「糖質」の基礎知識!脳のエネルギー源として「ケトン体」を利用できるから、糖質は摂らなくてもいい?
糖質制限の流行で、すっかり悪のイメージがついてしまった「糖質」について解説。「炭水化物との違いは?」「どんな種類があるの?」「摂取するとき、気をつけるべきことは?」など、これを読めば糖質に関する基本的な疑問が解決します。
こんにちは、パーソナルトレーナーの和泉大樹です。
みなさん、「糖質」に対してどんなイメージを持っていますか?
糖質制限の流行ですっかり悪者扱いが定着してしまった感がありますが、糖質はなくてはならない必要な栄養素でもあります。
今回は、知っておきたい糖質の基礎知識を簡単にご説明します。
糖質は、エネルギー源として最も重要な栄養素で、脳のエネルギー源は基本的に糖質です。
一般的に「炭水化物」と言えば、糖質のことを指します。
ですので、炭水化物=糖質の認識で良いかと思いますが、厳密に言えば、炭水化物=糖質+食物繊維です。
炭素(C)と水(H2O)の化合物なので、炭水化物と言います。
一口に糖質と言っても、これだけ種類があります。
これ以上、加水分解できない糖質。
糖質は、最終的に単糖類に消化されてから体内に吸収されます。
- グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース
単糖類が、2個結合した糖質。
- マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖、砂糖)、ラクトース(乳糖)
単糖類が、3~9個結合した糖質。
グルコースが、多数結合した糖質。
- 植物の貯蔵多糖でんぷん、動物の貯蔵多糖グリコーゲン
単純糖質とは、「単糖類」と「二糖類」のことを指します。
一般的に、砂糖や果糖のことです。
脳のエネルギーは、基本グルコース(ブドウ糖)で、最も重要なエネルギー源となります。
また、赤血球に関しては、グルコースしかエネルギー源として利用できません。
吸収されたフルクトースとガラクトースは、グルコースに変換されます。
糖質量が足りなくなると、結果、筋肉が減ってしまう
糖質が少なくなると、身体は糖質以外から糖質を生成し、血糖値を保とうと働きます。
これは、「糖新生(とうしんせい)」という現象で、その材料は主にアミノ酸です。
残念ながら、脂肪分解で生じた脂肪酸は、糖新生の材料になれず、糖質を作り出すことはできません。
糖質が少ないと、タンパク質である筋肉をアミノ酸に分解して糖質を生成します。
ですから、筋肉の分解を防ぐには、糖質の摂取が必要です。
糖質には、タンパク質節約作用があるのです。
ある程度血糖値を上昇させた方が、ダイエット効果あり
糖質を摂ると血糖値が上昇することがよく取りあげられますが、血糖値が上昇すると満腹中枢が刺激されるので、満腹感を得やすくなるという一面もあります。
また、食べ過ぎを防ぐには、実はある程度血糖値を上昇させる必要もあります。
上でお話したように、通常、脳のエネルギー源として使われるのは、基本グルコース(ブドウ糖)です。
ですが、糖質の摂取が極端に少ないときは、脂肪酸の代謝産物である「ケトン体」を脳のエネルギー源として利用することができます。
ただ、ケトン体で100%まかなえるわけではありません。
それに、これも上でお話しましたが、赤血球に関しては、グルコース(ブドウ糖)のみをエネルギー源としているため、ケトン体は利用できません。
しかも、ケトン体は酸性であるため、体内に増え過ぎると身体が酸性に傾きます。
そのような状態になると、身体の機能が正常に働かなくなってしまいます。
ケトン体が体内に増え過ぎている状態は、身体に良いとは言えないのです。
それに加えて、体臭がきつくなるというデメリットもあります。
糖質は、重要な栄養素ではありますが、簡単に摂れる栄養素でもあるので、過剰摂取には注意が必要です。
必要以上に摂取すると、余った分は脂質に変化し、体脂肪として蓄えられます。
また、生活習慣病のリスクも高くなります。
これも、事実です。
糖質は、「制限する」のではなく「適正量に是正する」ことが大切です。
糖質の摂り過ぎはもちろんいけませんが、肝心なのは自分に合った適正量を摂取すること。
特に、消化吸収の早い単純糖質(砂糖や果糖など)の摂取量には、十分気をつけましょう。
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