ディープなイタリアの歴史!南イタリアの少数民族、アルバニア人(アルブレッシュ)集落の特徴・文化まとめ (1/2)
たくさんの旅行客が訪れる国、イタリア。
現在でも移民の方がとても多いのですが、イタリアに中世から存在する少数民族の村があることをご存知でしょうか?
イタリアに存在する少数民族は2つで、一つは北イタリア・南チロル地方のチロル人(ドイツ系イタリア人)、そして今回ご紹介したい、南イタリアに約50もの村があるアルバニア人(アルバニア系イタリア人)です。
彼らの母国アルバニアはイタリアからアドリア海を渡った先にあります。
イタリア半島のかかとに位置するプーリャ州からはとても近く、現在でもフェリーを使い、とても簡単に移動出来る距離にあります。
私の住むカラブリア州には、約30ものアルバニア集落が存在し、特にコゼンツァ県に多く集中しています。
彼らの祖国アルバニアは、中世より正教徒とイスラム教徒が混合していた国でした。
15世紀、南部よりオスマントルコに攻め入られ、行き場をなくした正教徒が海を渡りイタリア半島に住むようになったのが、彼らの祖先です。
対オスマントルコ戦で、勇敢な戦いをみせたアルバニア人の英雄・スカンデルベグの功績が称えられ、イタリアに渡ったアルバニア人に対し、集落を与えられたのです。
中世にイタリアにやってきたアルバニア人の血を継ぐ彼らのことを、「アルブレッシュ(arbëreshë)、イタロ・アルバネーゼ(italo-albanese)」といいます。
現在のアルバニア人と区別するためです。
彼らの言語や習慣、民族衣装は中世に持ち込まれたものなので、時代を経て変化をしている現代のアルバニアのものより古く、歴史が深いとされています。
現在ではもちろんイタリア人の彼らですが、歴史のある少数民族として、独特な文化や言語、習慣を守るということの重要性を、きちんと認識しているので、博物館や教会などでもとても見所があります。
町の標識は、現在もイタリア語とアルバニア語の2つの表記があります。
現代でも英雄スカンデルベグは、母国アルバニアでも、イタリアにあるアルバニア集落でも、とても大切にされています。
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イタリア南部カラブリア州の北部、カストロヴィッラリ在住。
本場マンマにより郷土料理レッスン運営や、旅行のお手配・ご案内をしております。
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