ニット生地の種類・特徴・家庭用ミシンでの縫い方。ハンドメイド初心者も納得♪ (1/2)

ニット生地の種類と特徴。厚さ、縫い易さ、伸縮性などを、ハンドメイド初心者さんにも分かりやすく説明。ニット生地をミシンで縫うと伸びる、丸まる人も必見!

執筆者: はねまいこ 職業:ハンドメイドこども服・こもの作家
ハンドメイドの基礎知識「ニット生地の種類と特徴」

こんにちは。ハンドメイドこども服作家の、はねまいこです。

 

前回は、生地の中でも布帛(ふはく)を取り上げました。

今回は、ニットについてお話したいと思います。

 

布帛は織物、ニットは編み物

布帛はタテ糸とヨコ糸を交差させて織った「織物」であることに対し、ニットは1本の糸をループ状に編みあげて作り上げる「編み物」です。

 

毛糸で棒針編みやかぎ針編みをされた方は、ピンとくるかもしれませんね。

 

ニット生地の特徴

ニットの特徴と言えば、布帛に比べ布地が伸縮するということです。

伸縮性に優れているので柔らかく、動きに合わせて体にフィットします。

 

着心地がよく、ベビー服や赤ちゃんのおもちゃ、子ども服、大人のものでも下着などに好んで使われることが多く、Tシャツやトレーナーなどにも使われています。

 

例)赤ちゃんの服や小物に

 

種類

主に「通常の布地」と「付属生地」の2つに分かれます。

 

付属生地とは、Tシャツやトレーナーの襟ぐりや袖口に使う生地のことで、ポリウレタンが入っており、通常のニットよりも更に伸縮する生地のことです。

スパッツなどに使われることもあります。

厚さ

数字が小さいほど厚みが増します。


付属では20/30/40と表しますが、40は比較的薄く夏のTシャツの襟ぐりなどに使われ、20は冬のトレーナーなどに使用するかなり厚みのある生地となります。

ニット生地(通常の布地)の種類

よく使われる生地を中心にご紹介します。

下に行くほど生地の厚みが増しますが、生地によってはこの限りではありません。

 

天竺(てんじく)

棒針編みでいう「メリヤス編み」で編まれたニットです。

 

  • 用途

比較的薄いので、春~秋のウエアに向いています。

 

  • 縫い易さ

先が丸まり易いため、中級~上級者向き。

丸まりを無くそうとアイロンをかけると、熱で更に丸まってしまいますので、裁断後のアイロンがけはしない方が良いでしょう。

 

  • 伸縮性

伸縮性は低いです。

 

 

スムース

「一目ゴム編み」で編まれたニットをフライスと呼びますが、フライスの更に目の詰まったものを「スムース」と言います。

 

  • 用途

さらさらしたしなやかな手触りが特徴で吸水・保湿性があるので、赤ちゃんのウエアに好まれます。

 

  • 縫い易さ

適度な厚みがあり丸まらない為、ニット初心者さんに向いています。

 

  • 伸縮性

伸縮性がありますので、縫い伸びに注意しましょう。

 

 

接結(せっけつ)

薄い2枚の生地を重ねて1枚の生地に仕立てたニットです。

 

  • 用途

布と布の間に空気層ができるので保温性があり、秋冬のウエアに向いています。

 

  • 伸縮性、縫い易さ

伸縮性は高めであることが多く、先が上の布は上に、下の布は下側に丸まるものもあります。

そのため、初心者さんには少し扱いにくいかもしれません。

 

 

ダンボールニット

生地の断面が段ボールの断面に似ていることから「ダンボールニット」と言われています。

 

  • 用途

厚みがあるので秋冬向きの生地です。

表面はしなやかで肌触りがよく、カーディガンやトレーナーの他、ボトムスにも向いています。

 

  • 伸縮性、縫い易さ

伸縮性は低く、厚みがあるので初心者さんでも扱いやすいです。

 

 

裏毛
  • 用途

トレーナーやスウェットに使われているニットです。

トレーナ地やスウェット地などと呼ぶこともあります。

 

天竺と同じ編み方ですが、裏がループ(パイル)になっており、ループによって厚みが増し、保温性が高くなります。

 

裏のループを機械で引っ掻いて起毛させたものを「裏起毛」と呼び、冬のウエアによく使われます。
またループを小さくしたのもを「ミニ裏毛」、太くして大きくしたものを「鬼裏毛」と表すこともあります。

 

  • 縫い易さ

天竺と同じく先が丸まり易いので、中~上級者向きです。

 

 

キルトニット

生地と生地の間に綿を挟んだニット生地。

通園通学グッズの定番キルティング生地のニット版です。

 

  • 用途

保温性があり、暖かくしっかりしているので、アウターやボトムス、帽子やウォーマーなどの冬の小物に向いています。

 

  • 伸縮性、縫い易さ

伸縮性は低く、厚みがあるので扱いやすい生地です。

 


この他には、ベア天竺、フライス、ポンチニット、ダブルフェイス、ワッフルニット、ジャガード(織りで模様を表したもの)、ファー、ボアなどがあります。

 

ニット生地(付属生地)の種類

先にお話しした通り、「付属生地」とは、Tシャツやトレーナーの襟ぐりや袖口に使う生地のことです。

ここでは、3種類ご紹介します。

 

スパンフライス

ポリウレタンなどの伸縮性のある素材の混ざった、ゴム編み状のニットのこと。

 

伸びるだけでなく戻りが良いので、主に袖口や襟ぐりに使われます。

この戻りを「キックバック」と呼ぶことがあります。

Tシャツのリブはスパンフライスにすると、見た目も綺麗で着心地も良くなります。

 

スパンフライスは一目ゴム編みからできているので、スパンテレコに比べて厚みは薄いです。

 

 

スパンテレコ

スパンフライスと同じく伸縮性のある素材の混ざったゴム編みのニットのことです。

 

スパンフライスが一目ゴム編みなのに対し、テレコは二目ゴム編み若しくはそれに類似した編み方でできていますので、ストライプのような畝を伴います。

 

スパンフライスよりも厚めのことが多いので、裏毛の付属やアウターの付属向きです。


 

アラン風ニット

ここ数年、ニット専門の生地屋さんで扱われるようになった人気の生地です。

 

生地に編みの模様が入っておりスパンフライスやスパンテレコに比べて伸縮率が高いため、若干短く裁断することをお勧めします。

 
 コラムニスト情報
はねまいこ
性別:女性  |   職業:ハンドメイドこども服・こもの作家

ハンドメイドこども服作家。poco a poco*という名前で活動しています。
2人の男の子の母です。

作品を手にして下さったひと、
みんなが笑顔になって幸せな気持ちに
なれるような服作りを目指しています。
また育児のお役立ちグッズなども日々開発中。

こちらでは洋裁の初心者さん向けに
色々と役立つ情報を発信できたらと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。



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