじゃない?」と、優しく教えてくれている気がします。

お子さんが病気や怪我をしてしまった時には、「今は、子どもと一緒にゆっくりする時間なんだ」と思い、ママ自身もどうぞ無理なさらずに過ごしてくださいね。

 
 コラムニスト情報
石井ちあき
性別:女性  |   職業:タッチケアセラピスト、元保育士

2000年生まれと2007年生まれの男子の二児の母。

幼稚園教諭・保育士として、 こどもに関わる仕事をしてきましたが
自分がこどもを産んでみると・・・
産後の体調不良の中、待ったなしで 毎日 続く睡眠不足の日々。

その後、「タッチケア」「ベビーマッサージ」を学んだことで、
自身の育児も とても楽しく ラクな気持ちで行えるようになりました。

現在は、タッチケアスクール「Ohanaオハナ」として、
「保育士・子育て支援者向きのタッチケアセラピスト講座」や
産後のお母さんが集える「川口市・子育ちサークルたっちハート」等を主催しています。

「Ohanaオハナ」は、ハワイ語で「家族・仲間」という意味があります。
しあわせな家族・育児仲間の輪が 広がっていくお手伝いをしていきたいと思っています。

タッチケアスクール「Ohanaオハナ」http://ohana-hatogaya.jimdo.com/