のんびり手漕ぎボート釣りの魅力!楽しみ方ポイントと危険な毒魚リスト

執筆者: 房総釣り師
何故、ボート釣り?

釣りは全て楽しいのですが、数年前から始めた海のボート(手漕ぎ)釣りが、楽しくて仕方がありません。

 

ボート釣りの楽しさは、何と言っても自由なこと。

他の釣り客を気にする必要もないですし、いわゆる「煽られる(一人だけ釣れなくて焦る)」という、自分の心の狭さにアタフタする事もありません。


2003年の船舶免許の大幅な改正で、2馬力までのエンジン付ボートなら免許なしで乗れるようになっていますし、ますますボート釣りの手軽さに人気が出ているようです。

私は手漕ぎ派です。

アチコチ移動するのではなく、まさに「のんびり」とアンカー(ボートのイカリ)を打って、内湾の波に漂いながら1日を過ごすのが楽しいのです。


 

ボートからの釣りものの魅力

ボート釣りでの人気釣りものは「キス」でしょう。

軽く仕掛けを投げて、キスのポイントである「カケアガリ」や「ヨブ」と呼ばれる地形変化を錘で底を取りながら探り、上手くそのポイントを見つけるとそこそこの釣果を上げる事ができます。

 

キスは砂地の上にいます。

「カケアガリ」とはその砂地の段差の箇所。

「ヨブ」とは砂地の窪みの箇所です。

こうした地形の所にキスは集まっていることが多いのです。

あとは季節によって、秋はカワハギ、アオリイカ、アジ、時に仕掛けに喰い付いたイワシに喰ってくるショゴ(カンパチの子供)やヒラメなども来ます。

 

活けエビ餌と活け魚餌

私の本命は夏の間のマゴチです。

マゴチは専門船が出ていますので、船から釣った方が釣果は上がりますが、このマゴチの釣り方には二通りあって、一つは「活けエビ餌での釣り」、もう一つは「活け魚餌での釣り」です。

 

以前は東京湾でのマゴチ釣りといえば「活け魚餌」だったのですが、今ではほとんどの船宿が「活けエビ餌」の釣りです。

サイマキという養殖クルマエビの子供を餌にして釣ります。

私はこのエビ餌でのマゴチ釣りになぜか面白さを感じません。釣趣の差ですね。

エビ餌だとマゴチはガブッと来ます。魚餌だとなかなか喰いこんできません。餌をカミカミして弱らせて喰うのです。

この「喰わせるまでの緊張感」が堪りません。

 

ヒラメも一緒です。よく「ヒラメ40コチ20」といいますが、それくらい数えるまで喰い込むのに時間がかかるという例えです。

マゴチ釣りの場合、餌となる魚は自分で釣ります。

メゴチにハゼ、ピンギス(小さいキス)でも喰ってきます。

 

ボート釣りでは、これが「ノンビリ」とできるのです。

キス釣りを楽しみながら、一発大物(40cm~60cm)のマゴチを狙う。

こんな自由な釣りを楽しめるのが、ボート釣りの魅力です。

ボート釣りで、あると便利なもの

ボート釣りではキス釣りがメインになりますから、その餌が、慣れていない人には最初の関門となるかもしれません。

 

餌はどうすればいい?

餌は「虫餌」で、アオイソメやジャリメなどのニョロニョロ系です。

これが苦手な人は多いですね。

まずは掴みにくく、大人しく針に挿されてくれません。

そんな場合には「石粉」という、細かい粉があると便利です。

釣具屋さんで売っています。これを使えば、虫の滑り止めになります。ベテランの人でもこの石粉は使っています。


餌箱について

あと、餌箱ですが、この虫餌たちは脱走の名人です。

餌箱の隙間からニョロニョロが逃げ出すことがあります。それを防ぐには餌箱の開けたところにクリアファイルなどを適当に切って「返し」を付けておくと効果的です。


100円ショップで売っているお弁当ケースに保冷剤などを入れて、そこに餌箱を入れておけば夏などは虫餌が弱るのを防げます。


 

日差しに注意

特に天気の良い日、ボートの上には日陰というものがありません。

麦わら帽子も良いのですが、人目を気にする事はありませんので、日傘を差して釣るのもいいですね。実際、女性の方でけっこういますよ。


座布団は必須!

ビニールの座布団は便利というよりも必須です。

けっこう一日ボートの釣り座に座っていると、お尻が痛くなります。


もちろん携帯電話

それから携帯電話。特に女性のトイレ問題は「曳舟サービス(船長が自分の船でボートを引っ張ってくれる)」のあるボート屋さんなら、浜のトイレまで連れて行ってもらえますから、携帯電話で連絡するのが一番簡単で確実です。

ボートについている赤い旗を振ってもいいのですが、見つけてもらえない事もあります。

 

危ない魚たちにご用心

手軽で楽しいボート釣りですが、危険に対する注意も自己責任となります。

急な天候の変化はボート店さんが対応してくれますが(ひっくり返っても、助けに来てくれます)、気を付けなくてはならないのは「毒のある魚」です。

毒はなくても歯が鋭くて、それで怪我をする事もあります。

 

毒を持つ魚の種類

「ダイナンウミヘビ」という痩せたアナゴのような奴です。

マゴチやスズキが釣れた時は絶対に素手で触らないように気を付けて下さい

鋭い棘がありますから、けっこう痛いですよ。

 

毒を持っている魚の代表格はまず「ゴンズイ」、そして「エイ」「ミノカサゴ」「アイゴ(バリ)」ですが、他にも「ウミケムシ」なんてものもいます。

 

 

ゴンズイは海に住むナマズの仲間です。黄色い線が特徴ですから、絶対に素手で触らないように。

あまり沖には出てこない魚ですから、ボート釣りで釣れることは少ないですが、岸近くの浅場を狙っている時には用心して下さい。

 

ゴンズイの毒は、刺されると屈強な漁師でさえ「泣く」と言われています。


私は沖の中深場にいる毒魚(オニカサゴ)に刺された事がありますが、同じような蛋白毒です。
楽しい遊びだからこそ、そうした「危ないもの」には気を付けましょう。

 
 コラムニスト情報
房総釣り師
性別:男性  |  

サラリーマン経験もありますが、殆どフリーランスで仕事をしてきました。何でもやるプランナーで、けっこう以前ですけど、数年某商業誌で連載を持っていたこともあります。企画書書き、マニュアル書き、テキトー広告コピー、パンフレットのコピー書き、サイト制作、ゴーストライター、何でも仕事に飛びつく、魚のカサゴの様なものです。実はこのカサゴ、オニカサゴにハチカサゴ、ウッカリカサゴ、本カサゴと多種ですが、好きな釣りものです。今は「釣りをするため」に働いています。