イギリスの花火大会は真冬!「ガイ・フォークス・デイ(Guy Fawkes Night)」レポート (1/2)
11月5日は、イングランドではガイ・フォークス・デイまたはガイ・フォークス・ナイト、ボンファイヤー・ナイトと呼ばれている日です。
1605年11月5日、当時弾圧を受けていたカトリック教徒の過激派達が、時の国王ジェームズ1世暗殺を企て、国会議事堂に爆薬を仕掛けようとしましたが、失敗に終わりました。
国王ジェームズ1世がこの爆発未遂から生き残ったことを記念して、ロンドン中で焚き火が炊かれたといわれています。
この火薬爆発事件の実行責任者が、ガイ・フォークスと呼ばれる人物です。
その後11月5日は、ガイ・フォークスの火薬爆発事件の失敗に感謝する記念日として、今も毎年祝われているのです。
ジェームズ1世が国王となった1603年、イギリスはプロテスタントの国でした。
カトリック教はその頃弾圧されており、特にエリザベス1世の時代に迫害に拍車がかかり、厳しい状況となっていました。
こうしてカトリック教徒からの不満が高まり、カトリック教徒達の中で過激な手段をとろうという動きが始まります。
こうした動きから、ガイ・フォークスも火薬爆発事件を企てることになったのです。
逮捕されたガイ・フォークスは、拷問を受けその翌年に処刑されました。
そのためガイ・フォークスと呼ばれる人形を作り、夜になって焚き火の中に投げ入れ、その人形を焼く風習が生まれたそうです。
今では、地域によってはこの人形を焼く風習はまだ残っているようですが、前述のような歴史背景はほとんど忘れられているようです。
日が暮れると大きな焚き火をしたり、花火を上げるという風習に変わってきています。
11月5日前後になると、各地の公園で花火大会が開催されます。
出店が出たり、移動遊園地が出たりするところもありますし、教会の敷地内などで行われるものもあります。
また、このシーズンは、個人宅からもあちこちで打ち上げ花火が上がります。
日本の花火大会は夏の風物詩となっていますが、イギリスでは花火は冬の風物詩です。
既にすっかり寒くなった、冬の空気を感じながらの花火大会は、日本の花火大会とは少し異なります。
日本の花火大会のように静かに風情を楽しむというものではなく、こちらではテーマに沿って、激しい音楽と共に花火が打ち上げられるのです。
初めて見る方は、その音楽のけたたましさと、会場を盛り上げる実況中継のようなアナウンスに驚かれるかもしれません。
冬の飲み物Mulled Wineと呼ばれる、ホットワイン(赤ワインにオレンジピール、シナモン、砂糖やシロップを加えて火にかけ温めた物)などを飲みながら見る花火大会は、イギリスのこの時期ならではです。
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