ヨガ&ピラティスの視点から考えた、腸内環境をリセットし自律神経を整える3つのポイント -デトックスレシピ・正しい腹式呼吸のやり方・腹筋の鍛え方-

執筆者: 美宅玲子 職業:美姿勢インストラクター

こんにちは、美姿勢インストラクターの美宅玲子です。

 

便秘、下痢、膨満感、腹痛…お腹にまつわるトラブルは、私たちを悩ます大きな問題です。
胃腸は私たちの意思とは関係なく動く「自律神経」に支配されていて、寝ていても消化・吸収を進めてくれる代わりに、心身がストレスにさらされると、簡単に働きが乱れてしまいます。

便秘や下痢などといった腸の不調は、目・鼻・耳・口・皮膚の五感とは別の感覚として、お腹の「快感・不快感」を覚えます。
それは、腸には脳(10億個)に次ぐ1億個の神経細胞があり、脳から独立したネットワークを築いているからです。

一方、腸は脳と同じようにホルモンの分泌や免疫を司っています。
花粉症などのアレルギー症状を抑えるためには、腸の状態を良好にすることが大切と言われています。
腸を整えると脳が整い、全身・心身の状態が整うとも言えるでしょう。

それほどに大切な腸内環境ですが、私たちは普段から強いストレスや刺激物、添加物の摂取、食べ過ぎなどで乱れることはあっても休まることがありません。


腸をリセットし、正常な働きを促す方法を、ヨガ・ピラティスの視点からお伝えしましょう。

腸のリセットを行う

ヨガは、心を穏やかに満たす生活法『アーユルベーダ』と深い関係があります。

心身の未消化物を取り除き、排出・浄化をしたあと、必要な分の食物を消化しやすいように取り入れるのです。

特に胃腸のリズムが排出に適しているのは午前中です。
胃腸に負担の少ない水分を中心に摂り、消化に適した午後にメインの食事を摂るようにすると、食べ過ぎやストレスで疲れていた腸をリセットすることができます。
グリーンスムージーなどは水分と野菜を摂取するのにお勧めです。

 

グリーンスムージーレシピ

りんご1/2個、小松菜1把、豆乳100mlをミキサーにかけるだけです。
どの野菜でも、りんごや豆乳を混ぜると飲みやすい味になりますよ。

 

 

ほか、腸リセットに良い飲み物は「酵素ドリンク(無添加、無農薬、白砂糖の入っていないもの、果汁で薄めていないもの)」「玄米コーヒー(玄米より消化がよく、食物繊維も含まれる)」などが挙げられます。

お腹が空かない時は、体の声に従って食事をお休みしてみるのもいいかもしれません。

 

 

腹式呼吸とリラクゼーション

腸が食物を消化吸収する動きは、副交感神経の働きによります。
副交感神経は、心身をゆったりとリラックスさせ、疲れを回復させる働きを持ちます。

「呼吸は自律神経の窓」と言われ、呼吸をコントロールすることは、自律神経のバランスを整えることに繋がります。
ヨガで主に意識される腹式呼吸は、副交感神経を刺激します。そのため心身がリラックスすると同時に、腸の働きを正常にするのです。

 

 

自律神経を整える腹式呼吸のやり方

息を最後までしっかりと吐き切ってお腹をペタンコにします。
その後に緩めると、自然とお腹が膨らみ、腹式呼吸になります。

この方法を行い、自律神経を整えていきましょう。

 

 

 

 

腸のぜん動を促す腹筋をつける

腸は、骨盤からウエスト内の空間に納まっています。
くしゃみやせき、ジャンプをするなど腹腔が圧迫され不安定な状態になった時、内臓の位置をキープするための「腹横筋」という腹巻のような筋肉があります。

ピラティスでは、この筋肉を意識的に活性化させて、体を動かします。
腹筋をつけることで、腸の下垂やうっ血を防ぎ、ぜん動を促したり冷えを予防したりできるのです。

 

腹横筋を活性化する腹筋法
  1. 仰向けで寝て、両膝を曲げます。
  2. 膝を股関節の上まで持ち上げ、下腹を引っ込めます。
  3. ズボンのゴム(ベルト)のあたりで床を押す力を意識しながら、上体を丸めるようにゆっくり起こします。3秒で上げて3秒キープ、3秒で下す程度のスピードで行います。
  4. 上げる時に息を吐き、下ろす時に息を吸います。
  5. これを毎日5回繰り返します。

 


その他にも、お腹周りを伸ばすストレッチや、お腹を直接手でマッサージするなど、自分で出来る調整法はたくさんあります。
いずれも苦しくならずリラックスして心地よく行うことが大切です。

 
 コラムニスト情報
美宅玲子
性別:女性  |   職業:美姿勢インストラクター

ヨガ・ピラティス・美姿勢インストラクター。
東京学芸大学教育学部卒。中学から大学まで陸上競技(100mH、走幅跳)に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生であろう」という無理を重ね、うつ状態のため2年半後病休を取る。
2004年に趣味で通っていたスポーツクラブに転職し、ヨガ・ピラティスと興味ある分野を活かせる仕事のおかげで心の病と腰痛を克服する。ストレスの多い日常でも心身の調子を整えられる素晴らしさを伝えるため、2008年に独立しフリーインストラクターとなる。
現在、首都圏のスポーツクラブ、自治体、公共施設でのサークルや個人のレッスンを受け持つ一方、外ヨガイベント、健康コラボイベントの企画実施、雑誌監修、コラム連載、DVD発売も行う。日々更新するHP、ブログ、YouTubeのエクササイズ動画も好評である。
HP「インストラクター美宅玲子 Re pure BODY」 http://mitakureiko.com