横浜三塔物語の伝説を巡ってみよう!キング・クイーン・ジャックの塔ツアー (1/2)
明治期の開国間もない横浜港。
外国の船員達が、港から見える横浜の「キング・クイーン・ジャック」と呼ばれる3塔に、航海の安全を祈願した「横浜三塔伝説」があります。
この伝説を具現化した観光プロモーションが「横浜三塔物語」。
3塔が見える場所を巡ると願いが叶う、というもので、毎年3月10日を「三塔の日」としてイベントが開催されています。
今回は、歴史的にも、そして観光地としても見所の多い、この横浜三塔をご紹介いたします。
レトロ感溢れる威風堂々とした建物が「神奈川県庁本庁舎」。
洋風建築の建物に和風の屋根を載せた景観は、昭和初期に流行した「帝冠様式」と言う建築様式。
一目で日本的と認識できる事から、戦時下の満州や中国などで流行し「軍服を着た建物」との異名を付けられました。
現在では、現存する建物も少ないため、この本庁舎の価値は非常に高いのです。
一方、内部は、極楽に咲くという幻の花・宝相華をモチーフに、建物全体の内部装飾を統一させるという特徴があります。
当時の公共建造物としては非常に珍しく、こちらも非常に価値があります。
このように、4代目にあたる現・本庁舎は、まさにキングに相応しい風格を備えている建造物。
毎月1~2回程度ある一般公開の際に、古い歴史と伝統的な景観に触れてみてはいかがでしょうか。
様々な建築様式が交じり合った優雅な建物が「横浜税関庁舎」。
現在の塔はキングと同じ4代目ですが、昭和初期の3代目の時にクイーンの塔がお目見えしました。
当初、高さ47mで設計されたのですが、キングの49mより低い事から51mに変更されたのです。
これは、神奈川県庁=県に対し、横浜税関=国というプライドに依るもの。
当時の世相が感じ取れるエピソードですね。
3代目を全面改修して4代目を作った際、1階には「クイーンのひろば」と呼ばれる、横浜税関資料展示室が設置されました。
税関や塔の歴史、更に税関の役割などの展示を見ることができます。
中には、昨今話題の薬物などの展示もあります。
知識・見聞を広めるには良い機会でしょう。
煉瓦造りの細身の引き締まった建造物が「横浜市開港記念会館」。
外観からお分かりの通り、東京駅などと同じ「辰野式フリークラシックスタイル」と呼ばれる建築様式です。
赤煉瓦に花崗岩をとり混ぜた建築様式を創り出した、辰野金吾のデザインを踏襲しています。
この場所にあった町会所の時計台をイメージし、大正期に建築されましたが、関東大震災で損傷。
修復された姿は創建時のそれとは違った物でした。
しかしながら、昭和60年に元の設計図が発見され、現在は、創建時の姿を見る事ができるのです。
建物内部は、特に使用されていないかぎり見学は自由。
この講堂のような、年代を感じさせる施設を見て回る事ができます。
アーチ型の柱の美しいホール、当時の欠片の残る美しいステンドグラスなど、まさに大正ロマンの歴史を垣間見られるのです。
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