寒さと乾燥対策を万全に!冬を健康的に過ごす養生法と注意点

執筆者: 藤永知嘉子 職業:国際中医薬膳師
はじめに

 

こんにちは。国際中医薬膳師の藤永知嘉子です。

冬が深まってきました。
何かと忙しい年末年始ですが、冬にエネルギーを発散してしまい、蓄えることが出来ていないと、パワー不足で新しい春を元気に迎えられません。
しっかりと養生していきましょう。

今回は「冬の養生法」をご紹介します。

 

冬はどんな季節?

冬は、一年の疲れを癒し、新たな春に備えてエネルギーを補充する季節。
陽の気は少なく、陰の気がもっとも多くなる時期です。

自然界では、動物が冬眠するように、活動するものは少なく、内にこもり蓄える時。
静かに過ごし、エネルギーを無駄に消耗させないことが大切とされています。
新しいことを始めるのも控えた方が良いとします(新しい試みはエネルギーを沢山消耗してしまいますね)。

 

冬のトラブルの原因

 

冬のトラブルの原因は「寒さ・乾燥」。
「寒さ」は活動する力を衰えさせ、血行不良を引き起こし、冷え、血圧や血管のトラブル、肩こりや頭痛、生理痛の悪化などを招きます。

「冬の乾燥」は、乾いた空気や暖房による本格的な乾燥です。
ちなみに秋の乾燥は、夏に汗をたくさんかいた水分不足による乾燥が大きいとされています。

喉や粘膜など内側の乾燥は、免疫力を低下させ、風邪を引きやすくします。
また、空気の乾燥は、肌のトラブル(かゆみ、アトピー等だけでなく、シワなど美容面のトラブルも含む)の原因にもなります。

 

冬の養生法

 

体調を崩す原因に溢れていて、不調になりやすい冬。
だからこそ、日々の養生がとても重要です。

 

早く寝て、少し遅く起きる

冬は四季の中で、最も陰が強い季節です。
夜は早く寝て、朝も明るくなってから起き、体内の陰を養うのが良いとされています。

 

寒さ対策をしっかりと

冬の不調の一番の原因は、寒さ。
冬の間にしっかり冷え対策をしないと、通年を通しての冷え性の原因に。


体温維持のため、外から冷たい空気が入ってこないよう、衣服の調整をしっかりとしましょう。
特に、首、腰、足首を温めるようにすると、体感温度はだいぶ違います。 

 

血行を改善

寒さで縮こまった身体は循環も悪くなりがち。
お風呂で全身を温める、マッサージ、軽いストレッチなどで、滞りがちな血行を促進しましょう。
お風呂に入りながら、冷える箇所をさするだけでも温め効果がアップします。


柑橘系(みかん、柚子など)の皮を湯船に浮かべると、さらに血行促進効果が得られますし、爽やかな香りでリラックス効果もあります。

 

乾燥を防ぐ

冬は一年の中で最も乾燥する季節。
鼻、喉などの粘膜の乾燥を防ぎ、免疫力をアップさせましょう。

加湿器や濡れたタオルを置くなど、部屋の乾燥を和らげる工夫をしましょう。
乾燥による喉の不調を感じたら、喉に良いお茶で早めの養生をしましょう。
ミントティー、カモミールティー、菊花茶などに、お好みで、潤い効果のある蜂蜜を加えても良いでしょう。

また、温かい飲料を飲むときには、湯気を吸い込むように口や鼻から呼吸し、喉や粘膜など内側を潤すのも手軽な風邪予防に。
小まめなうがいも大切です。

さらに冬の乾燥は、シワなど肌の衰えを招きます。
肌の保湿もしっかりと行いましょう。

 

しっかりと睡眠をとる

身体を休め、エネルギーを十分に蓄えるために、冬は睡眠がとても大事です。
寝る前に部屋を暖めておく、布団を湯たんぽで温めておくなど、ぐっすりと寝やすい環境を整えましょう。
電気毛布や暖房のつけっぱなしによる乾燥には、注意しましょう。 

 

激しい運動は控える

冬はエネルギーを蓄えたいとき。
そのため、エネルギーを消耗する激しい運動は、なるべく控えたほうが良いとします。

また、冬は通常より皮膚が絞まり、体への寒さの侵入を防いでいます。
激しい運動により汗をたくさんかくと、せっかく絞まっていた毛穴が開き、そこから寒さが侵入し、風邪を引き起こしやすくなります。

暖房の効かせ過ぎによる発汗も同じこと。
運動と暖房は適度にしましょう。

 

体を温める食事を摂りましょう

暖房や洋服など外からだけではなく、体の内から温めるのも大切です。
お鍋やスープなど、温かい料理を摂りましょう。


冬に美味しい根菜や、体を温める働きのある食材 (生姜、にんにく、長ネギ、唐辛子、コショウ、山椒など)を取り入れて、美味しく温めましょう。 

 

おわりに

冬の養生法、いかがでしたか?
新しい春を元気に迎えられるよう、心身共に整えていきましょう。